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猫好き令嬢レオノーラの日常
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「はぁ」
レオノーラは今日何度目かになる溜め息を吐き出した。
白魚のような手には先程レオノーラのファンだという後輩女子から貰った、可愛らしくラッピングされたクッキーの袋。クッキーはどれも猫型にくり抜かれ、一枚一枚丁寧にアイシングされた可愛らしいものだ。
クッキーは好きだ。
猫も可愛いと思うし、後輩女子からの好意も嬉しくないわけではない。
しかし……。
またひとつ、重いため息を吐いてベルホンを手に取る。
(兎にも角にも、今日の分の投稿をしなければならない。そのためのネタが出来たと思えばいいか……。)
遠くにいても連絡先さえ交換していればベルホンで交流出来るようになったのは、ちょうどレオノーラが生まれた頃だ。年々ベルホンの技術は進歩し、今では手の平サイズのベルホン一つで世界中の人間と繋がれると言っても過言ではない。
中でも、アカウントを作れば好きな時に写真やメッセージを発信出来るという、ベルホン内のアプリの一つ、ミンスタは若者を中心に爆発的な人気がある。レオノーラと同年代で、ミンスタのアカウントを持っていない人間はほぼいない。
そして、容姿・教養・金持ちと三拍子揃った貴族令嬢、令息のアカウントは若者の憧れとして、平民からも大変人気がある。
いずれ、領内を治める立場になる上でも民衆からの人気は重要なので、学園でも家でも積極的にミンスタに投稿することが推奨されていた。実際、窮地に喘いでいた貴族家の令嬢が、領地の特産品をミンスタで紹介するやいなや国内で大流行し、領地経営が持ち直したという話もある。
正直に言うと、レオノーラはミンスタがあまり好きではない。自分の私生活を全世界に晒す意味もわからなければ、不特定多数に強く訴えたいことなど無いレオノーラにとって、毎日のミンスタ投稿は最早苦痛ですらあった。
しかしながら、美人揃いの貴族令嬢の中でも一際美しく、公爵令嬢という高い地位を持つレオノーラのアカウントは貴族、平民問わず幅広い年代から人気があり、両親からも必ず日に一回は投稿するよう言いつけられているのだ。
ベルホンを手に取ると、レオノーラは無心でシャッターボタンを押した。
パシャリ。
先ずは、可愛いラッピングの状態で一枚。
その後メイドに命じて皿に盛り付けさせた状態で一枚。
クロス公爵家のメイドは優秀だ。だからレオノーラから命じられたのが「お皿に盛りつけてもらえるかしら?」というだけの簡単な指示だったとしても、主人の意を汲んだ(と周囲は思っている)それを遥かに上回った物が提供される。
結果、指示を出した数分後――レオノーラの元には猫柄のランチョンマットに乗せられたクッキーと同じく可愛らしい猫型をした皿に、キャットフラワーと呼ばれる猫の肉球に似た形の花と共に美しく盛り付けられたクッキー、持ち手が猫のしっぽになっているマグカップが置かれているわけである。
数枚皿ごと写真を撮った後、メイドに頼んでクッキーを手に持って微笑む写真を撮って貰う。
【今日は学園の後輩のスランちゃんから、可愛い猫ちゃんのクッキーを頂きました。可愛すぎて食べるのが勿体ないくらいでしたが、暫く目で楽しんだ後美味しく頂きました。スランちゃん、どうも有り難う。】
「これでいいかな」
ミンスタ界隈では、花も恥じらう年頃の乙女にしては、文章が硬い、だが良家の令嬢らしくてそこが良い!と囁かれているレオノーラである。
三枚の写真と共に相変わらずの硬めなコメントを打ち込み、炎上する要素が無さそうなのを確認して投稿ボタンを押す。
幸い、今のところ投稿内容に関して炎上したことはない。
我ながら、今日の写真は中々可愛く撮れている。きっと明日には【いいね!】は軽く一万は超えているだろう。
「はぁ……」
しかしながら、本日のノルマをクリアしてもレオノーラの気は晴れない。
写真には、猫の皿にキャットフラワー、猫マグカップ、綺麗にアイシングされた猫型クッキー。おまけに背景には気を利かせたメイドが近くに置いた猫モチーフのフォークやカラフルな猫柄のナプキンが写り込んでいる。ミンスタ映えは間違いない。
しかし、これではどこからどうみても、大の猫好きの令嬢である。
(別に猫が嫌いなわけじゃないのよ。むしろ動物の中では好きな方よ。でも………)
