2 / 9
二ノ巻
紅蓮の龍を従えし者
しおりを挟む
辰也が目を覚ますと、辺りは現代のようにビルが立ち並ぶ風景とは全く違う、見たことも無いなんとも幻想的で神秘的とも言える景色が広がっていた。例えるなら、RPGファンタジーゲームの世界に飛び込んだかのようだった。
その世界では、幻獣と呼ばれていた龍が生き、大自然が広がっていた。そして、辰也が視線を自身の胸元に向けると、首元には紐で繋がれた紅色の勾玉が吊るされていた。
その勾玉は、辰也が祖父の部屋で見つけたものと全く同じものだった。
「これ・・・じいちゃんの部屋にあったやつと同じやつじゃん!なんで俺の首に・・・てかここどこだよ!見たこともない景色に俺の部屋と違う部屋ん中にいるし・・・。って、服装も全然見た事ねー。」
辰也の着ている服は、洗濯もされていない薄汚れたボロボロのシャツにそれと同じ様なズボンを履いていた。靴もなく、素足のまま藁を束ねてその上に布を敷いただけの即席ベッドのような物に寝転がっていた。
しかし、辰也にとってもうひとつの違和感があった。サラマンドラの姿がどこにもないということだ。
「あいつ、どこいったんだ?元の世界に戻りたいのに・・・。あいついねーとどうしたらいいのかも分からねーじゃんかよ!」
辰也が誰もいない部屋で独り言を呟いていた。そんな時、別の部屋だろうか?若い目の女性の声で見知らぬ人物の名前を呼ぶ声がする。
「フレイア!いつまで寝てるの?」
その声が徐々に近くなる。足音が辰也の部屋の木で出来た扉の前で止まった。そして、扉が開き辰也の目の前に現れたのは、透き通るような真っ白な肌に、腰まで伸びたストレートの薄茶色をした長い髪に、吸い込まれるような淡い緑色の綺麗な瞳をした20代前半位の女性だった。
その女性が辰也を見るなり言った。
「あんた、また服を台無しにして!もう何着目?それに、いつまでそんなベッドで寝てるのよ!」
状況が理解出来ず辰也が黙っていると「聞いてるの!?」と女性が尋ねてきた。
「誰ですか?」
その問いかけに、今まで怒りを露わにしていた女性の態度が急変する。
「あんた・・・どうしたの?頭ぶつけた?熱でもあるの?あ~、どうしよ~。昨日ちゃんとおねーちゃんが止めるべきだったわ・・・。こんなおねーちゃんのことを許して・・・。」
そう言いながら涙を流す女性。
「あの、顔を上げてください。」
その言葉に反応し、涙を流しながら頭をあげる女性。辰也は、自身の現状を説明した。
「あの、信じて貰えないかもしれませんが・・・。俺はあなたの知るフレイアという少年とは違います。見た目はそうかもしれませんが、俺は別の世界から来たんです。」
突拍子のない言葉に黙り込む女性。辰也は、信じて貰えないかと思い現状をどうするか考えていると、女性はニッコリととても可愛い笑顔で辰也に笑いかける。
「そっかー、良かったよ~フレイアに何かあったのかと思っちゃった!」
そのセリフに辰也がすかさず言い返す。
「ま、待ってください!フレイアさんは既に俺という別の人格が入ってますから何かあったといえばあって・・・」
辰也は自分で言いながら混乱していた。しかし、そんな様子をみた女性が辰也に言った。
「フレイアがどんな人格だろうと関係ないことよ?だって、私にとってはフレイアだもの。中身でも外見でもないのよ?その人の人格や見た目なんてただのその人を形作る器でしかないのよ・・・。大切なのは、その人をどれだけ大切に思っているかってこと。私にとってはあなたも大切なの家族の1人よ?」
女性は、辰也に笑顔を見せて話した。その笑顔はとても眩しく、辰也は心の底から「いい人だ・・・」と思っていた。すると、今度は女性の方が話し始めた。
「そうだ!あなたまだ自分のことも私のことも知らないわよね?」
辰也は視線を逸らした。その姿を見て女性が話を続けた。
「じゃー、私が教えてあげる!まずは、私の名前はルーナ!ルーナ・アルベールよ!アルベールは私たちの苗字ね。」
そういうと、ルーナは昨日のことを話し始めた。
「昨日のことなんだけれど、突然その首飾りが紅く光出したの・・・。それであなたは1人で家から飛び出して、今あなたの窓から見える森があるでしょ?あそこに入っていったの。そしたら突然うめき声が聞こえたと思ったら、龍の形をした炎が吹き出して来たの・・・。それで、帰ってきたあなたの服はそんな風になってしまったのね・・・。」
その話を聞いて辰也が1つの事実を確信した。
「俺は、おとぎ話の世界に来てしまったんだ・・・。そして、その物語の内の1人である龍を従えていた人に転生したんだ・・・。俺は、紅き炎の龍を従えていたんだ・・・。」
ルーナが首を傾げて尋ねた。
「どういうことなの?」
辰也が物語について話し始める。
その世界では、幻獣と呼ばれていた龍が生き、大自然が広がっていた。そして、辰也が視線を自身の胸元に向けると、首元には紐で繋がれた紅色の勾玉が吊るされていた。
その勾玉は、辰也が祖父の部屋で見つけたものと全く同じものだった。
