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第二章

リバーシ

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「おい、お前らどうしたんだ」

「な、何がだ……」

「べ、別に何も……」

「恭介君、それ以上は野暮ですよ」

「そ、そうか」

「二人は大人の階段を上ったんですから」

「「ブッ」」 「違う!」

「あら、違うんですか?」

「キスした……あっ……」

「あっ……」

「あらあら、可愛らしいこと」

「青春してるなぁ」

「「………………」」

「と、ところでさ、そろそろ、食堂とかもやってみないか」

「確かに、食材は確保できましたし、頃合いかもしれませんね」

「サトウダイコンの蒸留酒も、そろそろ馴染んできたころかな」

蒸留酒をワインの樽に入れて寝かせてあるのだ。

「食堂で出すだけなら、コメも使えるな」

「唐揚げ、生姜焼き、牛丼と親子丼くらいなら簡単ですよね」

「おつまみに、ポテチとバターピーナッツ作ろうぜ」

またまたメイドを増員して、食堂をオープンした。
宣伝もしてないのに、初日から行列ができてしまったほどだ。

お酒目当ての人も増えてくるが、どちらかといえば貴族のご隠居さんたちだ。
単価が高いだけあって客層はいい。
泥酔したとしても、屋敷に連絡すればすぐに迎えが来る。

少し経った頃、お客さんからチョイス(チェスみたいなゲーム)を置かせてくれないかと要望があった。
お酒を飲みながら楽しみたいらしい。
もちろん、了解したが、即座にひらめいた。
リバーシを投入するチャンスじゃん!

「恭介、大至急リバーシを作ってくれ」

「どうしたんだ急に」

「チョイスを持ち込みでやりたいってお客さんがいるんだ」

「とりあえずリバーシで遊んでみてくれってか……ナイスアイデアだ!」


俺は、急ごしらえのリバーシをさっきのお客さんのテーブルに持っていく。

「もし、よろしければ、こちらのゲームを試してみませんか」

「これは?」

「私どもが考えたリバーシというゲームです。
ルールが簡単なので、大人でも楽しめますが、お孫さんとも遊べますよ」

「なに、孫とも遊べるのか」

簡単にルールを説明して始めてもらう。

「うっ」 「そうくるか……」 「くそう……」

あっという間にハマってくれた。
そればかりか、周りに人が集まってくる。

「ああ、そんな所に置いたら」 「あそこに置けば勝ちだったのに」

野次馬は無責任である。

「じゃあ、お前がやってみろ」

「いいですよ、勝ち方を教えてあげましょう」

「まだ。ありますから。どうぞ使ってください」

「おい、これは、買って帰れるのか」

「明後日から販売いたします」

職人総動員で、リバーシの量産に入った。
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