奇跡の確率

カザハナ

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 ジジ様達の共演が終わり、就寝前。少しだけ、クリスと二人切りになる時間。

 クリスの膝の上へと座らされ、クリスの指先が僕の赤く染まる頬を優しく撫でる。


「毎日この時間がいつも待ち遠しく思う。コーディーをじっくり堪能し、独占出来る時間だからな」


 クリスが僕に甘く微笑み、顔を近付けるので、僕は心音を高鳴らせながら、そっと瞼を閉じる。

 恋人契約のキスって言ってたけど、いつまでこうしていられるのかな?暫くって言ってたけど、まだまだ大丈夫だよね?魔力を馴染ませられたから、もうしないとか、急に言ったりしないよね?

 唇同士が触れ合い、一旦離れたかと思えばまた直ぐにくっつき、舌で唇をなぞられる。

 口を少し開けば、クリスの舌が僕の咥内に入ってきて、我が物顔で暴れてくるから、僕もクリスの舌に自分の舌を絡め、擦り合う。

 時折聞こえる唾液の音や、荒くなりつつある呼吸音が、恥ずかしくていたたまれないけど、その分クリスに求められてるのが実感できて、嬉しくもある。

 クリス程の格好良い人なら、もっと綺麗な人や大人な人とか、どんな女性でも選びたい放題なのに、そんなクリスが選んだのは、誰にも見向きされてなかった僕なんだから、世の中、本当、何が起こるか分かんないよね。

(うぅ~、ダメだ、僕。思考が回らなくなってきた……)

 クリスがやっと舌を引っ込め、唇が離れた後、一度だけまた唇を合わせてチュッとリップ音を立てる。

 離れていく唇を何となく目で追い掛けていくと、クリスがとんでもなく甘い笑みを僕に向けてくる。

(だから、その笑顔、反則なんだってば!クリスは僕の心臓止める気ですか?!色気が駄々漏れ過ぎて、僕の心臓持ちません!)


「コーディーはどういう顔を私に向けているのか、自覚はないのか?」


 どういう、顔……?

 僕はクリスを見ながら首を傾げる。


「その顔、凄くそそられる。普段は溌剌〈はつらつ〉として幼さが残る無垢な愛くるしさだが、今は男を誘う女そのものだ。好きな女が頬を染め、うっとりと瞳を潤ませている姿を見て、欲情しない男はいない。とは言え、私は翼有人だから今はこうして口付けだけで性欲を発散出来るが、行為その物が先に進めば進むだけ、そこまでしなければ発散出来なくなっていくから、無理なら直ぐに止めてくれ。私は人間とは違うから、寿命が長い分、先に進まなければ何年だろうと待てる。だから、無理だけはしないでくれ」

 クリスが僕の唇を撫でながら、甘い声で囁いてくる。


「……じゃあキスは、この先も好きなだけ、しても良いってことだよね?」


 僕は思考が回らない頭で思ったことを呟けば、クリスは目を大きく見開き驚いたような顔をした。

 うん。クリスのこの顔も、僕は大好き。

 そして、その後暫く、クリスが僕を離さずに僕の唇を貪り、酸欠に陥るし動けなくなるしで、僕はクリスの手で寝室のベッドへと運ばれてしまう羽目になる。

 こっ……こんなことなら酸欠で意識を失ってた方が良かったかも知れない。好きな人にベッドへ運ばれるなんて、意識しない方がどうかしてるよ!
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