氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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SS置き場

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「そう言えば、サイナスさんもダンさんも、長くお付き合いされてる恋人がいらっしゃいますが、結婚はまだなんですか?」


 レベッカの言葉に少し驚くエドワルド。


「二人共、恋人がいたのか」

「まぁねぇ。俺のは今、リリーの奥さんに付いてドレファン行きに同行し、護衛をしてる最中だが、サイナスのは今王宮か?」

「ええ。数年前から王宮の(潜入)侍女として、王妃のお傍勤めをしてますよ」

「義姉上の?」

「はい。私の恋人はモーラ、ダンの恋人はシルビアと言います。ダンはシルビアの熱烈な猛アタックにより、数年掛けて陥落したそうですよ」

「そもそも、俺みたいな物珍しい者と恋人になった所で、周囲から偏見向けられんぞって言ったんですがねぇ。ずっと付き纏って来るし、なら、十年経ってもその気持ちが変わんねぇなら付き合ってやるっつったら、本当に十年誰とも付き合わずに待たれたんでねぇ。まぁ、帰ってきたら嫁に貰う気なんで、その時こっちに引き抜いてくれると有り難い。俺がエヴァンス家に来るまでは、シルビーがリラ嬢ちゃんの護衛やってたから、子供も好きですよ」

「私も二~三年の内にすると思いますよ。その時は、エヴァンス家の執事を借りて、休暇を頂きます。ランドールでは、まだまだ不安ですから、任せられませんので」


 実際今も、サイナスが休暇を貰う日は、エヴァンス家の交代要員を借りている。

 そしてそっちも、さすがエヴァンス家の執事だと言える完璧さだ。

 家によっては、休暇等与えないと言う貴族もいるが、その点エヴァンス家は、確りしている。

 まぁ、中にはグラントのような仕事大好き人間もいるが、休暇は書斎や図書室に籠ったりするので、趣味として放置されるが。


「因みにエヴァンス家の使用人達は、割りと職場結婚が多いですね。価値観が似通っていたり、仕事に対する理解が有りますので」

「成程な」

「それに仕事が仕事ですからね。エヴァンス家は一般貴族とは少し違う特殊な家柄ですので」


 一応その場にランドールもいる為、言葉を濁してはいるが、一定以上近付けばレベッカに睨まれるので、ランドールは近付けずにいる。

 のだが、二人に結婚間近の恋人がいると知った段階で、ショックを受け、固まっている状態だった。


「おい、そこの見習い。俺に恋人が居ちゃあ不味いのか?」


 ダンの冷ややかな声で我に返り、ランドールはブンブン首を振り、吃驚しただけです!と言うのだが、それを見てたサイナスに、ニッコリ笑顔でこう言われるのだ。


「お前は何度言えば理解するのかな?何を思っていようが、顔や態度に出すな、悟られるなと言ってるだろうが。これだと、いつまで経っても見習いのままだぞ?お前は、本当に執事になる気が有るの?」


 サイナスの怒気に晒されて、ランドールは只管謝るのだった。



*****

 ※いつも有難う御座います~♪
 SS連投です(笑)レベッカの結婚が決まった時の、裏話的会話ですかね?
 ダンとサイナスの私生活話もちょろっと出してみました!
 実は恋人がいた二人♪
 因みにサイナスは幼馴染みからの恋人で、ダンの恋人は元は専属では無いのものの、リラの護衛も勤めてました♪
 皆様にお楽しみ頂ければ幸いです!
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