出会いと別れと復讐と

カザハナ

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 保存食となる料理は袋に詰め込み、食堂にいた二人とヒューリーに部屋へと運んで貰った後、店主に声を掛けて少しのお裾分けとお礼を言う。


「次は買い物ね。ティファ、前に着てた嵩張る服は邪魔だから売っちゃおう。それで新しいの探すの。後、靴とか小物も揃えて、要らなくなった物は売る。荷物は必要最小限の方が動き易いもの」

「勝手に決めるな!」

「子供は成長が早いから、大きめのを買って裾上げとかした方が経済的なのよ。着ない物を取って置いてどうする気?必要なら、その都度買えば問題無いじゃない」

「売らなきゃならない程、金に困って無いんだよ!」


 これだから金持ちはと、内心カルラは舌打ちする。


「馬鹿でしょ、エンヤさん。散財してたらその内尽きるし、売れる物はお金に換えていた方が嵩張らないの。それに、お金に困って無いって言うけど、尽きたらどうする気なの?働き口を見付ける気?」

「子供の心配する事じゃない!」

「だってエンヤさん、何も出来そうに無いもの。経済観念皆無でしょ」

「お嬢、難しい言葉知ってるね」

「商売人の子供なら、このぐらい知ってて当然よ」


 そもそも、見た目通りの年齢では無いのだから当然だ。それに、心配するなと言う事だろうが、働く事を知らなさそうな奴に言われても、不安が増すばかりだ。

 (この面子メンツでどう稼ぐ気よ?その顔で、女をたらし込むとかじゃないでしょうね?)

 カルラの鬼門嫌いは根が深い。その上金持ち役立たずとなれば、疑われても仕方ない事だろう。


「大丈夫だよ。ザアイがね、占いとかが得意で、百発百中に近いんだ。だから心配する事はないよ」

「……ふぅ~ん」

 ヒューリーの言葉に、ザアイは先見か遠視と言った目視能力か?と疑問に思う。だが、深く探る気はカルラに無い。


「まぁ、女性を誑かしてお金を取るとかじゃ無いなら良いわ」

「おっ前っ、どこからそんな発想が出た?!」

「あたしが出会った鬼門は、そんなのが大半だったけど?」


 冷ややかな視線をエンヤに向けるカルラ。エンヤとしては、子供の癖にと言いたかったが、まさかの反論に言葉を失う。


「お嬢……まさかと思うけど被害に合って無いよね?」

「合う訳無いでしょ。子供相手にしてたらロリコン認定してやるわ。真面な街で育ったようだけど、世の中クズやゲスが多いのよ。真面な街の方が少ないんだから。と言うか、そんな事も知らずによく旅が出来てたわね?」


 カルラが呆れ顔で言う。


「とにかく、大きな荷物を持ち歩く事自体、金目を持ってるって狙われるんだから、邪魔な荷物は売るわよ」
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