804 / 806
後日談
23
しおりを挟む
「とても興味深い話だが、前王妃にレオンの相手を決める決定権は無い。それに、そんな話は前王妃から聞いた事は一度も無いのだが?お前達が候補者になったと言う証拠はどこに有る?」
国王、アレクシスの冷ややかな声が、その場に響く。
「はっ、ハンナ様が仰っておられました!」
「わたくしも、ハンナ様のお茶会で、婚約者候補にしてあげると言われましたわ!」
「その時、レオン様ともお会いしております!」
「王族のハンナ様からの打診なのです!ハンナ様にお聞きした下さいませ!それで事実が分かりますわ!」
令嬢達の返答に、アレクシスは冷ややかな視線を向けたまま、先程と変わりの無い声で言う。
「前王妃はここには居ない。私は証拠は有るのかと聞いているんだ。私の言う証拠とは、前王妃の署名入りの書面や書類は有るのかと言う事だ。言葉だけではどうとでも言える。本人が居ないのであれば尚更の事だ」
「陛下、私にも発言の許可を下さい」
レオンがエリオールをエスコートしたまま、アレクシス同様の冷ややかな声を上げる。
「ああ、良いぞ」
アレクシスの許可に、レオンは令嬢達に視線を向けるが、その視線は嫌悪感が含まれているのに対し、令嬢達はレオンが助けてくれると思っているのか、その表情は明るい。
「私は勝手に付き纏われていただけで、彼女達を婚約者候補だとは少しも思っていません。婚約者候補を名乗られる事自体が迷惑です。そもそも自身の領地の方角や、領地の特産も知らない令嬢が、王太子妃に相応しいとは思えませんし、中身の無い会話しか出来ない相手に、候補者を名乗る資格は無いと思います。それに、私自身、我が身が可愛いだけの、話の合わない令嬢達と婚約するのは苦痛です。好みでも無いのに、纏わり付いて来られるこちらの身にもなって欲しいです」
「ほう。自身の領地の方角や、特産すら知らないとはな。余程領民に興味が無いと見える。王侯貴族は国民の税で生活していると言うのに。王太子妃候補所か、貴族としても不要ではないか?」
レオンとアレクシスの言葉に、顔色を蒼白に変える令嬢達。
「えっ、ちょっ、待って下さい!どうしてそんな話にっ?!」
「そんな!!だってハンナ様はっっ!!」
「そんな……そんな……」
「ハンナ様……ハンナ様はどこに?!」
「前王妃は心の病を患い療養中だ。医師の見立てでは、もう社交に戻れる状態では無いらしい。話を戻そう。我が息子レオンの、王太子の婚約者候補になったと言う証拠はどこだ。王太子の婚約に関わる事となれば、王家の正式な書面が必要だが、それはどこに有る?」
当然王家からは、そんな書面は出していない。
有るのはエリオールとの書類のみだ。
だからこそ、令嬢達は黙るしか無い。
「この令嬢達の親に言っておく。何があろうと貴殿の娘達に王太子妃の候補に挙がる事は絶対に無い。娘達を教育し直し、貴族として相応しい娘に育て直せ。期限は娘が十八になるまでだ。出来なければ、貴族社会から追放をしろ。国民の血税を貪るだけの、責務を放棄する貴族等要らん。国民有っての国で有り、平民有っての貴族だ。民の居ない国は、国とすら呼べない事を忘れるな」
「「「「御意……」」」」
アレクシスの指示により、令嬢達の親は、娘を制止する事をアレクシスの近衛騎士達によって止められていた。
親達……特に当主となる父親は、娘の馬鹿さ加減に頭痛と胃痛を併発し、青ざめた顔で頭を下げて、娘と妻を連れて、その場を下がる許可を願い、会場を後にした。
国王、アレクシスの冷ややかな声が、その場に響く。
「はっ、ハンナ様が仰っておられました!」
「わたくしも、ハンナ様のお茶会で、婚約者候補にしてあげると言われましたわ!」
「その時、レオン様ともお会いしております!」
「王族のハンナ様からの打診なのです!ハンナ様にお聞きした下さいませ!それで事実が分かりますわ!」
令嬢達の返答に、アレクシスは冷ややかな視線を向けたまま、先程と変わりの無い声で言う。
「前王妃はここには居ない。私は証拠は有るのかと聞いているんだ。私の言う証拠とは、前王妃の署名入りの書面や書類は有るのかと言う事だ。言葉だけではどうとでも言える。本人が居ないのであれば尚更の事だ」
「陛下、私にも発言の許可を下さい」
レオンがエリオールをエスコートしたまま、アレクシス同様の冷ややかな声を上げる。
「ああ、良いぞ」
アレクシスの許可に、レオンは令嬢達に視線を向けるが、その視線は嫌悪感が含まれているのに対し、令嬢達はレオンが助けてくれると思っているのか、その表情は明るい。
「私は勝手に付き纏われていただけで、彼女達を婚約者候補だとは少しも思っていません。婚約者候補を名乗られる事自体が迷惑です。そもそも自身の領地の方角や、領地の特産も知らない令嬢が、王太子妃に相応しいとは思えませんし、中身の無い会話しか出来ない相手に、候補者を名乗る資格は無いと思います。それに、私自身、我が身が可愛いだけの、話の合わない令嬢達と婚約するのは苦痛です。好みでも無いのに、纏わり付いて来られるこちらの身にもなって欲しいです」
「ほう。自身の領地の方角や、特産すら知らないとはな。余程領民に興味が無いと見える。王侯貴族は国民の税で生活していると言うのに。王太子妃候補所か、貴族としても不要ではないか?」
レオンとアレクシスの言葉に、顔色を蒼白に変える令嬢達。
「えっ、ちょっ、待って下さい!どうしてそんな話にっ?!」
「そんな!!だってハンナ様はっっ!!」
「そんな……そんな……」
「ハンナ様……ハンナ様はどこに?!」
「前王妃は心の病を患い療養中だ。医師の見立てでは、もう社交に戻れる状態では無いらしい。話を戻そう。我が息子レオンの、王太子の婚約者候補になったと言う証拠はどこだ。王太子の婚約に関わる事となれば、王家の正式な書面が必要だが、それはどこに有る?」
当然王家からは、そんな書面は出していない。
有るのはエリオールとの書類のみだ。
だからこそ、令嬢達は黙るしか無い。
「この令嬢達の親に言っておく。何があろうと貴殿の娘達に王太子妃の候補に挙がる事は絶対に無い。娘達を教育し直し、貴族として相応しい娘に育て直せ。期限は娘が十八になるまでだ。出来なければ、貴族社会から追放をしろ。国民の血税を貪るだけの、責務を放棄する貴族等要らん。国民有っての国で有り、平民有っての貴族だ。民の居ない国は、国とすら呼べない事を忘れるな」
「「「「御意……」」」」
アレクシスの指示により、令嬢達の親は、娘を制止する事をアレクシスの近衛騎士達によって止められていた。
親達……特に当主となる父親は、娘の馬鹿さ加減に頭痛と胃痛を併発し、青ざめた顔で頭を下げて、娘と妻を連れて、その場を下がる許可を願い、会場を後にした。
80
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在
唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話
中山加恋(20歳)
二十歳でトオルの妻になる
何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛
中山トオル(32歳)
17歳の加恋に一目ぼれ
加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する
加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる
会社では群を抜くほどの超エリートが、
愛してやまない加恋ちゃんに
振り回されたり落ち込まされたり…
そんなイケメンエリートの
ちょっと切なくて笑えるお話
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる