238 / 805
本編
186
しおりを挟む
一応の止血はさせた物の、身動きすらしない愚王に、愚王の相手をしていた女に命じて服を着させる。と言っても、縛ったままなので、上着は羽織る程度だが、下は着せれるので良しとする。
因みに、切り落とす際に愚王の一物を握らせたり、止血する際も、指示だけしてこの女にさせた。
勿論、可愛い部下と呼べる使用人達にも、汚物を触らせる気は無かったからだ。
女はこの愚王の愛人か何かなのだから、雑な扱いで構わない。脅して命令しているだけの存在だ。使えないなら剣で切り捨てて、他の女を連れて来るぞと言えば充分だった。
「さて、足を切り落とした訳でも無いので移動したいのですが、いい加減声を上げるだけでいるのは止めて頂けませんか?耳栓をしていても、その耳障りな声が聴こえてくるので煩くて煩わしいのですが。その声を止めないと、他の部位も切り落としていきますよ?」
取り敢えず、今死なないなら別に何をしても問題は無いと思っているジルギリスからすれば、実行に移す事は容易い。
そんな思惑を感じ取れたのだろう愚王は、痛みを堪えて何とか叫ぶのを止める。
「出来るじゃないですか。初めからすれば良いものを。ほら、早く立ちなさい」
「おっ……お前は誰だ?!私が誰だか解ってやっているのか?!こんな事をして、ただで済むとおもうなよ?!!」
「煩いと言ったでしょうが。誰か解らずに、態々こんな所まで来る馬鹿がいると思ってるんですか?知ってて来ているに決まっているでしょうに。だから愚王と呼ばれるんですよ、この愚王が」
「なっ?!」
「何に驚いているんです?愚王じゃないとでも思っているんですか?愚王以外の何者でも無いですよ、この馬鹿が。神の末裔?そもそも神ならば、これ程簡単に身体に傷を負う筈は無いでしょうに。貴方が本物の神だと言うのなら、証拠を見せてみなさい、証拠を!」
「しょっ……証拠?!?」
「初代が戦に負けなかった?単に運が良かったのと、他より少し賢かっただけですよ。死んだ時に日が陰った?日蝕と被っただけですし、偶々の条件下で亡くなる人はどれ程いると?ドレファンの言い分で神になるなら奇跡の生還を果たす者とて神になりますが?神だ何だと言うのなら、その焼けた物を元に戻すか、再生すれば良いでしょうに」
こんな馬鹿と話している時間が勿体無いと、ジルギリスは強行手段に出る事にした。
「マーウ、そいつをこの部屋から引き摺り出しなさい」
「ん?もういいのか?」
「いいですよ。話すだけ時間の無駄ですから」
「了解」
マーウィンは愚王の腕を掴み、エドワルド達がいる扉に向かって歩き出した。
因みに、切り落とす際に愚王の一物を握らせたり、止血する際も、指示だけしてこの女にさせた。
勿論、可愛い部下と呼べる使用人達にも、汚物を触らせる気は無かったからだ。
女はこの愚王の愛人か何かなのだから、雑な扱いで構わない。脅して命令しているだけの存在だ。使えないなら剣で切り捨てて、他の女を連れて来るぞと言えば充分だった。
「さて、足を切り落とした訳でも無いので移動したいのですが、いい加減声を上げるだけでいるのは止めて頂けませんか?耳栓をしていても、その耳障りな声が聴こえてくるので煩くて煩わしいのですが。その声を止めないと、他の部位も切り落としていきますよ?」
取り敢えず、今死なないなら別に何をしても問題は無いと思っているジルギリスからすれば、実行に移す事は容易い。
そんな思惑を感じ取れたのだろう愚王は、痛みを堪えて何とか叫ぶのを止める。
「出来るじゃないですか。初めからすれば良いものを。ほら、早く立ちなさい」
「おっ……お前は誰だ?!私が誰だか解ってやっているのか?!こんな事をして、ただで済むとおもうなよ?!!」
「煩いと言ったでしょうが。誰か解らずに、態々こんな所まで来る馬鹿がいると思ってるんですか?知ってて来ているに決まっているでしょうに。だから愚王と呼ばれるんですよ、この愚王が」
「なっ?!」
「何に驚いているんです?愚王じゃないとでも思っているんですか?愚王以外の何者でも無いですよ、この馬鹿が。神の末裔?そもそも神ならば、これ程簡単に身体に傷を負う筈は無いでしょうに。貴方が本物の神だと言うのなら、証拠を見せてみなさい、証拠を!」
「しょっ……証拠?!?」
「初代が戦に負けなかった?単に運が良かったのと、他より少し賢かっただけですよ。死んだ時に日が陰った?日蝕と被っただけですし、偶々の条件下で亡くなる人はどれ程いると?ドレファンの言い分で神になるなら奇跡の生還を果たす者とて神になりますが?神だ何だと言うのなら、その焼けた物を元に戻すか、再生すれば良いでしょうに」
こんな馬鹿と話している時間が勿体無いと、ジルギリスは強行手段に出る事にした。
「マーウ、そいつをこの部屋から引き摺り出しなさい」
「ん?もういいのか?」
「いいですよ。話すだけ時間の無駄ですから」
「了解」
マーウィンは愚王の腕を掴み、エドワルド達がいる扉に向かって歩き出した。
78
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる