氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

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「……全く、あの二人と来たら。もう大丈夫ですわ、エドワルド様。これで少しは反省すると思いますから」


 エドワルドはリラを抱き寄せたまま扉まで歩き、鍵を外して扉を開ける。


「お母様……」

「大丈夫よ、リラ。あの二人の事は、お母様に任せなさい。あの二人の扱いは、わたくしが一番よく解っているもの。必ずきっちりと反省させて見せますわ」


 リリーは笑顔で言い切り、リラとエドワルドを階下に促す。


「さぁ、一緒に夕食を取りに降りましょう。あの二人は兎も角、お義父様とお義母様は、エドワルド様とリラの結婚を祝福してくれたのでしょう?」

「はい。とても喜んで下さいました」

「じゃあリラは気にせず、エドワルド様と仲良くしていなさい。明日は街中をエドワルド様に案内するのでしょう?」

「はい!わたくしが時折ダンや兄様と行く街を、エドワルド様にも見て頂きたいのです!とても活気のある街なのですよ!」


 リラがエドワルドを見てふわりと笑う。


「わたくし、顔は知られているので、領民にはバレてしまっていますが、エヴァンス家は領民との距離が近いから、普通の娘の格好をしていれば、殆どの人達は気にせず、普通に接して下さるのです!」


 街娘の格好をした所で、リラは充分目立つのだろうが、本人にその自覚は全くと言って良い程その自覚は無い。

 何せ、リラは平凡以下だと思い込んでいるのだから。

(街の娘の格好をしたリラも、相当可愛いだろうな。リラはシンプルな服でも引き立つし、プロポーションも美しい。王都で侍女服を着ていた時も、かなり可愛かったからな)

 あの時は髪を隠しメイクで別人のようになっていたが、所作や立ち姿が美しく、他の侍女達と一緒に居れば、きっと目立っていたに違いない。

 そう思える程に、リラの所作は元々が美しいのだ。

(リラの事だから、自分は平凡故に、目立っていないと思っているのかも知れないが、多分、物凄く人目を引いているにも拘わらず、人目を引いているのはダンかジーン殿だと思っていそうだな……)

 実際、リラはそう思っていたのだ。ダンは異国人故に、ジーンはあの美貌故に、傍にいる平凡な自分まで目立っているのだろうと思っていたのだ。

 平凡なのに傍にいるから、悪目立ちしているのだと。

 だから、他の男がリラに恋心を抱こうが、声を掛けたそうにしていようが、全く気付いていなかったのだ。

(まぁ、それでリラを他の男に取られずに済んだのだから、一先ず良しとするか……)

 エドワルドは、リラの隣にいる幸運を噛み締めていた。
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