Doragon Soul´s

竹内 晴

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二ノ巻

紅蓮の龍を従えし者

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 辰也たつやが目を覚ますと、辺りは現代のようにビルが立ち並ぶ風景とは全く違う、見たことも無いなんとも幻想的げんそうてきで神秘的とも言える景色が広がっていた。例えるなら、RPGファンタジーゲームの世界に飛び込んだかのようだった。

 その世界では、幻獣と呼ばれていたドラゴンが生き、大自然が広がっていた。そして、辰也が視線を自身の胸元に向けると、首元にはひもで繋がれた紅色あかいろ勾玉まがたまが吊るされていた。

 その勾玉は、辰也が祖父の部屋で見つけたものと全く同じものだった。

 「これ・・・じいちゃんの部屋にあったやつと同じやつじゃん!なんで俺の首に・・・てかここどこだよ!見たこともない景色に俺の部屋と違う部屋ん中にいるし・・・。って、服装も全然見た事ねー。」

 辰也の着ている服は、洗濯もされていない薄汚れたボロボロのシャツにそれと同じ様なズボンを履いていた。靴もなく、素足のままわらを束ねてその上に布をいただけの即席そくせきベッドのような物に寝転がっていた。

 しかし、辰也にとってもうひとつの違和感があった。サラマンドラの姿がどこにもないということだ。

 「あいつ、どこいったんだ?元の世界に戻りたいのに・・・。あいついねーとどうしたらいいのかも分からねーじゃんかよ!」

 辰也が誰もいない部屋で独り言を呟いていた。そんな時、別の部屋だろうか?若い目の女性の声で見知らぬ人物の名前を呼ぶ声がする。

 「フレイア!いつまで寝てるの?」

 その声が徐々に近くなる。足音が辰也の部屋の木で出来た扉の前で止まった。そして、扉が開き辰也の目の前に現れたのは、透き通るような真っ白な肌に、腰まで伸びたストレートの薄茶色をした長い髪に、吸い込まれるような淡い緑色の綺麗な瞳をした20代前半位の女性だった。

 その女性が辰也を見るなり言った。

 「あんた、また服を台無しにして!もう何着目?それに、いつまでそんなベッドで寝てるのよ!」

 状況が理解出来ず辰也が黙っていると「聞いてるの!?」と女性が尋ねてきた。

 「誰ですか?」

 その問いかけに、今まで怒りをあらわにしていた女性の態度が急変する。

 「あんた・・・どうしたの?頭ぶつけた?熱でもあるの?あ~、どうしよ~。昨日ちゃんとおねーちゃんが止めるべきだったわ・・・。こんなおねーちゃんのことを許して・・・。」

 そう言いながら涙を流す女性。

 「あの、顔を上げてください。」

 その言葉に反応し、涙を流しながら頭をあげる女性。辰也は、自身の現状を説明した。

 「あの、信じて貰えないかもしれませんが・・・。俺はあなたの知るフレイアという少年とは違います。見た目はそうかもしれませんが、俺は別の世界から来たんです。」

 突拍子のない言葉に黙り込む女性。辰也は、信じて貰えないかと思い現状をどうするか考えていると、女性はニッコリととても可愛い笑顔で辰也に笑いかける。

 「そっかー、良かったよ~フレイアに何かあったのかと思っちゃった!」

 そのセリフに辰也がすかさず言い返す。

 「ま、待ってください!フレイアさんは既に俺という別の人格が入ってますから何かあったといえばあって・・・」

 辰也は自分で言いながら混乱していた。しかし、そんな様子をみた女性が辰也に言った。

 「フレイアがどんな人格だろうと関係ないことよ?だって、私にとってはフレイアだもの。中身でも外見でもないのよ?その人の人格や見た目なんてただのその人を形作る器でしかないのよ・・・。大切なのは、その人をどれだけ大切に思っているかってこと。私にとってはも大切なの家族の1人よ?」

 女性は、辰也に笑顔を見せて話した。その笑顔はとても眩しく、辰也は心の底から「いい人だ・・・」と思っていた。すると、今度は女性の方が話し始めた。

 「そうだ!あなたまだ自分のことも私のことも知らないわよね?」

 辰也は視線を逸らした。その姿を見て女性が話を続けた。

 「じゃー、私が教えてあげる!まずは、私の名前はルーナ!ルーナ・アルベールよ!アルベールは私たちの苗字ね。」

 そういうと、ルーナは昨日さくじつのことを話し始めた。

 「昨日きのうのことなんだけれど、突然その首飾りが紅く光出したの・・・。それであなたは1人で家から飛び出して、今あなたの窓から見える森があるでしょ?あそこに入っていったの。そしたら突然うめき声が聞こえたと思ったら、ドラゴンの形をした炎が吹き出して来たの・・・。それで、帰ってきたあなたの服はそんな風になってしまったのね・・・。」

 その話を聞いて辰也が1つの事実を確信した。

 「俺は、おとぎ話の世界に来てしまったんだ・・・。そして、その物語の内の1人であるドラゴンを従えていた人に転生したんだ・・・。俺は、紅き炎のドラゴンを従えていたんだ・・・。」

 ルーナが首を傾げて尋ねた。

 「どういうことなの?」

 辰也が物語について話し始める。
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