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第二章

リバーシ大会

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リバーシは、数種類作ることにした。

王様献上用に、貝を削りだしてコマにしたもの。
真珠層がきれいな一品ものだ。
貴族用にはアルミ製と、黒檀製の二種類を用意する。
平民用は木製だ。

盤のほうも格差をつける。
木に升目を書いただけのものと、革張りのもの。
高価な生地を貼り付けたものなどだ。


俺たちは早速アポをとって、王様に面会した。

「ほう、新しいゲームとな」

「ええ。
チョイスほどルールが難しくなく、大人から子供まで楽しめるんですよ」

「ほう、王妃、相手をせい」

「はい」

「最初に二つづつ中央にコマを置きます。
自分の色で相手を挟むと、裏返して自分の色に変えることができます。
最終的にコマの数が多いほうの勝ちとなります」

「なんだか、単調ではないか」

「序盤はそうですね」

「ほれほれ、どんどんひっくり返して……
待て、なんで一気に形勢が変わるのだ……」

「角をとると、絶対的に有利なんですよ」

「そうか、角はもうひっくり返されないのだな……
王妃、もう一回じゃ!」



こうして、店においたリバーシは凄い勢いで売れていく。
自分で簡単に作れることもあって、広まり方は半端ない……

店で、ナンバーワンを決める大会を開いたところ、一部の人しか参加できないとのクレームが相次いだ。
特に、王様から……

そこから、国をあげての一大イベントになってしまった。
町ごとに予選トーナメントが開催され、町別の決勝トーナメントを開催する。

特例として、王族は決勝から参加のシード権を与えたのだが、王様は一回戦で敗退した。
ベスト4に残ったのは、12歳の女の子と主婦、72歳の老人と王妃様だった。

王妃様も12歳の女の子に負け、決勝戦は72歳の老人対12歳女子という年齢差60歳に盛り上がった。
この上位4名には、王様から認定証が授与された。
勝ち誇った王妃様と、認定証を授与する悔しそうな王様がしばらくの間国民の話題となった。

ともあれ、こうして第一回リバーシ大会は幕を閉じた。
そして、企画者である俺たちは、名誉男爵から男爵へと叙爵されることになった。

男爵になったことで、何が変わるかといえば、世襲できることだ。
名誉男爵は一代限りだが、俺たち4人が男爵となったことで、縁談の申し込みが増えた。
つまり、貴族の次男以降と、娘の嫁ぎ先の相手として認識されてしまったのだ。
これは、俺が智代梨と付き合っていようが関係なく舞い込む。

例えば、俺の側室にでもなれば、その子供が爵位を継げる可能性が出てくる。
勘弁してくれよ……
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