奇跡の確率

カザハナ

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「ジル以外集まった事だし、ちょっとした余興でもする?」


 アンバーの提案に僕が問い返す。


「余興って何を?」

「二年前の組み手とか?一対複数の組み手は抜きにしてね。僕は参加してなかったけど、コーディーがメインならアドリブでいけるでしょ?僕は無理だけどね」

「まあ、できなくはないよ。皆の癖とか得意武術とか知ってるし。前の時も順番とかは決めても動きまでは決めてなかったから」


 僕が答えると、クリスが眉を寄せる。


「決めなくて出来る物なのか?」


 クリスがボソッと呟き、僕が答える前にラズが説明してくれる。


「演武って言っても試合形式だからね。打ち合わせ無しのぶっつけ本番。ルーはコーディーに合わせてたけど、コーディーとルーぐらいだよ。金相手に休憩無しで連続手合わせ出来るの。ジェイでも十五分ぐらいが限度じゃないかな?」

「ジェイは、自分から動く攻撃主体だから、体力消耗が激しいんだよ。僕はどっちかって言うと待ち伏せて相手の力を利用する攻撃が主体だから、体力温存できるし、持久力もあるからね」


 一応、ラズの説明に補足する。


「コーディーの技、凄い。以前女性配達人に指導したけど、その時の技使ったら、大男、簡単に伸〈の〉せた」


 伸すような技は教えてないと思うんだけど、アランはどの技を使ったのかなぁ?多分アランの持ち技と組み合わせたんだろうけど。

 アランは細身で中性的。女の子に間違えられることはないみたいだけど、割りと綺麗な顔立ちだから粗野な連中に時折絡まれて、うんざりだって言ってる。言動や見た目の割りに、鋭い攻撃を容赦なく入れて来るから、嘗めて掛かると痛い目見るタイプなんだけど、僕の次に武術大会で指名が入り易い。


「アラン良いなぁ!コーディー、今度オレも女性配達人の指導に参加させてよ!」

「嫌だよ。エルは女の子と喋りたいだけでしょ?僕は遊びで指導してるんじゃないんだから。連れて行くならエル以外だよ。エルはお喋りに興じて指導を疎かにするんだから」

「えぇ~~、だって女の子達の情報網って馬鹿に出来ないんだよ、侮〈あなど〉れないんだよ、凄いんだよ!!」


 力説するエルに、アンバーが冷めた言葉と視線を送る。


「だからって、女性配達人達に迷惑掛けると、その内エルが要注意人物に認定されるからね?好奇心旺盛なのはいいけど、それこそコーディー経由で貰いなよ。そんなだから各地に彼女がいるって噂されるんだよ」
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