いや、レオノーラとて既に手遅れだと本当は分かっている。
後輩が猫クッキーを渡してきたのも、メイドがそれをわざわざ猫型の皿に盛ったのも、部屋のあちこちに猫モチーフが溢れているのも、レオノーラが周囲の人間に猫好きだと思われているからだ。
実はここ、ムツコロウ王国では今、空前の猫ブームが起きている。
ミンスタはペットの猫に関する投稿で溢れ、猫に関するグッズやイベントも大盛況。経済に及ぼす影響も多く、ネコノミクスなる言葉が流行語に選ばれた程だ。
そして何を隠そう、その猫ブームの立役者となったのがレオノーラ自身なのだ。勿論、レオノーラ本人にそんなつもりはなかった。
偶々学園の帰り道に道端に捨てられた一匹の猫を見つけ保護した。薄汚れた猫はがりがりに痩せていて、烏につつかれたのか身体のあちこちに怪我を負っていた。苦い顔をする護衛を宥め賺し、屋敷に連れ帰って面倒を見た。
レオノーラ自ら餌をやり、風呂に入れ、傷の手当てをした。
一ヶ月経つ頃にはすっかり元気を取り戻し、薄汚れた捨て猫は、ふわふわの白い毛を持つ美猫に大変身を遂げていた。
そのまま公爵家のペットになるかと思われたが、問題がひとつ。レオノーラの母である公爵夫人が大の猫アレルギーだったのである。
正直言って、夫人に迷惑を掛けないよう、この一ヶ月間公爵家の使用人たちは神経をすり減らしていた。
元気になった猫の行動範囲は広く、如何に公爵邸が広いとはいえ、夫人と鉢合わせないよう誘導し、毛が散らばることのないよう掃除にも細心の注意が必要とされた。
その様子を見たレオノーラは、必要以上に使用人に負担をかけている状況に公爵家で猫を飼うのは現実的でないと判断し、猫の飼い主を探すことにした。
ただ闇雲に誰かに渡せばいいというものでもない。この猫は既に一度捨てられているのだ。今度こそは大事にしてくれる飼い主に巡り合わせてやりたい。
考えた末に、レオノーラは猫の新たな飼い主をミンスタで募集することにした。
条件は猫を大事に出来る人、ただその一点のみ。
レオノーラの予想に反して飼い主希望者は殺到した。公爵家の使用人にも手伝ってもらい厳正な審査をした結果、同じ学園に通う、実家が果樹園を営んでいる平民の男の子の元へ貰われていった。
めでたし、めでたし。………と、そこで終われば良かったのだが、ここで予想外の事が起きた。
飼い主募集のため、保護した直後のやせ細り薄汚れた様子からつやつやモフモフの美猫に変身するまでの過程を投稿した写真がミンスタ上でバズりにバスったのである。
傷付いた捨て猫を保護する美談に感動されたのも確かであるが、何よりもふわふわ真っ白の美猫×滅多に見ない美少女の組み合わせはこの上なく尊かった。『可愛い×可愛い=最強』の方程式が完成したのである。
飼い主が見つかった後もレオノーラと美猫の写真は全世界でシェアされ続け、【いいね!】は億超え、レオノーラの知らぬところでベルホン上のアングラ巨大掲示板7ちゃんねるに、『【まじで】公爵令嬢レオノーラ様とぬこ様の最強カップリングを語るスレ【天使】』が登場したのを皮切りに、同様のスレッドが乱立し、ちょっとした祭りになる程だった。
そうして気付いた時にはレオノーラ=猫好きのイメージが世間一般どころか公爵家の人間にまですっかり定着していたのである。
レオノーラとしては、別に特別猫が好きだという訳ではない。爬虫類だけは苦手だったが、ふわふわした毛を持つ動物は昔から何でも好きだった。あの時、たまたま捨てられていたのが猫だっただけで、それが犬でも狸でもハムスターでも、レオノーラは屋敷に連れ帰り同じ様に保護していただろう。
公爵令嬢という立場のレオノーラは、人気があることもあって頂き物も多い。捨て猫の一件以降、レオノーラが大の猫好きだと勘違いした人々は、レオノーラに何か送る際には積極的に猫のモチーフを選ぶようになった。猫が好きか嫌いかと言えば普通に好きなので、レオノーラとしても断りづらい。レオノーラの私室や持ち物に猫モチーフが多いのはそのためである。
しかし、それを知らない周囲はあらゆる猫モチーフの物を持ち歩くレオノーラを見て、やはり噂通り猫が大好きなのだな、と認識していく。そして猫に関する物がレオノーラの元により集まり……という無限ループ。
かくして公爵家の使用人すらも信じて疑わない、猫好き令嬢レオノーラの爆誕である。
レオノーラはひとり、自室で頭を抱える。
(言えない……今更、実は猫より犬派だなんて……!)
