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後日談
62 (おまけ)
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「そう言えば、結婚はいつする気なの?ジーン」
年越しのパーティーを終え、自宅に帰り着き、アシュリーを先に休ませる為、部屋まで送った後、両親の居るサロンへと顔を出せば、リリーがジーンに問い掛ける。
「直ぐにでも……と言いたい所ですが、あまりにも早いと、アーシュに対して不名誉な噂を流され兼ねませんからね」
「ああ。元婚約者に乱暴されていたとか、子供が出来ているのを隠す為だとか?少し探れば判る事でも、好き勝手に言いそうだものね」
そんな事をすれば、確実にエヴァンス家を敵に回す事になるのだが、それがどんな事になるのかまでは考えもしない馬鹿な令嬢達が、ジーンを落とせなかった悔し紛れにアシュリーを攻撃対象にする可能性が高い。
ジーンからすれば、最愛の妹を一度でも貶した相手を、何故、嫁にしなければならないのかと思っているが。
「そんな令嬢達の居る家を潰す事は簡単ですが、あまり貴族を減らし過ぎるのも良くないですからね。アーシュとは今年中に結婚しますが、隣国の状況はどうなってますか?出来れば父上と母上にも出席して頂きたいのですが」
「勿論出席するわよ。出席しなかったら、それこそエヴァンス家に受け入れられていないとかほざきそうだし、わたくしとしても、可愛いアーシュの花嫁姿は見たいわ。だから、他の方々が横槍を入れる気力を無くす程に、諦めの悪い方々の心を、徹底的に折って差し上げなさいな」
「ええ。そのつもりでいますよ。やっと見付けた私の花嫁に、危害を加えられたくは有りませんからね」
親子して、とてもよく似た黒い笑顔を浮かべて微笑み合う二人。
それから数日が経ったある日、王宮の地下牢に訪問者達が現れた。
「ああ。これが、本来すべき自身の仕事もせず、もう一人の正統な血を継ぐ娘に膨大な仕事を押し付けた挙げ句、ゴート家の血を継がぬ娘に家の全てを継承させようとした愚か者ですか。そして、継承権も無いのに贅沢三昧で借金だけを増やした馬鹿女と、言葉巧みに騙されあっさりこれに乗り換えた、温い思考の甘ったれ。王家とエヴァンス家を敵に回すなんて、いい度胸をしてますね。そして何より、同じ辺境伯と言う立場の癖に、危機感の無い生活だなんて、羨ましい限りですよ」
絶対零度の眼差しと、数日間の牢屋生活で疲れ切った三人は、声を出す気力すら無い。
「貴方は同じ辺境伯でも、罪人の流刑地を抱え、密入国者も出没し兼ねないと言う、過酷な土地の領主ですからねぇ。いつも、唐突な呼び出しを掛けて申し訳無いです。ですが、それもこれも、信頼している証だと思って頂けると有り難い」
ジルギリスがそう言うと、恐縮したような返答が返ってくる。
「私の家はそういう役割を担っていますので、お気に為さらず。寧ろエヴァンス家の当主に、そう言って頂けると光栄ですよ」
彼はエヴァンス家と同様、裏の役割を持つ家柄で、重罪人や、国に損害を出すような者達を内々で裁く事も出来る為、エヴァンス家との関わりも深い。
尤も、エヴァンス家に依頼されて動く立場なので、エヴァンス家の部下に近い立場だ。
エヴァンス家が国を見限った場合、近隣に領地を設けている訳では無いので、王家の敵に回る可能性は低いが、味方になる可能性も低いだろう。
「今まで楽をしたツケを、きっちりと払って頂きます」
「逃げようとする気力も残らない程、徹底的に心を折っても構いませんよ」
既に牢屋生活で、心は折れ掛けているだろうが、そんな事は関係無い。
「そうさせて頂きましょう。敵に回してはいけなかった相手を敵に回す事の恐ろしさを、その身でたっぷりと思い知りなさい」
