765 / 805
後日談
3
しおりを挟む
「ルーク兄様、わたくしの解らない言葉で内緒話をするのはズルいです!」
仲間外れに感じたミリアムが唇を尖らせて拗ねる。
「ごめんごめん。ミリーは私の母に憧れて、幼い頃から武芸を始めたから、そこそこ腕が立つよと話してたんだ。二人は私の母とも会っているからね。ミリーの家は、私の母の実家に当たるんだよ」
ルークスの説明に、ミリアムは少し自嘲気味な笑みを見せる。
「貴族女性で腕が立つのは、貴族男性に取って、野蛮ではしたないそうですけどね」
そのミリアムの言葉に、双子は首を傾げながら反論する。
「「護身術、リラ様強い。リラ様の母様の、リリー様も強い。リラ様はダン、リリー様はセイル家のじいじ達が師匠。弱い、有り得ない。護る人多い、使う機会無いだけ」」
護身術とは言っているが、当然普通の剣技も出来、ひょろい貴族男性なら、簡単に伸す事が出来るだろう。
エドワルドはその事実を、事前にダンやジーンから聞いていた為驚かないが、武芸に縁遠そうなリラやリリーが強いと聞いて、純粋に驚く二人に、双子は尚も言う。
「それにアイザーク、強い女、好かれる。ドレファン拐う、難しくなるから」
「男も一緒。強い男、好かれる。略奪者から、妻子守れる。弱い、狩り下手、山で生きる、難しい」
そして、双子が声を合わせて言う。
「「ミリー、可愛い。腕が立つ、良い事。それを悪く言う男、器ちっちゃい、馬鹿。無い、見る目」」
貴族云々の事はよく解らないが、可愛いなら尚更、自身で身を守る術を持つのは良い事だと、双子は思っていた。
そんな双子が真顔で真剣にミリアムに言うものだから、双子の正面に居たミリアムの顔が、徐々に赤くなっていく。
双子の言葉にお世辞やおべっかといった物は感じられず、本心をそのまま口にしているのだと理解してしまう為、取り繕う事が出来なくなってしまうミリアム。
「あっ……有難う、御座います……」
「本当無い、見る目。……ルネ、貴族じゃないけど、ルネだったらミリー、絶対、大切にするのに」
ルネが思わずと言った具合に吐き出した言葉を聞き、ルナは驚き、ルークスがニッコリと微笑む。
「良いね、それ。ミリーは家を継がないから、ミリーの相手は貴族じゃなくても大丈夫だし、寧ろ、相手がルネなら、大歓迎じゃないかな?ルネは私の父で有るローズウッド公爵のお気に入りだし、国王夫妻の恩人として覚え目出度いし、更には、王弟クルルフォーン公爵の使用人だからね」
ルークスの言葉に、ルネは吃驚するも、その瞳はキラキラと輝きミリアムを見る。
「ちょっ、ルーク兄様?!」
その一方、笑顔で宣うルークスに、ミリアムは慌ててルークスの言動を止めようとするが、そんなミリアムにルークスは笑顔で続ける。
「ミリーにとっても、悪い話では無いと思うよ?ルネは強い女の子を大切にしてくれると言ってくれてるし、元婚約者を含む、ミリーを嘲る連中は後々後悔すると思うし、何よりミリーはそんな連中と付き合う事はしなくて良くなる。それに、ミリーの好きな鍛練も、好きなだけ出来ると思うよ?それともミリーは、相手は貴族が良いのかな?」
「そっ、そんな事は無いです!!けっ、けれど、でもっ……」
ミリアムはルネに思わず視線を向けると、そのまま顔から火が出るのではないかと思える程、顔を真っ赤に染め、そのまま固まってしまった。
仲間外れに感じたミリアムが唇を尖らせて拗ねる。
「ごめんごめん。ミリーは私の母に憧れて、幼い頃から武芸を始めたから、そこそこ腕が立つよと話してたんだ。二人は私の母とも会っているからね。ミリーの家は、私の母の実家に当たるんだよ」
ルークスの説明に、ミリアムは少し自嘲気味な笑みを見せる。
「貴族女性で腕が立つのは、貴族男性に取って、野蛮ではしたないそうですけどね」
そのミリアムの言葉に、双子は首を傾げながら反論する。
「「護身術、リラ様強い。リラ様の母様の、リリー様も強い。リラ様はダン、リリー様はセイル家のじいじ達が師匠。弱い、有り得ない。護る人多い、使う機会無いだけ」」
護身術とは言っているが、当然普通の剣技も出来、ひょろい貴族男性なら、簡単に伸す事が出来るだろう。
エドワルドはその事実を、事前にダンやジーンから聞いていた為驚かないが、武芸に縁遠そうなリラやリリーが強いと聞いて、純粋に驚く二人に、双子は尚も言う。
「それにアイザーク、強い女、好かれる。ドレファン拐う、難しくなるから」
「男も一緒。強い男、好かれる。略奪者から、妻子守れる。弱い、狩り下手、山で生きる、難しい」
そして、双子が声を合わせて言う。
「「ミリー、可愛い。腕が立つ、良い事。それを悪く言う男、器ちっちゃい、馬鹿。無い、見る目」」
貴族云々の事はよく解らないが、可愛いなら尚更、自身で身を守る術を持つのは良い事だと、双子は思っていた。
そんな双子が真顔で真剣にミリアムに言うものだから、双子の正面に居たミリアムの顔が、徐々に赤くなっていく。
双子の言葉にお世辞やおべっかといった物は感じられず、本心をそのまま口にしているのだと理解してしまう為、取り繕う事が出来なくなってしまうミリアム。
「あっ……有難う、御座います……」
「本当無い、見る目。……ルネ、貴族じゃないけど、ルネだったらミリー、絶対、大切にするのに」
ルネが思わずと言った具合に吐き出した言葉を聞き、ルナは驚き、ルークスがニッコリと微笑む。
「良いね、それ。ミリーは家を継がないから、ミリーの相手は貴族じゃなくても大丈夫だし、寧ろ、相手がルネなら、大歓迎じゃないかな?ルネは私の父で有るローズウッド公爵のお気に入りだし、国王夫妻の恩人として覚え目出度いし、更には、王弟クルルフォーン公爵の使用人だからね」
ルークスの言葉に、ルネは吃驚するも、その瞳はキラキラと輝きミリアムを見る。
「ちょっ、ルーク兄様?!」
その一方、笑顔で宣うルークスに、ミリアムは慌ててルークスの言動を止めようとするが、そんなミリアムにルークスは笑顔で続ける。
「ミリーにとっても、悪い話では無いと思うよ?ルネは強い女の子を大切にしてくれると言ってくれてるし、元婚約者を含む、ミリーを嘲る連中は後々後悔すると思うし、何よりミリーはそんな連中と付き合う事はしなくて良くなる。それに、ミリーの好きな鍛練も、好きなだけ出来ると思うよ?それともミリーは、相手は貴族が良いのかな?」
「そっ、そんな事は無いです!!けっ、けれど、でもっ……」
ミリアムはルネに思わず視線を向けると、そのまま顔から火が出るのではないかと思える程、顔を真っ赤に染め、そのまま固まってしまった。
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる