氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 侍女の役目をランドールが教わってる時、サイナスが、マッド達に注文を付ける。


「普通の令嬢役では無く、我儘な令嬢を演じて頂けますか?でないと、侍女の苦労を実感出来ないと思いますので」

「我儘令嬢ねぇ?」

「嫁イビりする小姑みたいな感じでも良いですよ。それが一番近いと思いますし」

「ああ、成程ぉ。了解了解~♪皆も今ので解ったわねぇ?」

「「「「勿論ですっ!」」」」


 そうしてランドールは、我儘令嬢を演じるマッド達に散々イビられる羽目になる。


「何であんな注文付けたんですかぁ~!!!」

「本来は、仕える主人がどんな主人かだなんて、分からない事が多いからだよ。因みに、マッドさん達の演じる令嬢なんて、まだマシな方だと思うぞ?酷いのなんて、よく癇癪を起こされて、怪我させられるのが日常茶飯事。って侍女達も居るからな。物ぶん投げて、暴言吐きまくるとか。子供の我儘令嬢とか、割りと多いぞ?後、何かに付けて首にするのもいるな。勿論紹介状なんて物は渡さずにだ。お前はエドワルド様しか主人になってないけど、普通はあんなに仕事を抱え込まないし、使用人達をある意味放置し過ぎる主人っていないからな?エドワルド様のようなタイプはウチでは使用人泣かせと言って、仕えたく無い主人のタイプに入れられるからな?」

「使用人泣かせ???」

「使用人が居なくても、やろうと思えば全部一人でこなせる主人。他の者達に仕事を任せるよりも、自分でやった方が速いと言う自己完結型。あの手のタイプは使用人が育たないし、使用人達の仕事自体が無くなるんだよ。お前だって有る筈だ。例えば、仕事をし出した最初の方と、数年後の仕事量や種類を比べると、減少してるとか」

「……あっ!有ります!確かに!!」

「優秀過ぎるからこそ、時間の効率を考えれば、使用人達に回すよりも速く終わるからとそうなるんだよ。だから使用人達は徐々に仕事を減らされて、足踏み所か退化状態だ。そうなると、そこで働けれなくなった場合が最悪だ。勘を取り戻すのだって時間が掛かるし、他の職場では、あいつ、何やってたんだ?ってなるからな。因みにこれは、今のお前が当て嵌まる。違うとは言わせないよ?執事の職種を勘違いしたまま突き進めたのはその所為なんだから」

「……はい……」

「だからお前には、手の掛かる主人とか、嫌な主人とかだと、下にいる者がどう思うかも体験して貰ってる訳だよ。余所から来る者達が、そう言う経験をしてたなら、労ってやる事も出来るだろ。執事ってのはただ上に立って、命令すれば良いって物では無いからな」


 それから数日間、ランドールは侍女の仕事も体験し、その後、近くの病院で、新生児の扱いや、妊婦がどれ程大変なのかも学ぶ事になった。
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