氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

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 クルルフォーン邸に着くまで、エドワルドはリラの唇を堪能すべく、エドワルドの肩に顔を埋めるリラに囁く。


「リラ、こっちを向いて?リラにキスしたい。でないと、悪戯するよ?」

「いっ、悪戯、ですか?」

「そう。例えば……」


 エドワルドは、直ぐ傍にある、リラの首筋にリップ音付きのキスをする。


「ひゃぁっ?!」


 ビクッと跳ねるリラを強く抱き締めて、今度は耳に口付け、息を吹き込みながら囁く。


「リラ、こっちを向いてくれないと、今度は舌を這わすよ?」

「いっ、意地悪です~!」


 リラが顔を赤く染めたまま、身体を離してエドワルドを睨み付けるが、潤んだ瞳に迫力なんて物は無く、愛くるしさが増すばかりだ。


「本当は邪魔な衣服を全て剥ぎ取って、余す所無く、所有印を付けたいからね」

「しょっ……所有印?」

「キスマーク、要は痣の事だよ。目立つ所に付けたいけれど、情事の後を匂わせるから、未婚女性に付けるのは、あまり良くない。婚前交渉したと勘違いされるからね。だから、付けるのなら結婚後になるかな?勿論リラも、私に沢山付けて良いからね」

「うぅ~っ。……痣なら、痛いですよ?」

「情事の際なら、多少の痛みも快感に変わると聞くよ?それに私は、リラになら、付けて貰いたいからね」


 リラの頬に手を添えた後、その手をリラの後頭部に回して、そのままリラをゆっくりと引き寄せる。

 リラは観念したのか、自ら口をソッと開け、舌を出す。

 その艶かしい色気に煽られ、エドワルドはゴクッと喉を鳴らし、吸い寄せられるように舌を絡める。

(可愛い!エロい!!エロ可愛過ぎるっっ!!!ちょっとした動作で、ここまで私を夢中にさせるなんて、どこまで溺れさせれば気が済むのだ?!私とのキスは、馴れる程している筈なのに、未だ初々しさを見せるだなんて、可愛いにも程がある!!)

 リラにエドワルドを煽る気は、全くと言って良い程無いのだが、エドワルドにとっては堪らない。

 とは言え、ここで手を出して、式を延期に等と言われては元も子もない。

 エドワルドに出来る事と言えば、最強呪文を必死に唱えて、理性を踏み留まらせるしかないのだ。

 リラの咥内を貪り、リラの唾液を存分に啜り味わった頃、馬車がクルルフォーン邸へと到着する。


「リラ、挿入だけはしないように我慢するけれど、二人切りになった後は、じっくり愛し合おうね」


 クッタリとエドワルドに寄り掛かるリラを抱き締めて、その耳に甘い声で囁くエドワルド。

(余裕たっぷりズルいですぅ~!!今はまだ、繋がる事も、所有印を付ける事も出来ませんが、絶対誰にも渡しませんからね?!)

 リラはエドワルドに抱き付きながら、そんな事を思っていた。
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