氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

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 結果から言えば、ダンと双子達の手合わせは、途轍も無くレベルが高かった。

 双子達は左右相称シンメトリーの動きで綺麗にシンクロし、同時に攻撃するも、ダンは見事に対応し、捌き切るだけでなく、攻撃すらも仕掛けている。

 双子達の動きは素早く、一人なら未だしも二人を同時に相手にしている所がまた凄い。三人共、木剣で闘っているが、ダンは二刀流で双子の木剣を捌いていた。

 しかも、時折双子達は、タイミングをわざとずらしている時も有り、一人相手なら対処が出来たとしても、二人同時はエドワルドでも無理だと思える攻撃を双子達は仕掛けていたのだ。


「弟子も弟子なら師も師だな……。あんな攻撃を易々と受け流すなんて。さすが、王宮の近衛隊長が指導を乞うだけは有る。だが、近衛達であんな動きをする者達は見た事が無いぞ?」

「ああ、今のはこの二人にしか教えてねぇよ。近衛達相手には、傭兵の技を教えてるからな。あいつ等に身軽な剣舞を教えても役に立たねぇよ。俺が使うのは、父親の傭兵仕込みの技と、母親に習った剣舞の技で、時に混ぜて使ってるからな。近衛達にこっちを指導しても、身体が付いていかねぇし、子供の頃からやらなきゃ身に付かんからな。ああ、でもジーン坊っちゃんは剣舞混ざりのが使えるぞ。この二人は剣舞を中心に教えてるが、ジーン坊っちゃんには傭兵の技と、剣舞の技も教えてる。とは言え、取れる時間が限られてたから、双子程本格的に剣舞は教えてやれて無いがなぁ」


 ダンがリラと出会った時に、ジーンは既に学院に行っていたので、長期休みで家にいる時にしか教える事が出来なかった為だ。

 そうは言っても、学院を卒業してからはずっとダンに鍛えて貰い、今でも時折、時間を作っては手合わせをしているのだが。


「「全部、ダン、習う~!」」

「分かった分かった。剣舞の方もまだ教えて無いのがあるし、傭兵の技は、もっと大きくなってからな」

「「やったぁ~♪」」


 双子達は汗だくになっているが、まだまだ元気だ。ダンも汗を拭ってはいたが、双子程では無い。どうもまだまだ余力を残していそうだ。


「どこまで体力が有るんだ、ダンは……」

「後一~二戦ならいけるぞ?そういや鍛えて欲しいっつってたなぁ。俺も、公爵様の腕前見たいし、一戦やるか?」

「……分かった。手合わせ願う」


 エドワルドが飛び入りでダンと手合わせしたが、ダンの闘い方が変わり、双子達との闘いは参考にならず、思わぬ苦戦を強いられた。
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