後日、彼等の心が徹底的に折られたかどうかは、当事者だけが知っている。
年越しのパーティーを終え、自宅に帰り着き、アシュリーを先に休ませる為、部屋まで送った後、両親の居るサロンへと顔を出せば、リリーがジーンに問い掛ける。
「直ぐにでも……と言いたい所ですが、あまりにも早いと、アーシュに対して不名誉な噂を流され兼ねませんからね」
「ああ。元婚約者に乱暴されていたとか、子供が出来ているのを隠す為だとか?少し探れば判る事でも、好き勝手に言いそうだものね」
そんな事をすれば、確実にエヴァンス家を敵に回す事になるのだが、それがどんな事になるのかまでは考えもしない馬鹿な令嬢達が、ジーンを落とせなかった悔し紛れにアシュリーを攻撃対象にする可能性が高い。
ジーンからすれば、最愛の妹を一度でも貶した相手を、何故、嫁にしなければならないのかと思っているが。
「そんな令嬢達の居る家を潰す事は簡単ですが、あまり貴族を減らし過ぎるのも良くないですからね。アーシュとは今年中に結婚しますが、隣国の状況はどうなってますか?出来れば父上と母上にも出席して頂きたいのですが」
「勿論出席するわよ。出席しなかったら、それこそエヴァンス家に受け入れられていないとかほざきそうだし、わたくしとしても、可愛いアーシュの花嫁姿は見たいわ。だから、他の方々が横槍を入れる気力を無くす程に、諦めの悪い方々の心を、徹底的に折って差し上げなさいな」
「ええ。そのつもりでいますよ。やっと見付けた私の花嫁に、危害を加えられたくは有りませんからね」
親子して、とてもよく似た黒い笑顔を浮かべて微笑み合う二人。
それから数日が経ったある日、王宮の地下牢に訪問者達が現れた。
「ああ。これが、本来すべき自身の仕事もせず、もう一人の正統な血を継ぐ娘に膨大な仕事を押し付けた挙げ句、ゴート家の血を継がぬ娘に家の全てを継承させようとした愚か者ですか。そして、継承権も無いのに贅沢三昧で借金だけを増やした馬鹿女と、言葉巧みに騙されあっさりこれに乗り換えた、温い思考の甘ったれ。王家とエヴァンス家を敵に回すなんて、いい度胸をしてますね。そして何より、同じ辺境伯と言う立場の癖に、危機感の無い生活だなんて、羨ましい限りですよ」
絶対零度の眼差しと、数日間の牢屋生活で疲れ切った三人は、声を出す気力すら無い。
「貴方は同じ辺境伯でも、罪人の流刑地を抱え、密入国者も出没し兼ねないと言う、過酷な土地の領主ですからねぇ。いつも、唐突な呼び出しを掛けて申し訳無いです。ですが、それもこれも、信頼している証だと思って頂けると有り難い」
ジルギリスがそう言うと、恐縮したような返答が返ってくる。
「私の家はそういう役割を担っていますので、お気に為さらず。寧ろエヴァンス家の当主に、そう言って頂けると光栄ですよ」
彼はエヴァンス家と同様、裏の役割を持つ家柄で、重罪人や、国に損害を出すような者達を内々で裁く事も出来る為、エヴァンス家との関わりも深い。
尤も、エヴァンス家に依頼されて動く立場なので、エヴァンス家の部下に近い立場だ。
エヴァンス家が国を見限った場合、近隣に領地を設けている訳では無いので、王家の敵に回る可能性は低いが、味方になる可能性も低いだろう。
「今まで楽をしたツケを、きっちりと払って頂きます」
「逃げようとする気力も残らない程、徹底的に心を折っても構いませんよ」
既に牢屋生活で、心は折れ掛けているだろうが、そんな事は関係無い。
「そうさせて頂きましょう。敵に回してはいけなかった相手を敵に回す事の恐ろしさを、その身でたっぷりと思い知りなさい」
後日、彼等の心が徹底的に折られたかどうかは、当事者だけが知っている。
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