出会いと別れと復讐と

カザハナ

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「話だけじゃはっきりとは言えないけど、ザアイさんは甘いし優しいからで、ヒューリーは親しみ易い、エンヤさんはティファ以外に見向きもしないから?ってかザアイさん、何でそんなに甘い訳?」


 話を聞いていたカルラが何となく思った事を口にする。


「私ですか?それはティファと仲良くなって欲しいからですが?」

「待って。それってティファに近寄る女達全員なの?普段、一人で対応した時と差があるって事?」

「そうですね。ティファに同性も必要ですので、一人で対応した場合よりも、優しく対応しようと思いますね」


 (駄目だろ、それ。付け上がらせるだけだし、表面上はティファに優しくしてても、腹ん中じゃティファに対抗意識を芽生えさせて、ベクトルがティファのままで変わらないと知れば、嫉妬や妬みだけを募らせて、ティファを裏で虐めまくるだけにしかならないわよ!!)

 カルラは内心頭を抱えたくなったが、こいつ等ポンコツに、女心を理解しろと言う方が無理な事なのかも知れないと考え直す。

 カルラにとって、鬼門は厄介事を持ち込む相手と言う認識しか無いからだ。

 取り敢えずカルラが言える事と言えば、その馬鹿げた理屈に反論する事だけだ。


「それ……女達が付け上がるから止めて。ザアイさんにその気は無いんだろうけど、それって傍から見れば、浮気男の愛人が、本命の奥さん相手に、貴方の旦那さん貰ってあげるから別れなさいよって言ってるのと大差ないから」


 カルラに言われたザアイは固まり、他の二人はギョッとする。


「ちょっと待ってお嬢!!何その喩え?!」

「え?これが一番分かり易いかと思うけど?」

「おまっ!!子供の癖に、どこでそんな言い回しを覚えたぁ?!!と言うか、ティファに変な事を聞かせるな!!」

「……はぁっ?これぐらい普通よ?って言うか、ませてると、四~五才ぐらいでも口にするわよ?あなた達、どういう環境で過ごしてた訳?一般常識どこに捨てて来たの?」

「「四~……五才……?」」

「……?!?」


 顔を引き吊らせる三人に、カルラは呆れた顔で見回す。

 ませてる子供の場合は、意味もよく分からずに言ってる事だろうが、七才ぐらいになれば、大概理解もしているし、カルラの外見年齢からしても、別段おかしな事を言った覚えは無い。

 要はこの三人の世間離れした育ちが悪い。


「言っとくけど、あなた達の方が世間擦れしまくってる事をお忘れなく。どんな特殊環境で育ってきたのよ。ああ、いい。言わないで。これ以上関わったら巻き込まれそうで嫌よ。あたしはあなた達に付き合ってあげる義理も無ければ、ティファ以外には好意も無いから」


 カルラは思った。こいつ等、心底面倒臭いと。
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