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後日談
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「娼館に売る気で連れて来たんじゃねぇっつの!ここは今の職場で、用心棒してんだよ。差し詰めお前は用心棒の見習いだ。俺ぁ本人が望まねぇ事を無理矢理やらす気はねぇし、嫌なら他を紹介してやる。ここは俺が素を出せる場所だから連れて来たんだ。ここでなら、お前も素でいられるからなぁ」
「素???」
「何だい?マッド。あんた、何を連れて来たんだい?」
「ああ、この子ねぇ、どうやらあたしの真逆タイプらしいのよぉ」
ライラがマッドの言葉遣いにギョッとする。
まさか、自分と真逆の同類と、こんな所で出会えるなんて、これっぽっちも思っていなかったのだから。
「真逆?って事は、男だってのかい。これまた変わった奴と知り合いになったねぇ」
マッドと言う前例に慣れていた女店主は、動じる様子も無い。
因みにここの女店主も元は娼婦で、少し年を取っているが、今でも充分艶やかな美女だ。
「そうなのよぉ~。あたしも吃驚しちゃったわ。事前説明すると、周囲にここのお客さんがいてもだし、娼館だって言ったら、彼も警戒を高めて逃げちゃいそうだったのよ。何せ彼の事情を聞いてる前からの知り合いが、彼の言葉を無下にし続けた挙げ句、養ってやるだなんて言ってたから、見知らぬあたしが娼館だなんて言ったら、あたしまであのゲス野郎と同類にされちゃいそうだから、黙ってたの。ごめんなさいねぇ。……あたし的にはあのゲス野郎をお仕置きとして犯してやろうかしらとまで思っちゃったけど、あたしの言葉を聞かずに逃げてったから、多分今頃身ぐるみ剥がされて、すっぽんぽんでこの界隈を走る羽目になってるわよ。男娼として売れるような顔でも無いし、大金持ちには見えないものぉ」
「えっ……」
「あら、気付かなかった?あたし達の様子を窺ってた奴等がいたのよ。あたしが声を掛けなかったら、ライちゃんも危なかったのよぉ?あっ、ちゃん付けしてるけど、気にしないでね?女性扱いしてる訳じゃ無いのよぉ?あたしは親しい友人達を、皆ちゃん付けしてるのよぉ。勿論男性もね。って、思わず話がズレていっちゃったわねぇ。あたしは顔が知れ渡ってるから、襲われる心配も無いし、傍にいる人ぐらいは守れるわよ。けど、離れるなって忠告を無視するような相手にまで、守る気はしないわぁ~。仕事じゃ無いんだもの、当然よねぇ?」
「そりゃそうだ。そもそもマッドが助けなきゃならない義理は無いんだもの、忠告を無視する奴が悪いのさ」
女店主もうんうんと頷く。
まだ戸惑っているライラに、マッドは悪戯っ子の顔でウインクして、言葉を紡ぐ。
「ほぉ~らライちゃん、考えてご覧なさい?今までライちゃんを侮辱した奴が、すっぽんぽんで下町を走る姿♪あそこを手で隠すけど、ここいらの男達は皆、あんなひ弱じゃないから、あんな細くて小さな手で隠せるなんて、どれだけちっさいんだって指差して笑われて、家に帰ったら、シーツを被って泣きべそかいてるわよ!自分は男と威張り散らしてた奴の、その女々しい姿は滑稽よぉ~?」
マッドの言葉で、その光景がまざまざと浮かび上がり、ライラは思わず吹き出した。
「素???」
「何だい?マッド。あんた、何を連れて来たんだい?」
「ああ、この子ねぇ、どうやらあたしの真逆タイプらしいのよぉ」
ライラがマッドの言葉遣いにギョッとする。
まさか、自分と真逆の同類と、こんな所で出会えるなんて、これっぽっちも思っていなかったのだから。
「真逆?って事は、男だってのかい。これまた変わった奴と知り合いになったねぇ」
マッドと言う前例に慣れていた女店主は、動じる様子も無い。
因みにここの女店主も元は娼婦で、少し年を取っているが、今でも充分艶やかな美女だ。
「そうなのよぉ~。あたしも吃驚しちゃったわ。事前説明すると、周囲にここのお客さんがいてもだし、娼館だって言ったら、彼も警戒を高めて逃げちゃいそうだったのよ。何せ彼の事情を聞いてる前からの知り合いが、彼の言葉を無下にし続けた挙げ句、養ってやるだなんて言ってたから、見知らぬあたしが娼館だなんて言ったら、あたしまであのゲス野郎と同類にされちゃいそうだから、黙ってたの。ごめんなさいねぇ。……あたし的にはあのゲス野郎をお仕置きとして犯してやろうかしらとまで思っちゃったけど、あたしの言葉を聞かずに逃げてったから、多分今頃身ぐるみ剥がされて、すっぽんぽんでこの界隈を走る羽目になってるわよ。男娼として売れるような顔でも無いし、大金持ちには見えないものぉ」
「えっ……」
「あら、気付かなかった?あたし達の様子を窺ってた奴等がいたのよ。あたしが声を掛けなかったら、ライちゃんも危なかったのよぉ?あっ、ちゃん付けしてるけど、気にしないでね?女性扱いしてる訳じゃ無いのよぉ?あたしは親しい友人達を、皆ちゃん付けしてるのよぉ。勿論男性もね。って、思わず話がズレていっちゃったわねぇ。あたしは顔が知れ渡ってるから、襲われる心配も無いし、傍にいる人ぐらいは守れるわよ。けど、離れるなって忠告を無視するような相手にまで、守る気はしないわぁ~。仕事じゃ無いんだもの、当然よねぇ?」
「そりゃそうだ。そもそもマッドが助けなきゃならない義理は無いんだもの、忠告を無視する奴が悪いのさ」
女店主もうんうんと頷く。
まだ戸惑っているライラに、マッドは悪戯っ子の顔でウインクして、言葉を紡ぐ。
「ほぉ~らライちゃん、考えてご覧なさい?今までライちゃんを侮辱した奴が、すっぽんぽんで下町を走る姿♪あそこを手で隠すけど、ここいらの男達は皆、あんなひ弱じゃないから、あんな細くて小さな手で隠せるなんて、どれだけちっさいんだって指差して笑われて、家に帰ったら、シーツを被って泣きべそかいてるわよ!自分は男と威張り散らしてた奴の、その女々しい姿は滑稽よぉ~?」
マッドの言葉で、その光景がまざまざと浮かび上がり、ライラは思わず吹き出した。
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