奇跡の確率

カザハナ

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「武術大会って結構大掛かりで、各地の腕に自信がある者や金に挑戦したい者が集まって来るんだよ。といっても、一般の部外者は出場どころか観戦すらできないようになってるけどね。出場は配達人のみだし、観戦は配達業に関わってる者のみ。部外者入れると金の腕輪の持ち主が特定されちゃうし、トラブルの元だから。例外は、ケイド様が招待した人のみ。大半は金をよく利用する王族とかかな?ただし、会場内に入れるのは招待した本人のみで、護衛とか代理や身内は一切受け入れない。もし入れようとしたらその段階で本人も入れなくなるし、二度と呼ばれなくなるから」


 ちなみに招待状は名前のみで、どういった肩書きの持ち主なのか分からないようになっている。もちろん名前だけで分かる人や顔で分かる人とかもいるけど、大会の会場内での身分持ち出しは厳禁だ。他の人達がどういった肩書き持ちかも探ってはならない。そんなことすれば即刻退場させられる。


「あと金に挑戦したいからって日々の通常業務を疎かにしたら出場自体認められないから。この大会に出られるのは、一定のノルマをこなし、なおかつ各地の予選を通過した者達だけ。本部勤めは採用試験とかが厳しいし開催地だから出場者が多いけど、トーナメント方式だから実力的に差はでない。それと、観戦したいからって各地の業務が滞るようなことは一切認められないから。そんなことしてた場合、ペナルティとしてその地や国からの出場、観戦は五年間禁止。開催期間はその年にもよるけど大体一~二週間ってところかな?それと、本部内の別棟に宿泊施設があるからヴェネック外の参加者は大体そこに泊まるけど、王族とかは街の宿屋に泊まったりもする。ただし、横柄だったり問題行動起こしたりしたら、ケイド様が街から追い出し二度と入れなくなるからね」


 ケイド様はマナーやルールに厳しい。何せ絶対領域内だしそうでもしないと無法地帯になっちゃうからね。

 そして金は毎年、それぞれの都合によりけりだけど、大体半数ぐらいが参加してる。といっても僕達金は、挑戦を受け入れるためと未来の見所ある金候補を見付けるため。トーナメントに勝ち進められなくても見所があると思えばペアを誘い掛ける。だからこそ、皆必死にチャンスを掴もうと努力する。金に誘われ受けた者は所属先が本部になるし、金と行動を共にすればケイド様に会える確率が格段に上がるのだから。

 ただし、金とペアを組めたからといって金になれる保証はない。金との差を見せ付けられてペアを解消する者や、危険度の高さに怖〈お〉じ気〈け〉付き辞める者も出てくるのだ。それ等を乗り越えしがみ付き、がむしゃらに努力し続け根性を見せる者だけが金になれる素質を身に付ける。まあ中には僕やルー兄みたいな規格外がいるけどね。

 ちなみに僕とルー兄は大会参加の常連だけど、僕を見た目で指名して痛い目見る出場者が多い。そして大概、次の武術大会で見掛けることが殆どない。

 僕に軽くぶちのめされて自信がなくなったのか、冷遇されたのかは知らないけれど、そんな根性じゃ金なんて夢の夢だからね?せめてリベンジするぐらいの気概を見せなきゃ。
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