出会いと別れと復讐と

カザハナ

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 何事も無く街を出て、カルラはお荷物を抱えた状態(勿論あの三人の事)で、次の目的地に向かう。

 次の街は、一般人から地位の高い者まで、身分を問わずに様々なゲームで遊べると言われている娯楽で有名な街だ。

 この街の至る所で賭け事が出来、莫大な富を築ける者も居る。

 そしてここでは、いかさますらも合法となるのだ。

 ただし、下手な小細工や、相手に見破られるようなお粗末な物は論外だが。

 賭ける物は本人が同意の物で有れば、何であろうと賭けられる。金や肉体、命さえもだ。

 勿論、ただ見学する事も、泊まるだけで雰囲気を楽しむ者もそれなりには居るが、簡単に大金が転がり込む可能性が有るのに、全く賭けない者は態々この街にまで来る事は無いだろう。

 因みに今現在この街で流行っているのはカードゲームだろう。

 ただし、カードゲームとは言っても普通のカードでは無い。

 ここは、魔力溢れる世界。

 魔力の無い者でも遊べるよう、特殊な仕様になってはいるが、カードを持った者の身体能力や魔力能力ですら反映する為、魔力持ちの方が断然有利に働き、ゲームを始める前に賭けをすれば、その約束事を強制的に守らされる。

 例えばそれは、差し出すのが困難な記憶であろうと身体能力であろうと、魔力であろうとだ。

 口約束と侮れば、大変な目に合うのが確実だ。

 ただし、それは賭けを持ち出した方だろうと負ければ同じ。

 前以て相手の手札は調べようが無く、また、観戦者にしろ対戦者にしろ、相手の能力を喋る事は出来ない仕組みをカードに施して有る。

 それは、誰かに話そうとすれば、その時の記憶が完全に消えてしまうと言う仕掛けで、自白剤や記憶に関する魔力にも反応するのだ。

 これを無効に出来る能力者なんて魔力無効者を除いてしまえば、魔力改竄が出来るカルラだけしか居ないだろう。

 まぁ魔力無効者の場合は、カードを使用して遊ぶ事自体が出来ないが。

 そしてこのカードは、普段であれば消費する魔力を補う役割も兼ねている為、魔力補助の道具として使用する事も可能だったりするのだ。

 カルラにとっては全く必要の無い物では有るが、彼等なら使い様に依っては物凄く便利な道具となるだろう。

 (ただ、それを私が指摘すると、薮蛇だったりするのよね~。それを教えると何故彼等が魔力持ちだと知ってるのか疑問に思うだろうし、勝負しようと言われても困るもの)

 勝負を受ける事も、手を抜く事も出来るが、賭けをした場合が大変だ。

 なので、カルラからは、有効手段で有るカードに付いては、黙ってる事にした。
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