705 / 806
後日談
6
しおりを挟む
ネイルが邸に来た翌日、小さな領都では新しい領主が来た事に対する噂話が早速流れていた。
そんな中、以前、ゴート家で不当解雇された使用人達が、続々と邸を訪ねて来たので、案の定、邸に居る使用人達は驚き、ネイルに詰め寄ろうとしていた。
が、勿論ジョシュアとイグルスが立ちはだかる。
と、その後ろからネイルが冷めた声を出した。
「イーグ、ジョシュ、大丈夫だ。私は言った筈だが?雇い主が私だと言う事を。私を前の領主と一緒にするな。最低限の仕事も出来ない無能は要らない。何より、私の友人とその奥方になる予定のアシュリー嬢に、不快感を与えるような使用人は論外だ。その点彼等は弁えているからな。私達の指示に従えないようなら即刻この邸から出ていけ。今なら後任の領主とは合わなかったと言い訳出来るぞ。ただし、今までの給金や退職金を出せと言われても、私がそれを支払う義理は無い。私はまだ、お前達を雇うと決めてすらいないのだから」
ネイルの言葉に、その場に居合わせた、ジョシュアとイグルス以外の使用人達は、顔を青ざめさせるが、ネイルの言い分は当然だろう。
ネイルが罪人に落ちぶれた前領主の、雇った使用人達を雇うと言う義理は無い。
それに今はまだ仕事を与えていないし、未だに彼等は監視付きの軟禁状態が続く。
ネイルがこの邸の内部を全て把握するまでは、王国騎士達も帰れないのだ。
ここに居る、元ゴート家の使用人達を全員解雇した所で、ネイルが困る事は何一つ無い。
ここはもう、ゴート領では無くグリマード領なので、ネイルが気に入る者を雇えるのは当然と言えよう。
それにネイルは度々訪れていたエヴァンス領で、出来る人間を沢山見て来たし、ネイル自身が裕福な侯爵子息で、質の良い使用人達に囲まれていた事も有り、使用人に対する目は肥えていると言っても良い。
質の悪い使用人が一人でも居れば、家格を下げる事も有る為、他者に威張ったり、媚を売ったりする使用人に用は無い。
二度と関わりの無いよう、早々にお帰り頂くだけだ。
因みに彼等がこの邸を去った場合、彼等は後に、他の領民達から実り有る作物を齎し、領地を作物で潤した新しい領主の不評を買った者、もしくは犯罪者の前領主の手下だった者と言った陰口を叩かれ、白い目で見られる事になるだろうが、それはまた、別の話になるだろう。
ネイルは邸に居る使用人達よりも先に、不当解雇された元ゴート家の使用人達と、面接と言う名の面談を始めるのだった。
そんな中、以前、ゴート家で不当解雇された使用人達が、続々と邸を訪ねて来たので、案の定、邸に居る使用人達は驚き、ネイルに詰め寄ろうとしていた。
が、勿論ジョシュアとイグルスが立ちはだかる。
と、その後ろからネイルが冷めた声を出した。
「イーグ、ジョシュ、大丈夫だ。私は言った筈だが?雇い主が私だと言う事を。私を前の領主と一緒にするな。最低限の仕事も出来ない無能は要らない。何より、私の友人とその奥方になる予定のアシュリー嬢に、不快感を与えるような使用人は論外だ。その点彼等は弁えているからな。私達の指示に従えないようなら即刻この邸から出ていけ。今なら後任の領主とは合わなかったと言い訳出来るぞ。ただし、今までの給金や退職金を出せと言われても、私がそれを支払う義理は無い。私はまだ、お前達を雇うと決めてすらいないのだから」
ネイルの言葉に、その場に居合わせた、ジョシュアとイグルス以外の使用人達は、顔を青ざめさせるが、ネイルの言い分は当然だろう。
ネイルが罪人に落ちぶれた前領主の、雇った使用人達を雇うと言う義理は無い。
それに今はまだ仕事を与えていないし、未だに彼等は監視付きの軟禁状態が続く。
ネイルがこの邸の内部を全て把握するまでは、王国騎士達も帰れないのだ。
ここに居る、元ゴート家の使用人達を全員解雇した所で、ネイルが困る事は何一つ無い。
ここはもう、ゴート領では無くグリマード領なので、ネイルが気に入る者を雇えるのは当然と言えよう。
それにネイルは度々訪れていたエヴァンス領で、出来る人間を沢山見て来たし、ネイル自身が裕福な侯爵子息で、質の良い使用人達に囲まれていた事も有り、使用人に対する目は肥えていると言っても良い。
質の悪い使用人が一人でも居れば、家格を下げる事も有る為、他者に威張ったり、媚を売ったりする使用人に用は無い。
二度と関わりの無いよう、早々にお帰り頂くだけだ。
因みに彼等がこの邸を去った場合、彼等は後に、他の領民達から実り有る作物を齎し、領地を作物で潤した新しい領主の不評を買った者、もしくは犯罪者の前領主の手下だった者と言った陰口を叩かれ、白い目で見られる事になるだろうが、それはまた、別の話になるだろう。
ネイルは邸に居る使用人達よりも先に、不当解雇された元ゴート家の使用人達と、面接と言う名の面談を始めるのだった。
2
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在
唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話
中山加恋(20歳)
二十歳でトオルの妻になる
何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛
中山トオル(32歳)
17歳の加恋に一目ぼれ
加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する
加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる
会社では群を抜くほどの超エリートが、
愛してやまない加恋ちゃんに
振り回されたり落ち込まされたり…
そんなイケメンエリートの
ちょっと切なくて笑えるお話
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる