氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

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 レオンを唆した連中を、一人、また一人と処分をしていき、全員が処分された頃、ジルギリスはレオンの教育をジーンに引き継ぎ、約束通りドレファンに向かう事にする。


「リラの結婚式の前には必ず、何がなんでも帰って来るよ。それまでに、治安をある程度整えて、結婚式の後に、リリーを連れて行けるようにするからね。国が安定するまでの短期間だろうけれど、一、二年は赴任する事になるだろうから、その間の事はジーンに任せるよ。新年ぐらいはこっちに帰って来れると思うけど、何かあれば遠慮なく報せなさい。勿論エドワルド君も。不在の間、リリーとリラの事を頼むよ、二人共」


「「任せて下さい」」


 因みにマーウィンは、レオンの早朝訓練を近衛の隊長に任せて、ジルギリスに付いて行くそうだ。

 一応、あんなのでも為政者としての腕は立つので、ドレファンでもジルギリスにき使われるだろうが、相手はあのジルギリスだし、マーウィンは気にも止めていないから良しとする。

 実際、マーウィンを野放しにした方が、問題発生する可能性が高いので、ジルギリスに任せた方が良いのだ。ジルギリスが近くに入れば、マーウィンがトラブルを起こす前に、全て対処している事が多いからだ。

 息子達でも対処しきれないような事を、平然とやらかすマーウィンを、一人にするのは危険なので、マーウィンすらも扱き使えるジルギリスの傍に置いておくのが、一番平和な解決法になるのだ。

 そんな訳で息子達は、ジルギリスにマーウィンの事をよくよくお願いするのだが、マーウィンにその自覚はあまり無い。


「暗殺は無理でも、ストレス発散や八つ当たりぐらいはさせて貰うから、心配はいらないよ。マーウの面倒を見る事にも慣れたしね……」


 ジルギリスはそんな事を呟きながら、マーウィンの首根っこを捕まえて、ドレファンに向かうのだった。


「マーウおじ様も行ってしまわれたのですね。エドワルド様は寂しくないですか?」


 リラの言葉を聞き、元々寂しがるような子供でも無かったし、内心清々しているとは口に出さずに笑顔で答える。


「私は大丈夫だよ。リラが傍にいてくれるのだから」


 そうエドワルドが言うと、リラがエドワルドに抱き付いてくる。


「わたくしは、エドワルド様の傍にいますわ!エドワルド様に寂しい思いなんてさせません!わたくしと家族になれば、この家も、エドワルド様の家族ですからね!!」


(私は本当に何とも思っていないのだが、心配してくれるリラも可愛い!!)

 ギュギュ~ッと抱き付いてくるリラが可愛過ぎて、エドワルドはリラを抱き返した。
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