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後日談
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自称レオンの婚約者候補達とその親が退場する姿を冷めた視線で見送った後、アレクシスがよく通る声で語り掛ける。
「そうそう、最近は王太子であるレオンの意思や言葉を無視し、自分勝手な思い込みや野心でエリオール姫を貶めようとする輩が多く居るようだ。改めて言っておく。自己満足の正義や忠義を正しい事と履き違え、レオンの為だと思い込み、言い切る不届き者は要らん。この婚約に対して不服が有るならこの場で言え。王家総意の決定を覆せる程の証拠や理由が有るならだが。但し、下らない証拠や理由の場合、相応の罪が下る事を忘れるな。この婚約に不服が有る者は手を上げろ」
アレクシスが会場を見回すが、誰一人手を上げる者は居ない。
当然だ。ここで手を上げれば、王家の意に添わない反逆者と捉えられてもおかしくはないのだから。
しかも、少し前にやらかした者達が居て、その結末を目にしたばかりだ。
そんな状況で手を上げるなんて、自殺行為に近いだろう。
勿論、アレクシスもそれを理解した上での発言だ。
「誰も居ないと言う事は、異論は無いと言う事で良いのだな?では、話は以上だ。各自楽しんでくれ」
アレクシスが楽団に合図を送り、音楽が流れる。
貴族達は知り合いや友人恋人、親戚や親兄弟の所へと足を運び、表向きは普段と変わらぬ夜会のように過ごす。
そんな中、レオンはエリオールにダンスを誘う。
「本当は、四曲以上続けて踊りたいのですが、王太子と言う立場上、してはいけない事になっているので、非常に残念ですが、三曲で切り上げます。ですが、私の本心では無い事を、エリオール姫の心には留めておいて下さい」
レオンも本当なら、エドワルドやジーン同様、相手はエリオール唯一人だと知ら示たい。
だが、レオンは王太子と言う立場上、後継者問題が絡んでくる。
公や人の多い場で、迂闊な行動をしてはいけない立場だ。
色恋で国を危機に晒した王族や皇族は、歴史上少なくはない。
幸いレオンの相手は国王が認めた相手で有り、他国の暗殺者やスパイでも無く、浮気相手でも無い、正真正銘未来の伴侶だ。
(ならば、最愛の相手が居ると言う事を楯に、他の女性とのダンスを全て断るのはどうだろう?)
四曲以上続けて踊る事は出来ないが、エリオールとだけしか踊らなければ、レオンがエリオールを大切に思っている事は明白だろう。
本来、女性から男性にダンスを申し込む事はマナー違反になる為、女性から誘う事は無いが、それに当て嵌まらない夜会、今回は当て嵌まらないが、無礼講が許される夜会も有る。
そう言った場では、身分性別関係無く、誘う事も断る事も出来る為、思い出作りから玉の輿狙いまで、様々な思惑を抱えた者達がターゲットに狙いを定めて近付くのだ。
王太子と言う立場のレオンは恰好の獲物だが、レオンからすれば、社交辞令であれどエリオール以外の他の女性と踊りたいとは思わない。
レオンはエリオールとの御披露目で、ダンスを踊りながらそんな事を考えていた。
「そうそう、最近は王太子であるレオンの意思や言葉を無視し、自分勝手な思い込みや野心でエリオール姫を貶めようとする輩が多く居るようだ。改めて言っておく。自己満足の正義や忠義を正しい事と履き違え、レオンの為だと思い込み、言い切る不届き者は要らん。この婚約に対して不服が有るならこの場で言え。王家総意の決定を覆せる程の証拠や理由が有るならだが。但し、下らない証拠や理由の場合、相応の罪が下る事を忘れるな。この婚約に不服が有る者は手を上げろ」
アレクシスが会場を見回すが、誰一人手を上げる者は居ない。
当然だ。ここで手を上げれば、王家の意に添わない反逆者と捉えられてもおかしくはないのだから。
しかも、少し前にやらかした者達が居て、その結末を目にしたばかりだ。
そんな状況で手を上げるなんて、自殺行為に近いだろう。
勿論、アレクシスもそれを理解した上での発言だ。
「誰も居ないと言う事は、異論は無いと言う事で良いのだな?では、話は以上だ。各自楽しんでくれ」
アレクシスが楽団に合図を送り、音楽が流れる。
貴族達は知り合いや友人恋人、親戚や親兄弟の所へと足を運び、表向きは普段と変わらぬ夜会のように過ごす。
そんな中、レオンはエリオールにダンスを誘う。
「本当は、四曲以上続けて踊りたいのですが、王太子と言う立場上、してはいけない事になっているので、非常に残念ですが、三曲で切り上げます。ですが、私の本心では無い事を、エリオール姫の心には留めておいて下さい」
レオンも本当なら、エドワルドやジーン同様、相手はエリオール唯一人だと知ら示たい。
だが、レオンは王太子と言う立場上、後継者問題が絡んでくる。
公や人の多い場で、迂闊な行動をしてはいけない立場だ。
色恋で国を危機に晒した王族や皇族は、歴史上少なくはない。
幸いレオンの相手は国王が認めた相手で有り、他国の暗殺者やスパイでも無く、浮気相手でも無い、正真正銘未来の伴侶だ。
(ならば、最愛の相手が居ると言う事を楯に、他の女性とのダンスを全て断るのはどうだろう?)
四曲以上続けて踊る事は出来ないが、エリオールとだけしか踊らなければ、レオンがエリオールを大切に思っている事は明白だろう。
本来、女性から男性にダンスを申し込む事はマナー違反になる為、女性から誘う事は無いが、それに当て嵌まらない夜会、今回は当て嵌まらないが、無礼講が許される夜会も有る。
そう言った場では、身分性別関係無く、誘う事も断る事も出来る為、思い出作りから玉の輿狙いまで、様々な思惑を抱えた者達がターゲットに狙いを定めて近付くのだ。
王太子と言う立場のレオンは恰好の獲物だが、レオンからすれば、社交辞令であれどエリオール以外の他の女性と踊りたいとは思わない。
レオンはエリオールとの御披露目で、ダンスを踊りながらそんな事を考えていた。
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