氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

198

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 ドレファンを出て、ディーラン国内に入り、最初の休憩の時、マーウィンがエドワルドに婚約の事を詳しく聞こうと、横に並んで座り、話し掛けた。


「エドワルド!リラちゃんとの仲はどうなのか、詳しく教えろ!!」

「リラ嬢とは……リラちゃん・・?」


 マーウィンの呼び方に、疑問を抱いたエドワルドが、マーウィンに直接聞き返す。

 勿論、聞き耳を立てていた周囲の兵士達も、前国王陛下であるマーウィンが、エヴァンス侯爵令嬢をちゃん呼びした事に、耳を疑う程に驚いた。


「んん?エドワルドは知らんかったか?リラちゃんは私が一番可愛がっているお気に入りの娘で、昔はよくジルの家に忍び込み、リラちゃんを抱き上げ可愛がっておったぞ?あの娘に会う度、女の子も良いなとよく思った物だ!」

「……子供の頃……抱き上げた?」

「可愛かったぞ~!今はあまり笑わなくなったが、昔は抱き上げると、キョトンとした後あの可愛い声で、マーウおじ様、いらっしゃいませって微笑んでくれたからな!子供の頃も美少女で、もう、天使のような可愛さだった!!」


 力説するマーウィンに、エドワルドは嫉妬を胸にたぎらせる。

(リラの幼少期、抱き上げ、笑顔、愛称呼び……!!なんて羨ましい事を!!)

 そんなマーウィンの背後にゆらりと人影が見えたかと思うと、その人影はマーウィンに蹴りを食らわせた。


「何度も何度も、私が王宮内で仕事中に姿を眩まし、護衛の者達に泣き付かれて、屋敷に戻ってみれば、私の可愛い娘を抱き上げ、鼻の下を伸ばしている始末……。私とて、愛する家族と過ごしたいのを我慢して仕事に打ち込んでいたと言うのに、マーウは余計な仕事を増やし、人の家に無断で忍び込み、息抜きだと言って私の家の使用人に絡んでましたよね?私は庭師に、何度も手合わせ申し込まれるんですが、相手しないと駄目ですかね?と聞かされるわ、仕事が増えて帰りが遅くなる事も有るわで散々だったのですが、反省すら無く、何度も王宮脱走して、誰も見付けられないからと、私が連れ戻し係りにされ、逃走を防ぐ為にと、リリーとリラを領地に帰して、私と両親だけが王都で過ごす羽目になったんですからね?!あの頃の可愛い娘を堪能出来なくなった挙げ句、娘が笑わなくなった事は、今でも忘れていませんからね!!」

「悪かった!王都を離れさせる理由を作り、可愛いリラちゃんが笑わなくなるなんて、私も思って無かったのだ!」


 どす黒いジルギリスがマーウィンを踏み付け続けるが、ジルギリスの塩辛対応の理由の一つに、マーウィンが押し掛け、ジルギリスは仕方無しにリリーとリラを領地に帰したら、リラを罵り虐めていた元凶と親達が、ジルギリスや先代当主夫妻、ジーン不在の領地に何度も押し掛け、リラが笑わなくなってしまったと言う事が含まれていたようだ。
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