「これ・・・じいちゃんの部屋にあったやつと同じやつじゃん!なんで俺の首に・・・てかここどこだよ!見たこともない景色に俺の部屋と違う部屋ん中にいるし・・・。って、服装も全然見た事ねー。」
辰也の着ている服は、洗濯もされていない薄汚れたボロボロのシャツにそれと同じ様なズボンを履いていた。靴もなく、素足のまま藁を束ねてその上に布を敷いただけの即席ベッドのような物に寝転がっていた。
しかし、辰也にとってもうひとつの違和感があった。サラマンドラの姿がどこにもないということだ。
「あいつ、どこいったんだ?元の世界に戻りたいのに・・・。あいついねーとどうしたらいいのかも分からねーじゃんかよ!」
辰也が誰もいない部屋で独り言を呟いていた。そんな時、別の部屋だろうか?若い目の女性の声で見知らぬ人物の名前を呼ぶ声がする。
「フレイア!いつまで寝てるの?」
その声が徐々に近くなる。足音が辰也の部屋の木で出来た扉の前で止まった。そして、扉が開き辰也の目の前に現れたのは、透き通るような真っ白な肌に、腰まで伸びたストレートの薄茶色をした長い髪に、吸い込まれるような淡い緑色の綺麗な瞳をした20代前半位の女性だった。
その女性が辰也を見るなり言った。
「あんた、また服を台無しにして!もう何着目?それに、いつまでそんなベッドで寝てるのよ!」
状況が理解出来ず辰也が黙っていると「聞いてるの!?」と女性が尋ねてきた。
「誰ですか?」
その問いかけに、今まで怒りを露わにしていた女性の態度が急変する。
「あんた・・・どうしたの?頭ぶつけた?熱でもあるの?あ~、どうしよ~。昨日ちゃんとおねーちゃんが止めるべきだったわ・・・。こんなおねーちゃんのことを許して・・・。」
そう言いながら涙を流す女性。
「あの、顔を上げてください。」
その言葉に反応し、涙を流しながら頭をあげる女性。辰也は、自身の現状を説明した。
「あの、信じて貰えないかもしれませんが・・・。俺はあなたの知るフレイアという少年とは違います。見た目はそうかもしれませんが、俺は別の世界から来たんです。」
突拍子のない言葉に黙り込む女性。辰也は、信じて貰えないかと思い現状をどうするか考えていると、女性はニッコリととても可愛い笑顔で辰也に笑いかける。
「そっかー、良かったよ~フレイアに何かあったのかと思っちゃった!」
そのセリフに辰也がすかさず言い返す。
「ま、待ってください!フレイアさんは既に俺という別の人格が入ってますから何かあったといえばあって・・・」
辰也は自分で言いながら混乱していた。しかし、そんな様子をみた女性が辰也に言った。
「フレイアがどんな人格だろうと関係ないことよ?だって、私にとってはフレイアだもの。中身でも外見でもないのよ?その人の人格や見た目なんてただのその人を形作る器でしかないのよ・・・。大切なのは、その人をどれだけ大切に思っているかってこと。私にとってはあなたも大切なの家族の1人よ?」
女性は、辰也に笑顔を見せて話した。その笑顔はとても眩しく、辰也は心の底から「いい人だ・・・」と思っていた。すると、今度は女性の方が話し始めた。
「そうだ!あなたまだ自分のことも私のことも知らないわよね?」
辰也は視線を逸らした。その姿を見て女性が話を続けた。
「じゃー、私が教えてあげる!まずは、私の名前はルーナ!ルーナ・アルベールよ!アルベールは私たちの苗字ね。」
そういうと、ルーナは昨日のことを話し始めた。
「昨日のことなんだけれど、突然その首飾りが紅く光出したの・・・。それであなたは1人で家から飛び出して、今あなたの窓から見える森があるでしょ?あそこに入っていったの。そしたら突然うめき声が聞こえたと思ったら、龍の形をした炎が吹き出して来たの・・・。それで、帰ってきたあなたの服はそんな風になってしまったのね・・・。」
その話を聞いて辰也が1つの事実を確信した。
「俺は、おとぎ話の世界に来てしまったんだ・・・。そして、その物語の内の1人である龍を従えていた人に転生したんだ・・・。俺は、紅き炎の龍を従えていたんだ・・・。」
ルーナが首を傾げて尋ねた。
「どういうことなの?」
辰也が物語について話し始める。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
やがて最強に至る弾丸付与術士の成り上がり
彼方
ファンタジー
2035年の日本では、多数出現したダンジョンを探索する探索者という職業が大きな注目を集めていた。ダンジョンを探索することは大きな危険も伴うが、地球では本来手に入らない希少な資源を入手することができるため、日本を含め世界各国はダンジョン資源の獲得に力を入れていた。
そうした世界の中で平均的な探索者として活動していた加賀優斗は、親友である木場洋輔から突然パーティを追放されてしまう。優斗は絶望し失意の底に沈むが、不治の病に侵された妹を助けるために行動を開始する。
これは、実力も才能もない一人の青年が努力と工夫によって世界最強へと上り詰めるまでの物語。
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる