氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

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 王妃の寝室に来た男を床に押し付け拘束するのはアナスタシアの格好をしたファーニーだ。


「お前……アナスタシア様じゃないな?!」

「え?今更?そもそも、王様と直接決闘する勇気も無い、こんな卑怯な手しか出せない屑相手に、王妃様を囮に使う訳無いじゃん。この状況解って無いの?しかも、王妃様の飲むお茶に何か混ぜてたよね?痺れ薬か媚薬かは知らないけど、どっちに試そうか?」


 王妃の格好で、声だけを元に戻す。

 その声はどう聴いても男の声だ。


「?!」

「誰よ?!あんた!!?」

「お前等には関係ねぇよ。あー、二人共で良いだろ。ポットに入ってるしな。飲ませた後は猿轡して、各自予定通りに」


 ダンがレベッカを見ると、レベッカがポットからお茶を注ぎ、ダンとファーニーに渡す。


「?!嫌よ!わたしは飲まないわ!!」

「そうか、なら良いさ。無理に飲ませるだけだ」


 ダンとファーニーが、各々相手の口に冷えたお茶を口の中に流し込み、吹き出させない為に、手で口を押さえて鼻を摘まむ。侍女の方は必死に暴れるが、ダンからすれば、抵抗等無いようなものだ。

 嚥下したのを確認して、手を離せば、飲んでしまった為か、顔色を変える。


「何て事をっ……!!」

「王妃様に飲ませようとした物でしょう?なら、毒味が必要よ。当然でしょう?」


 リラが呆れた声で侍女に言う。


「あんた、それに何が入っているか知らないから言えるのよ!!」

「何を入れたの?」

「!!誰が言うもんですか!」

「いや、別に言わなくても良いぞ?残った物を分析させりゃ良いだけだし、あんた等見てりゃあ分かるだろうからな」

「見る気も無いのに言い切っては駄目ですよ。多分両方を混ぜた物でしょうね。どちらにも反応してましたし。でも、その二つの混ぜ物って、相当キツく出るそうですね、特に媚薬効果が。そんな縛られたままで誰にも相手にされないなんて、可哀想ですね」

「いっ、嫌よ!寄らないでっ!」

「ああ、何かされるとでも思ったのですか?無い無い。私もダンも、貴女のような女性は趣味じゃないですし、女なら誰でも良い訳では無いので。貴女の相手は辺境で働く兵士達です。勿論国賊として、王妃を陛下以外の男に売ろうとした罪で。知ってます?王妃様は辺境の兵士達にはとても人気が高いんですよ。王妃様が陛下と共に、兵士達に激励の手紙を送っているからです。そんな兵士達の元に送られるので、覚悟はしといて下さいね?まぁ、毎日兵士達の相手をしていれば、その内慣れますよ。死ぬまで一生、そこから出られませんからね」

「?!?」

「いやいや、何吃驚してんだ?当然だろ?お前はそんだけの事をしてんだよ。王様の物に手を出すっつう事はその王様に剣向けてんのと一緒だろうが」


 ダンは手早く侍女の口に猿轡を噛ませて、顔に布製の袋を被せた。
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