こうなるともう、レオノーラはその称号を甘んじて受けるしかなかった。
レオノーラは今日何度目かになる溜め息を吐き出した。
白魚のような手には先程レオノーラのファンだという後輩女子から貰った、可愛らしくラッピングされたクッキーの袋。クッキーはどれも猫型にくり抜かれ、一枚一枚丁寧にアイシングされた可愛らしいものだ。
クッキーは好きだ。
猫も可愛いと思うし、後輩女子からの好意も嬉しくないわけではない。
しかし……。
またひとつ、重いため息を吐いてベルホンを手に取る。
(兎にも角にも、今日の分の投稿をしなければならない。そのためのネタが出来たと思えばいいか……。)
遠くにいても連絡先さえ交換していればベルホンで交流出来るようになったのは、ちょうどレオノーラが生まれた頃だ。年々ベルホンの技術は進歩し、今では手の平サイズのベルホン一つで世界中の人間と繋がれると言っても過言ではない。
中でも、アカウントを作れば好きな時に写真やメッセージを発信出来るという、ベルホン内のアプリの一つ、ミンスタは若者を中心に爆発的な人気がある。レオノーラと同年代で、ミンスタのアカウントを持っていない人間はほぼいない。
そして、容姿・教養・金持ちと三拍子揃った貴族令嬢、令息のアカウントは若者の憧れとして、平民からも大変人気がある。
いずれ、領内を治める立場になる上でも民衆からの人気は重要なので、学園でも家でも積極的にミンスタに投稿することが推奨されていた。実際、窮地に喘いでいた貴族家の令嬢が、領地の特産品をミンスタで紹介するやいなや国内で大流行し、領地経営が持ち直したという話もある。
正直に言うと、レオノーラはミンスタがあまり好きではない。自分の私生活を全世界に晒す意味もわからなければ、不特定多数に強く訴えたいことなど無いレオノーラにとって、毎日のミンスタ投稿は最早苦痛ですらあった。
しかしながら、美人揃いの貴族令嬢の中でも一際美しく、公爵令嬢という高い地位を持つレオノーラのアカウントは貴族、平民問わず幅広い年代から人気があり、両親からも必ず日に一回は投稿するよう言いつけられているのだ。
ベルホンを手に取ると、レオノーラは無心でシャッターボタンを押した。
パシャリ。
先ずは、可愛いラッピングの状態で一枚。
その後メイドに命じて皿に盛り付けさせた状態で一枚。
クロス公爵家のメイドは優秀だ。だからレオノーラから命じられたのが「お皿に盛りつけてもらえるかしら?」というだけの簡単な指示だったとしても、主人の意を汲んだ(と周囲は思っている)それを遥かに上回った物が提供される。
結果、指示を出した数分後――レオノーラの元には猫柄のランチョンマットに乗せられたクッキーと同じく可愛らしい猫型をした皿に、キャットフラワーと呼ばれる猫の肉球に似た形の花と共に美しく盛り付けられたクッキー、持ち手が猫のしっぽになっているマグカップが置かれているわけである。
数枚皿ごと写真を撮った後、メイドに頼んでクッキーを手に持って微笑む写真を撮って貰う。
【今日は学園の後輩のスランちゃんから、可愛い猫ちゃんのクッキーを頂きました。可愛すぎて食べるのが勿体ないくらいでしたが、暫く目で楽しんだ後美味しく頂きました。スランちゃん、どうも有り難う。】
「これでいいかな」
ミンスタ界隈では、花も恥じらう年頃の乙女にしては、文章が硬い、だが良家の令嬢らしくてそこが良い!と囁かれているレオノーラである。
三枚の写真と共に相変わらずの硬めなコメントを打ち込み、炎上する要素が無さそうなのを確認して投稿ボタンを押す。
幸い、今のところ投稿内容に関して炎上したことはない。
我ながら、今日の写真は中々可愛く撮れている。きっと明日には【いいね!】は軽く一万は超えているだろう。
「はぁ……」
しかしながら、本日のノルマをクリアしてもレオノーラの気は晴れない。
写真には、猫の皿にキャットフラワー、猫マグカップ、綺麗にアイシングされた猫型クッキー。おまけに背景には気を利かせたメイドが近くに置いた猫モチーフのフォークやカラフルな猫柄のナプキンが写り込んでいる。ミンスタ映えは間違いない。
しかし、これではどこからどうみても、大の猫好きの令嬢である。
(別に猫が嫌いなわけじゃないのよ。むしろ動物の中では好きな方よ。でも………)
