氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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「さてと。改めまして、クレアです。ライさんには後で計測させて貰わないといけませんが、どうせなら、二種類作って着て頂きましょうか」

「「二種類?」」


 クレアの言葉に、マッドとライラが首を傾げる。

「ええ。中身の性別に合わせた物と、外見の性別に合わせた物と。一つはクルルフォーン邸内にてのウエディング、一つは街中でのウエディング。マッドさんは下町にも知り合いが多いので、その人達が参加出来る物も作った方が良いかと。ダンさんは同郷ですから、どちらも出ないと仲が良いのか疑われてしまいそうですし、そうなると、リラ様もマッドさんの男衣装の姿も見たいと言うでしょう?街中では挙げないと言う選択肢も、有るには有りますが、結婚した事を知らない人達に、互いが言い寄られると言う可能性が出て来ますよ?マッドさんの中身を知らない女性が言い寄ったり、ライさんの中身を知らない男性がライさんに言い寄ったり、鬱陶しく有りませんか?」


 クレアの言葉に、それは確かに鬱陶しいと、二人して頷く。

 自身からすれば、同性相手に言い寄られても、靡く気は全く無いのだが、相手は中身の性別を知らないのだから、躍起になる可能性も出てくる。

 恋人の外見が同性なら、チャンスが有ると勘違いする者が出てもおかしくは無い。

「それなら大々的に挙げて、クルルフォーン公爵夫妻を招き、バックにはクルルフォーン家が付いてるんだと知ら示れば、おいそれとは近寄って来ないと思いますよ?貴族と事を構えたがる平民なんて、殆どいませんし、それが王弟公爵となれば尚更です。マッドさんはエヴァンス家に、身内と認識されてますから、マッドさんが家名を使用した所で、問題有りません。勿論報告は入れて頂かないと、マッドさん本人が言ったのか、騙りが出たのか判断に迷うので、ご一報はして頂いてますけどね」


 後半は、ライラにも解るように説明を入れて置くクレア。


「ライさん、男だと言うのなら、愛するマッドさんの為に、街中で、見せ物になって頂けませんか?それなら、互いの虫は激減するでしょうし、貴族のお墨付きな伴侶がいる、と言う事実を周りに周知させた方が、手は出せないと思います。傭兵の中には、男女関係無く手を出せる人もいると聞きました。そんな人に、貴方自身やマッドさんに、手を出されたくは無いでしょう?決めるのは貴方ですよ、ライさん」

「ボクは、マッドさんの為なら、女装でも見せ物にでも、なれますよ。それでマッドさんに言い寄る人間が減るのなら、万々歳です。改めて、依頼をしても宜しいでしょうか?」

「勿論です♪ああ、お代は結構ですよ?どうせ若奥様も、マッドさんの結婚式が見たいと言うでしょうし、公爵様は、若奥様の願いなら、別れると言った内容で無い限りは、全力で叶えようとなさいますので、二人が結婚すると言えば、必要経費として頂けますから」


 クレアはニッコリ微笑んだ。
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