氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 時間が無いから、サイナスのランドールに対する評価は後で詳しく聞くとして……エドワルドはリラを連れて領主館を出ると、既に多くの人々が集まり、祝福ムードだ。

 とは言え、接近禁止を言い渡されていても、全員が全員、善良だとは限らないし、悪意無くとも近付きたがる者もいる為、護衛は必要だ。

 前には祭司役のサイナス、左右はダンとマッドが護り、後方では双子が、結婚式のマスコットとして、パレード用の馬車にも乗る事で、お仕事をしながら二人を護る事になっている。

 因みにサイナスは、聖職者では無いものの、結婚式も葬式も執り行う事は可能らしい。

 本当に有能と言うか、多才だなとしか言い様が無い。

 領主館からも式は見えるからと、グラントは居残った。

 未処理の仕事が気になって仕方無いのだろう。昨日着いた時点で仕事を欲しがった為、かなりの量を回したと言うのに、朝食の席で、餌待ちの犬のように追加の仕事を要求していたから、ここの使用人達にドン引かれていたのだ。

 多分、着いた早々仕事を押し付けられるなんて可哀想にと思っていたのに、実は可哀想でも何でも無く、自らエドワルドに要求していただけだと思い知ったのだろう。しかも、大量の仕事を。

 それ程無理難題を押し付ける領主でも無いのに、何をやらかしたんだと思っていたら、罰では無くご褒美だったなんて、誰も想像すらしていなかったようだ。

 そうして街の広場では、領主の奥方のお披露目と結婚式が執り行われ、美男美女夫婦に領民達は大いに喜び、内心、心底羨ましがったそうだ。


「クルルフォーン領の方々は、心の広い人々で良かったです!わたくし、がっかりされるかも知れないと思っていましたから」

「そんな事をする領民がここにいたのなら、私がこの地から徹底排除するよ。リラは私の最愛なのだから。それよりリラ、人前でも、もっとイチャイチャしないとね?私にとってリラだけは特別なのだと、確り理解して貰わなくてはいけないからね」


 お披露目の結婚式が執り行われたその夜、広場には次々と祝いの料理とお酒が振る舞われ、領民達は領主の太っ腹な喜びのお裾分けに、祝福の歓声を上げて広場で一晩中騒いだそうだ。


「公爵様と、若奥様に乾杯!!」

「あんなにも綺麗で可愛い奥さん、俺だって欲しい~!」

「お前には無理だ(笑)」

「公爵様も奥方も、幸せそうで良かった良かった」

「公爵様、メロメロだったよな!」

「あれだけ溺愛してたら、子供は後かな?」

「子供!まぁ暫くは二人切りでも、その内に出来るさ」

「あの夫婦の子供なら、子供は物凄く綺麗だろうなぁ」


 人々は嬉しそうに、若い公爵夫妻の話題に花を咲かせ続けた。
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