いや、レオノーラとて既に手遅れだと本当は分かっている。
後輩が猫クッキーを渡してきたのも、メイドがそれをわざわざ猫型の皿に盛ったのも、部屋のあちこちに猫モチーフが溢れているのも、レオノーラが周囲の人間に猫好きだと思われているからだ。
実はここ、ムツコロウ王国では今、空前の猫ブームが起きている。
ミンスタはペットの猫に関する投稿で溢れ、猫に関するグッズやイベントも大盛況。経済に及ぼす影響も多く、ネコノミクスなる言葉が流行語に選ばれた程だ。
そして何を隠そう、その猫ブームの立役者となったのがレオノーラ自身なのだ。勿論、レオノーラ本人にそんなつもりはなかった。
偶々学園の帰り道に道端に捨てられた一匹の猫を見つけ保護した。薄汚れた猫はがりがりに痩せていて、烏につつかれたのか身体のあちこちに怪我を負っていた。苦い顔をする護衛を宥め賺し、屋敷に連れ帰って面倒を見た。
レオノーラ自ら餌をやり、風呂に入れ、傷の手当てをした。
一ヶ月経つ頃にはすっかり元気を取り戻し、薄汚れた捨て猫は、ふわふわの白い毛を持つ美猫に大変身を遂げていた。
そのまま公爵家のペットになるかと思われたが、問題がひとつ。レオノーラの母である公爵夫人が大の猫アレルギーだったのである。
正直言って、夫人に迷惑を掛けないよう、この一ヶ月間公爵家の使用人たちは神経をすり減らしていた。
元気になった猫の行動範囲は広く、如何に公爵邸が広いとはいえ、夫人と鉢合わせないよう誘導し、毛が散らばることのないよう掃除にも細心の注意が必要とされた。
その様子を見たレオノーラは、必要以上に使用人に負担をかけている状況に公爵家で猫を飼うのは現実的でないと判断し、猫の飼い主を探すことにした。
ただ闇雲に誰かに渡せばいいというものでもない。この猫は既に一度捨てられているのだ。今度こそは大事にしてくれる飼い主に巡り合わせてやりたい。
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飼い主募集のため、保護した直後のやせ細り薄汚れた様子からつやつやモフモフの美猫に変身するまでの過程を投稿した写真がミンスタ上でバズりにバスったのである。
傷付いた捨て猫を保護する美談に感動されたのも確かであるが、何よりもふわふわ真っ白の美猫×滅多に見ない美少女の組み合わせはこの上なく尊かった。『可愛い×可愛い=最強』の方程式が完成したのである。
飼い主が見つかった後もレオノーラと美猫の写真は全世界でシェアされ続け、【いいね!】は億超え、レオノーラの知らぬところでベルホン上のアングラ巨大掲示板7ちゃんねるに、『【まじで】公爵令嬢レオノーラ様とぬこ様の最強カップリングを語るスレ【天使】』が登場したのを皮切りに、同様のスレッドが乱立し、ちょっとした祭りになる程だった。
そうして気付いた時にはレオノーラ=猫好きのイメージが世間一般どころか公爵家の人間にまですっかり定着していたのである。
レオノーラとしては、別に特別猫が好きだという訳ではない。爬虫類だけは苦手だったが、ふわふわした毛を持つ動物は昔から何でも好きだった。あの時、たまたま捨てられていたのが猫だっただけで、それが犬でも狸でもハムスターでも、レオノーラは屋敷に連れ帰り同じ様に保護していただろう。
公爵令嬢という立場のレオノーラは、人気があることもあって頂き物も多い。捨て猫の一件以降、レオノーラが大の猫好きだと勘違いした人々は、レオノーラに何か送る際には積極的に猫のモチーフを選ぶようになった。猫が好きか嫌いかと言えば普通に好きなので、レオノーラとしても断りづらい。レオノーラの私室や持ち物に猫モチーフが多いのはそのためである。
しかし、それを知らない周囲はあらゆる猫モチーフの物を持ち歩くレオノーラを見て、やはり噂通り猫が大好きなのだな、と認識していく。そして猫に関する物がレオノーラの元により集まり……という無限ループ。
かくして公爵家の使用人すらも信じて疑わない、猫好き令嬢レオノーラの爆誕である。
レオノーラはひとり、自室で頭を抱える。
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