232 / 805
本編
180
しおりを挟む
王妃の寝室に来た男を床に押し付け拘束するのはアナスタシアの格好をしたファーニーだ。
「お前……アナスタシア様じゃないな?!」
「え?今更?そもそも、王様と直接決闘する勇気も無い、こんな卑怯な手しか出せない屑相手に、王妃様を囮に使う訳無いじゃん。この状況解って無いの?しかも、王妃様の飲むお茶に何か混ぜてたよね?痺れ薬か媚薬かは知らないけど、どっちに試そうか?」
王妃の格好で、声だけを元に戻す。
その声はどう聴いても男の声だ。
「?!」
「誰よ?!あんた!!?」
「お前等には関係ねぇよ。あー、二人共で良いだろ。ポットに入ってるしな。飲ませた後は猿轡して、各自予定通りに」
ダンがレベッカを見ると、レベッカがポットからお茶を注ぎ、ダンとファーニーに渡す。
「?!嫌よ!わたしは飲まないわ!!」
「そうか、なら良いさ。無理に飲ませるだけだ」
ダンとファーニーが、各々相手の口に冷えたお茶を口の中に流し込み、吹き出させない為に、手で口を押さえて鼻を摘まむ。侍女の方は必死に暴れるが、ダンからすれば、抵抗等無いようなものだ。
嚥下したのを確認して、手を離せば、飲んでしまった為か、顔色を変える。
「何て事をっ……!!」
「王妃様に飲ませようとした物でしょう?なら、毒味が必要よ。当然でしょう?」
リラが呆れた声で侍女に言う。
「あんた、それに何が入っているか知らないから言えるのよ!!」
「何を入れたの?」
「!!誰が言うもんですか!」
「いや、別に言わなくても良いぞ?残った物を分析させりゃ良いだけだし、あんた等見てりゃあ分かるだろうからな」
「見る気も無いのに言い切っては駄目ですよ。多分両方を混ぜた物でしょうね。どちらにも反応してましたし。でも、その二つの混ぜ物って、相当キツく出るそうですね、特に媚薬効果が。そんな縛られたままで誰にも相手にされないなんて、可哀想ですね」
「いっ、嫌よ!寄らないでっ!」
「ああ、何かされるとでも思ったのですか?無い無い。私もダンも、貴女のような女性は趣味じゃないですし、女なら誰でも良い訳では無いので。貴女の相手は辺境で働く兵士達です。勿論国賊として、王妃を陛下以外の男に売ろうとした罪で。知ってます?王妃様は辺境の兵士達にはとても人気が高いんですよ。王妃様が陛下と共に、兵士達に激励の手紙を送っているからです。そんな兵士達の元に送られるので、覚悟はしといて下さいね?まぁ、毎日兵士達の相手をしていれば、その内慣れますよ。死ぬまで一生、そこから出られませんからね」
「?!?」
「いやいや、何吃驚してんだ?当然だろ?お前はそんだけの事をしてんだよ。王様の物に手を出すっつう事はその王様に剣向けてんのと一緒だろうが」
ダンは手早く侍女の口に猿轡を噛ませて、顔に布製の袋を被せた。
「お前……アナスタシア様じゃないな?!」
「え?今更?そもそも、王様と直接決闘する勇気も無い、こんな卑怯な手しか出せない屑相手に、王妃様を囮に使う訳無いじゃん。この状況解って無いの?しかも、王妃様の飲むお茶に何か混ぜてたよね?痺れ薬か媚薬かは知らないけど、どっちに試そうか?」
王妃の格好で、声だけを元に戻す。
その声はどう聴いても男の声だ。
「?!」
「誰よ?!あんた!!?」
「お前等には関係ねぇよ。あー、二人共で良いだろ。ポットに入ってるしな。飲ませた後は猿轡して、各自予定通りに」
ダンがレベッカを見ると、レベッカがポットからお茶を注ぎ、ダンとファーニーに渡す。
「?!嫌よ!わたしは飲まないわ!!」
「そうか、なら良いさ。無理に飲ませるだけだ」
ダンとファーニーが、各々相手の口に冷えたお茶を口の中に流し込み、吹き出させない為に、手で口を押さえて鼻を摘まむ。侍女の方は必死に暴れるが、ダンからすれば、抵抗等無いようなものだ。
嚥下したのを確認して、手を離せば、飲んでしまった為か、顔色を変える。
「何て事をっ……!!」
「王妃様に飲ませようとした物でしょう?なら、毒味が必要よ。当然でしょう?」
リラが呆れた声で侍女に言う。
「あんた、それに何が入っているか知らないから言えるのよ!!」
「何を入れたの?」
「!!誰が言うもんですか!」
「いや、別に言わなくても良いぞ?残った物を分析させりゃ良いだけだし、あんた等見てりゃあ分かるだろうからな」
「見る気も無いのに言い切っては駄目ですよ。多分両方を混ぜた物でしょうね。どちらにも反応してましたし。でも、その二つの混ぜ物って、相当キツく出るそうですね、特に媚薬効果が。そんな縛られたままで誰にも相手にされないなんて、可哀想ですね」
「いっ、嫌よ!寄らないでっ!」
「ああ、何かされるとでも思ったのですか?無い無い。私もダンも、貴女のような女性は趣味じゃないですし、女なら誰でも良い訳では無いので。貴女の相手は辺境で働く兵士達です。勿論国賊として、王妃を陛下以外の男に売ろうとした罪で。知ってます?王妃様は辺境の兵士達にはとても人気が高いんですよ。王妃様が陛下と共に、兵士達に激励の手紙を送っているからです。そんな兵士達の元に送られるので、覚悟はしといて下さいね?まぁ、毎日兵士達の相手をしていれば、その内慣れますよ。死ぬまで一生、そこから出られませんからね」
「?!?」
「いやいや、何吃驚してんだ?当然だろ?お前はそんだけの事をしてんだよ。王様の物に手を出すっつう事はその王様に剣向けてんのと一緒だろうが」
ダンは手早く侍女の口に猿轡を噛ませて、顔に布製の袋を被せた。
65
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる