37 / 40
第三章 冒険者
今の宰相は短気でいけねえや
しおりを挟む
「勝手にしろ!」
「使者殿、今の言葉を聞かれましたな。
陛下にお伝えし、我々は男爵位を返上させていただいたうえで、今後、王家とは無関係とさせていただきます」
「あわわ、そ、そんな……」
「仕方ないでしょう。
宰相はどうあっても俺に仕事を押し付けようとし、俺は民のために今の仕事を続けたい。
こちらから歩み寄る姿勢を見せたにもかかわらず、宰相はそれを受け入れようとしない。
ならば、我々は爵位を返上して、民のために尽くすのみ。
どこか、おかしな部分がありますか」
「さー、宰相……」
「……わしは知らん……」
「さっ、陛下に報告に行きましょう」
「いえるわけないでしょう!
爵位返上など、前代未聞のこと!」
「では、どこがおかしいと思われますか」
「そ、それは……」
「なぜ、俺達が恩給を受け取っていないのか、また、それを宰相が知らないのはなぜか」
「そっ、そうですよ!」
「俺たちは、いつ国からの恩賞が切れても、自活していけるよう商売を始めた」
「なに!」
「だってそうでしょ。
もし、魔王を完全に滅ぼしていたら、国は死ぬまで俺たちの面倒をみてくれるんですか」
「当然であろう!」
「王が代替わりしても続く保証は?
また、その間、俺たちは何をすればいいんですか?
今でこそ男爵として子供たちに世襲することができるようになりましたが、長男以外は?
ほかの貴族連中のようになるのだけはまっぴらですよ」
「まさか……」
「そう。俺たちは最初から平民で、平民として暮らす。
だから恩給などあてにしない。
最初のうちは、俺も魔王宮に仕掛けた爆弾の余波で動けませんでしたからね。
その分の慰労金として世話になりましたよ」
「なぜ、爵位を受けたんだ」
「魔王を討伐したってことで、国民を安心させるためですよ。
正直なところ、魔王ってのが普通の人と同じなら死んだでしょうよ。
だが、そんな甘いもんじゃないと思ってます。
それでも、不安要素などないほうが、安心して眠れるでしょう」
「民のためだと……」
「俺が、商売に精を出してる姿を見せれば、みんな安心するでしょう。
その俺が、突然姿を見せなくなったら?」
「何か、あったのかと……」
「相談役程度なら、一日か二日程度ですみますが、一か月も連続して工事に専念するようじゃダメだ。
そういうこと。
もう一つは、恩給を辞退したという俺たちの意思が届かずにどこかでもみ消されているってこと。
恩給を辞退していると知っていれば、陛下も宰相も無理強いはしなかったでしょ。
うちの支店長が言ってましたよ。
今の宰相は、頭が切れるくせに短期でいけないって」
「あっ……」
「そういう事」
「使者殿、今の言葉を聞かれましたな。
陛下にお伝えし、我々は男爵位を返上させていただいたうえで、今後、王家とは無関係とさせていただきます」
「あわわ、そ、そんな……」
「仕方ないでしょう。
宰相はどうあっても俺に仕事を押し付けようとし、俺は民のために今の仕事を続けたい。
こちらから歩み寄る姿勢を見せたにもかかわらず、宰相はそれを受け入れようとしない。
ならば、我々は爵位を返上して、民のために尽くすのみ。
どこか、おかしな部分がありますか」
「さー、宰相……」
「……わしは知らん……」
「さっ、陛下に報告に行きましょう」
「いえるわけないでしょう!
爵位返上など、前代未聞のこと!」
「では、どこがおかしいと思われますか」
「そ、それは……」
「なぜ、俺達が恩給を受け取っていないのか、また、それを宰相が知らないのはなぜか」
「そっ、そうですよ!」
「俺たちは、いつ国からの恩賞が切れても、自活していけるよう商売を始めた」
「なに!」
「だってそうでしょ。
もし、魔王を完全に滅ぼしていたら、国は死ぬまで俺たちの面倒をみてくれるんですか」
「当然であろう!」
「王が代替わりしても続く保証は?
また、その間、俺たちは何をすればいいんですか?
今でこそ男爵として子供たちに世襲することができるようになりましたが、長男以外は?
ほかの貴族連中のようになるのだけはまっぴらですよ」
「まさか……」
「そう。俺たちは最初から平民で、平民として暮らす。
だから恩給などあてにしない。
最初のうちは、俺も魔王宮に仕掛けた爆弾の余波で動けませんでしたからね。
その分の慰労金として世話になりましたよ」
「なぜ、爵位を受けたんだ」
「魔王を討伐したってことで、国民を安心させるためですよ。
正直なところ、魔王ってのが普通の人と同じなら死んだでしょうよ。
だが、そんな甘いもんじゃないと思ってます。
それでも、不安要素などないほうが、安心して眠れるでしょう」
「民のためだと……」
「俺が、商売に精を出してる姿を見せれば、みんな安心するでしょう。
その俺が、突然姿を見せなくなったら?」
「何か、あったのかと……」
「相談役程度なら、一日か二日程度ですみますが、一か月も連続して工事に専念するようじゃダメだ。
そういうこと。
もう一つは、恩給を辞退したという俺たちの意思が届かずにどこかでもみ消されているってこと。
恩給を辞退していると知っていれば、陛下も宰相も無理強いはしなかったでしょ。
うちの支店長が言ってましたよ。
今の宰相は、頭が切れるくせに短期でいけないって」
「あっ……」
「そういう事」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる