出会いと別れと復讐と

カザハナ

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 本当は、鬼門の為になんて料理を作りたくはない。が、それだとティファまで真面まともな食事にありつけない。

「あなた達はどうでもいいけど、ティファが可哀想だから、引き受けるわよ。でも、必要最低限の大きな鍋とか一通り買い揃えてもらうし、買い出しにしろ調理にしろ、手伝ってもらうわよ?調理費は一人一食に付きここの宿代一人分と同額。それでいい?」

「随分ぼったくる気だな」


 確かにぼったくりと言っても良いかも知れない。だが、料理とすら呼べない物すら作れなかった奴には言われたくないと、カルラは思った。


「嫌なら撤回してもいいわよ?そもそもあたしが作らなきゃならない訳でもないし、良い歳した相手に態々わざわざ作ってあげる義理もないもの。旅をする身で料理も出来ないなんて、今までどれだけ恵まれた生活してたのかしら?普通なら、子供でも家事ぐらい出来るわよ」

「……恵まれた?」


 不機嫌そうに聞き返すエンヤ。


「恵まれてないとでも?世の中、奴隷として一生を過ごす人もいれば、何の罪もないのに殺される人だっている。どんな事情があるのか知りたくもないけど、自由に旅が出来てるだけ、街で退屈でつまらない毎日を送れるだけ、幸せだと思いなさいよ。好き勝手出来るってだけ、贅沢な事なんだから」


 (顔が良い分、守護者になれた分、苦労があったのかも知れないけど、そんなの知った事じゃないわ。魔力研究所員あいつらに捕まる事からすれば、大した苦労にはならないわよ)

 カルラとエンヤの間に冷ややかな空気が流れるが、その空気を壊すようにザアイがエンヤをたしなめる。


「エンヤ、カルラさんを不快にする発言は止めて下さい。本来は私達でしなければいけない事をして貰う事になるんですから。カルラさん、カルラさんの言い値で宜しくお願いします」

「分かったわ。じゃあ、街を出る前に、道具や材料をある程度でいいから揃えましょう。昨日街を案内してもらったから、場所は分かるしね」


 朝食を済ませて、道具や材料を仕入れに行く。

 市場は人が多いから、カルラはティファの手をしっかり繋ぎ、人波をスイスイ進む。

 元々、弟と一緒に行動する事が多かったカルラにとって、ティファを連れて動く事は、難しい事ではない。

 問題は、守護者達がカルラ達を見失うかも知れない事だが、そこまでの面倒を見る気はカルラにない。

 そもそも、この状況でティファを見失うなら守護者失格だとカルラは思うだろう。
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