氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

エヴァンス領へのご挨拶 1

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 アシュリーとの顔合わせと、年越しのパーティーに参加する為に、エヴァンス家の両親が隣国から一時帰国し、再び隣国へと出発するのを、クルルフォーン一家とセイル一家もエヴァンス邸に顔を出して見送った後、従兄のデュークがジーンに聞く。


「エヴァンス領には、いつ帰るつもりだ?」

「早い方が良いので、シーズンオフ中に帰ろうかなとは思っています」

「それならば一緒に帰ろう。騒がしくはなるだろうが、安全性は高いし、セイル家の家族との交流にもなるだろう」


 妊婦がいるとは言え、セイル家の血を引く男が二人とその配下の護衛も居るのだ。


「そうだそうだ!それが良い!何なら私が王都に戻る時に、護衛として王都まで送ろう。それならばアーシュちゃんの身の安全は、保証されたような物だからな」


 勿論口だけでは無く、事実では有る。


「ジーンが居れば、アーシュ一人を守るのに問題は無いだろうが、世の中には不測の事態と言うのが時折有るからな。過剰防衛だろうが、無いよりは良い。それに、アーシュはエレの良い話し相手になるだろうから、私としても男ばかりに囲まれているよりは安心だ」


 セイル家の護衛は脳筋の男だらけなので、エレーナが妊婦だと言う事をたまに忘れて、速度を速めようとしたりする為、デュークがエレーナの傍に居てやれない時が多々有るのだ。

 一応侍女も居るには居るのだが、元々エレーナはあまり人を傍に置きたがらない。

 その為、最低限の信用出来る者に限られているのだが、その侍女は、息子の世話に回る事も多い。

 安定期だから平気だとエレーナは言うが、デュークとしては、前回が初産で悪阻つわりも相当酷く、お産も難産に近かった事も有るので、一人で居られる方が怖いのだ。

 エヴァンス家から学んだ教訓は、念には念を。

 ジーンならば、デュークの言いたい事にも気付いてくれるだろう。

 そんな訳で、多少王都に居る期間が長引こうとも、エレーナを一人にしなくても済む、と言う安心を得る方が良いと思ったデュークは、産み月もまだ当分先だから、一月や二月ぐらいは待てるとまで言う。

 兄と慕うデュークの言葉を無下にする気は全く無いジーンは、エドワルドに、そう言う事になるから、暫くの間、王宮の方は宜しくと頼んで置いた。

(あの、数々の伝記を持つセイル家の皆様や、お綺麗なお義姉様との旅……。わたくし、失態せずに済むのでしょうか……)

 ジーンとの旅でも相当な緊張感を抱いたと言うのに、ジーン以外の美男美女が加わり、長時間を共にする事に、今から自身の失態を心配するアシュリーだった。
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