氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 ネイル達が領地に赴任しに来て半年が経つ頃には、辞める者や解雇した者達等で、そこそこの人員整理が済み、エヴァンス家の使用人達は本来の主人の元へと帰る事になっていた。

 因みにハリエルの代わりを勤めるのは、以前サラを諌めた為に解雇された侍女で、ハリエルがレイニーの専属になって周囲が落ち着いて来た頃にハリエルから声を掛け、補佐と言う形で暫く付き添わせ、レイニーの好みやレイニーが困っている時の対処法等、時にはネイルを諌める事も仕事だと教える。

 奥方専属の侍女の主人は奥方で有り、奥方最優先の味方で有るべきだからだ。

 彼女はアシュリーの実母が亡くなり、義母と義妹が邸に住み着いた後に雇われた者だが、アシュリーを時折気に掛けていたのだ。

 父親は仕事を殆どせずに、義母は腫れ物を扱うような態度、義妹のサラはアシュリーの私室に無断で入り、アシュリーの婚約者だったマディソンは、婚約者のアシュリーよりも義妹のサラと過ごす時間が長い。

 サラはマディソンの前では猫を被り、アシュリーを慕っている振りをするが、実際には使用人達にあれこれ指示を出し、逢瀬の妨害や地味メイク等々小細工を裏でして、我が儘し放題。

 その上、気に入らない事が有ると使用人達に八つ当たり、挙げ句父親に有る事無い事を訴えるのだ。

 当然あの父親はサラの言葉を鵜呑みにする為、冤罪だろうと犯罪者扱いになる。

 そして、サラを諌めた彼女も、サラに物を盗まれたと騒ぎ立てられ、有りもしない場所から有りもしない物が出てきて、盗人扱いされた挙げ句に給金未払いで解雇にされたのだ。

 そんな彼女にアシュリーは、家族に知られぬように未払い分の給金と謝罪の手紙をこっそりと渡してきた。

 アシュリーのお陰で遠く離れた実家に帰る事も、親しい人達に誤解を招く事も無く済んだのだが、あの邸でアシュリーが冷遇されていた事が気掛かりだった。

 貴族の使用人が家に来た時は不安を抱いたが、その理由と内容には驚かされた。

 そして、新しい領主とアシュリーの結婚相手は仲の良い友人同士なので、今すぐと言う訳にはいかないが、幸せな姿を見れる機会は巡ってくるだろうと教えられて、新しい領主の元へと再就職を決めたのだ。

 邸に残っていた使用人達の中に、当時の顔見知りも居たが、元々、それ程気の合う同僚では無かったので、親しくする気は無いが、あそこまで媚びが酷くなっているとは思って無かったようだ。

 彼女は心底思っただろう。

 あっち側で無くて良かったと。
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