263 / 805
本編
211
しおりを挟む
「ああ、君の母親で思い出した。ハンナ様はドレファンへと向かう際に、邪魔になるから流行り病に見せ掛けて、とある場所にて監禁中です。身体に後遺症の無い毒薬を投与し、新種の病だと見せ掛けているので、長期化しても疑われませんが」
「おおおおっ、お父様?!!ハンナ様はエドワルド様の母親ですよ?!」
「ああ、リラは知らないのか。ハンナ様はね、エドワルド君を育児放棄しただけでなく、幼子に一人で食事をさせたり、暗殺しようと企んだり、挙げ句、謀叛を企ててるなんて嘘の噂を流したり、エドワルド君に迷惑ばかり掛けてる質の悪い母親なんだよ」
「……それは、下手をすれば、エドワルド様が死んでいた事態ではないですか!!」
「うん。ただし、やり方が雑だし、バレバレだから、対処法はいくらでもあったけどね」
「何故、それ程までにエドワルド様を?」
「さぁ?ただ気に入らないってだけで、稚拙な嫌がらせをする女だからね。リリーなんてマーウの婚約者候補に挙げられていた時期があって、そんなリリーが気に食わなかったのか、子供のような嫌がらせをしていたみたいだよ?勿論ちゃんと報復はしたけどね」
「……そうですか……。エドワルド様。わたくしは、わたくしの大切なエドワルド様を、ハンナ様に奪われたくは有りません。この先、わたくしがずっとエドワルド様を独り占めするのです!!ですから、ハンナ様は切り捨てて下さい!母親であろうとエドワルド様に害を与える者は、わたくしが絶対に許せませんもの!!」
そんな事を言い切るリラに、エドワルドが心底喜んでいるのだが、リラはそれに気付かない。
「……ああ、リラが独り占めしてくれるのならば、私は何でも言う事を聞くよ」
エドワルドが嬉しそうに笑うのを見て、本気に取られていないと思い込み、リラは納得がいかない。
「わたくし、本気ですのよ?!エドワルド様は母親だろうと、他の女性と親しくしないで下さい!!」
「リラ、多分それは無理よ?だってわたくしも王妃様も、エドワルド様に近付いてしまうもの」
「……お母様や、シアお義姉様は良いのです!でも、ハンナ様は嫌です!!何が気に障ったのか知りませんが、自身の子供に危害を加えるなんて、母親とは呼べません!わたくしがエドワルド様を貰い受けるので、近付いて来たら容赦しませんわ!!」
「まぁ、あれはいつでも幽閉出来るし、暫く動けないから大丈夫だよ。リラの大事な結婚式まではこのまま監禁するつもりだし、(偽の)病を発症中だし療養中だから、呼べない事にするけど良いよね?どうせ呼んでも、エドワルド君に危害を加えようとして、式を妨害し兼ねないから」
「呼ばなくても良いです!そんな人に、エドワルド様の晴れ姿を見せる必要は有りませんもの。結婚後に挨拶する事があるとしても、エドワルド様は返しませんわ!!」
万が一、ハンナがリラに何かをしようとしたら、その時は倍にして返す。その場にいた使用人達を含めた全員の心が一致した瞬間だった。
「おおおおっ、お父様?!!ハンナ様はエドワルド様の母親ですよ?!」
「ああ、リラは知らないのか。ハンナ様はね、エドワルド君を育児放棄しただけでなく、幼子に一人で食事をさせたり、暗殺しようと企んだり、挙げ句、謀叛を企ててるなんて嘘の噂を流したり、エドワルド君に迷惑ばかり掛けてる質の悪い母親なんだよ」
「……それは、下手をすれば、エドワルド様が死んでいた事態ではないですか!!」
「うん。ただし、やり方が雑だし、バレバレだから、対処法はいくらでもあったけどね」
「何故、それ程までにエドワルド様を?」
「さぁ?ただ気に入らないってだけで、稚拙な嫌がらせをする女だからね。リリーなんてマーウの婚約者候補に挙げられていた時期があって、そんなリリーが気に食わなかったのか、子供のような嫌がらせをしていたみたいだよ?勿論ちゃんと報復はしたけどね」
「……そうですか……。エドワルド様。わたくしは、わたくしの大切なエドワルド様を、ハンナ様に奪われたくは有りません。この先、わたくしがずっとエドワルド様を独り占めするのです!!ですから、ハンナ様は切り捨てて下さい!母親であろうとエドワルド様に害を与える者は、わたくしが絶対に許せませんもの!!」
そんな事を言い切るリラに、エドワルドが心底喜んでいるのだが、リラはそれに気付かない。
「……ああ、リラが独り占めしてくれるのならば、私は何でも言う事を聞くよ」
エドワルドが嬉しそうに笑うのを見て、本気に取られていないと思い込み、リラは納得がいかない。
「わたくし、本気ですのよ?!エドワルド様は母親だろうと、他の女性と親しくしないで下さい!!」
「リラ、多分それは無理よ?だってわたくしも王妃様も、エドワルド様に近付いてしまうもの」
「……お母様や、シアお義姉様は良いのです!でも、ハンナ様は嫌です!!何が気に障ったのか知りませんが、自身の子供に危害を加えるなんて、母親とは呼べません!わたくしがエドワルド様を貰い受けるので、近付いて来たら容赦しませんわ!!」
「まぁ、あれはいつでも幽閉出来るし、暫く動けないから大丈夫だよ。リラの大事な結婚式まではこのまま監禁するつもりだし、(偽の)病を発症中だし療養中だから、呼べない事にするけど良いよね?どうせ呼んでも、エドワルド君に危害を加えようとして、式を妨害し兼ねないから」
「呼ばなくても良いです!そんな人に、エドワルド様の晴れ姿を見せる必要は有りませんもの。結婚後に挨拶する事があるとしても、エドワルド様は返しませんわ!!」
万が一、ハンナがリラに何かをしようとしたら、その時は倍にして返す。その場にいた使用人達を含めた全員の心が一致した瞬間だった。
78
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる