氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

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「リラ様、わたくしの事はどう思われますか?正直に仰って下さいな。わたくしはリラ様の事が、大好きになりましたわ♪」

「わっ、わたくしも、王妃様の事が、好き、ですが、ほっ、本当に、仲良くして頂けるのですか?!」

「勿論ですわ♪ほら、リラ様?王妃様ではなく、お義姉様ですわよ?アレク様は、アナとしか呼ばないから、シアで呼んで貰おうかしら?シアは故郷での愛称だったのよ。こちらでは誰にも呼んで貰えないから寂しくて……。リラ様が呼んで下さると嬉しいわ♪」

「わっ、わたくしがお呼びしても、嬉しい、ですか?」

「ええ、当然だわ。だから、シアお義姉様と呼んで下さいな♪」

「……シアお義姉様……」


 リラが思わず小声で囁き、顔を綻ばせたのを見たアナスタシアが、心の中で絶叫する。

(ななななっ、何ですか?!この可愛い生き物は!!もしかしてこれですか?!この天然無垢の微笑みにやられたのですわね、エドワルド様!!やられて当然ですわ!女のわたくしですら、効果が有りますもの!!可愛過ぎですわリラ様!計算では無い所が凄いですし、計算では、わたくしもエドワルド様も全く反応しないだろうから、天然な所が最強だと思います!!)


「リラ様は、もっと微笑めば良いと思いますわ!」

「わっ、わたくし、笑顔や泣き顔は、もっと不細工になるそうなので、あまりお見せ出来る表情ものでは有りません……」


 シュンと落ち込むリラに、誰ですか?!そんなデマをリラ様に流したお馬鹿はぁ~!!と、心の中で罵倒した。


「でっ、ですがエドワルド様は、そんな事は無いと、もっと見たいと言って下さるので、わたくしも、エドワルド様だけには警戒せずに済むのです……。しっ……シアお義姉、様にも、有りの儘のわたくしを、見て、頂いても、宜しいでしょう、か?」


 オズオズと言い出すリラに、アナスタシアは内心悶え、決意した。

(こんなにも可愛いリラ様を、他の者に見せては駄目ですわ!!エドワルド様と結婚した後ならばバレても仕方が無いでしょうけれど、その前に知られて手を出されては困ります!リラ様は絶対にエドワルド様と結婚して貰わなければ!!そして、義妹になったら存分に愛でるのですわ!)


「勿論ですわっ!ただし、他の者達のいる前では駄目ですよ?リラ様の魅力を知り、手を出されては困りますから!!わたくし、エドワルド様の気持ちが解ります!王命にしてまで欲しがるのは当然ですわ。わたくしが男であれば、リラ様を選びますもの!!」


 力説するアナスタシアを見て、リラは思った。アナスタシアも奇特な方だったのかと。
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