奇跡の確率

カザハナ

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4 (クリス視点)

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 ――油断した……何てザマだ……。死ぬのか?私は……。人間〈ひと〉に殺されて……――


「そっちにいたか?!」

「いや!どこに行きやがった、あの魔物め!!」


 これだから人間は……。

 ガサガサと近くの茂みが揺れる。

 これまで、か……。

 そこから現れたのは、予想より小さな人間だった。

 帽子と逆光で顔は見えない。死ぬ私にとってはもはやどうでもいいことだが。


「瑠璃色……?……毛色で分かりにくいけど、酷い怪我。惨〈むご〉いことするね、まったく」


 ……子供?!何故こんな所に子供がいる?!

 眉間に皺を寄せ、大きな黒い瞳で私を見下ろすその子供は左手の手袋を外し、その手を下から伸ばし私に触ろうとする。


「じっとして。怪我の具合を見るだけだから」


 ――ふざけるな。人間なんて子供だろうが信用できるか!――

 ジャッ!!

 爪を立て、その手を引っ掻く。


「……」


 フーッ!

 通常の猫が見せる威嚇をし、全身の毛を逆立てる。


「――……」


 その子供は私が引っ掻いた掌を見てにっこり笑うと、反対の手で軽く顔をはたいてきた。驚きの言葉と共に。


「――にゃろう……“乙女”の素肌に何しやがる!手当てするからじっとしろっつの」


 その言葉に思わず固まる。

 乙女……乙女って、こいつ……女だったのか?!

 あまりの驚きにされるがままの状態になる。


「しっかし酷いなぁ。骨も折れてるみたいだし、何より出血が多い。これは早く――」


 ガサガサガサッと背後の茂みが揺れ動く。


「いたぞ!こっちだ!!」
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