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三ノ巻
勾玉と龍
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「俺たちの世界では、ある一つの文献があるのです。その文献にはこう記されていました。」
そう言うと、辰也が物語について話し始めました。
龍、それは古の時代に生きた伝説の生き物・・・
太古の時より、人間と龍は共存し、その力用いて災厄を祓わんとし、その力認めし物にだけ龍の能力を与える。
しかし、人の業によりその力、悪しき者の手により私利私欲の為に使わんとし、世界を滅亡の危機に追いやらん。
龍等は自らを勾玉に封じ、この世界の各地に自らを封じた。
それにより、力を無くした人間は人により討ち取られん。
その姿見兼ねて勾玉の力を封印する。自らを永遠に眠らせることによって・・・。
善の心持つ者現れるまで、彼らは永き眠りについたのだった・・・。
「これが、俺たちの世界に伝わる伝承です。つまり、この勾玉が光ったのは恐らく、俺たちの住む世界で俺とこいつが出会ってしまったことが原因だと思います。こいつは、俺に何かを伝えたかったのかもしれない・・・。」
その話をルーナは真剣な眼差しで聞いていた。
「その伝承には少し誤りがあるわね・・・。自らを封じ込めたのではなく、その力を利用するために人間が封じたのよ。私たちは、その勾玉を護るために2人でここに住んでいるの。」
明かされる真実に驚きを隠すことの出来ない辰也。
「そんな・・・それじゃあ俺たちはずっと嘘の伝承を聞かされていたのか?」
ルーナは何も言わず黙って頷いた。
「そういう事になるわね。龍達は既に力を無くし、人間たちの兵器として利用されようとしているわ。」
しかし、辰也はルーナに対して何か面影を感じていた。どこか懐かしい雰囲気に見とれて言葉を失ってしまっていた。
「聞いてるの?フレイア?」
ルーナの呼び掛けに我に返った辰也。その時、どこからか謎の声が聞こえてきた。
「全くお前は、本当に人の話を聞かんやつだな・・・。」
声の主はサラマンドラであった。
「お前のその体の主はもう少し利口だったと思うがな?」
辰也の中に眠っている何かが「ドクン」と鼓動し始めた。その瞬間、辰也の雰囲気が変わった。
「やぁ、サラマンドラ。俺の身体に何したの?やめてくれないか?最近ねーさんの様子もおかしいし・・・。一体何を企んでいる?」
突如辰也の主である身体の主に人格が変わり、サラマンドラと対話を始めた。フレイアがサラマンドラをギロリと睨んだ。
「おー、こえーこえー。全くお前は荒々しく、熱い男だな!」
サラマンドラが身体の周りに炎をまとい激しく威嚇する。
「だが、お前とこうして言い合いをするために声をかけた訳じゃねぇんだ。フレイア、お前は薄々わかってるとは思うが言っておかないといけねぇことがある。」
先程とは変わり冷静な表情で話し始めた。
「お前も知っての通り俺は今本来の力を出せずにいる。今までお前とは幾度となくこの空間で語り合ってきたが、お前の姉貴を変えたのは俺であって俺ではない。あいつが望んでこうなったんだ。」
その言葉にピクリと反応するフレイア。
「まさか、ねーさんも・・・。そうか、それなら俺も時期がくるまでは眠りにつくことにするよ。」
何かを悟ったように静まり返る。その姿を見てサラマンドラが言った。
「まだ寝るには早いがな。お前の身体ん中にいるもう1つの人格は想像以上にアホだ。お前がこうして目覚めたのもなにか理由があっての事かもしれねー。恐らく勾玉を持つ者の人格は完全には封じきれんらしい。」
サラマンドラが真剣な眼差しでフレイアに言った。
「頼む。こいつをサポートしてやってくれ。こいつなら俺の力を引き出すことが出来る。この世界の希望になるかもしれねー。」
サラマンドラの言葉に小さく頷くフレイア。サラマンドラが歯をむき出しにして笑った。
「恐らく俺とお前が対話できるのはこの空間にいる時だけみたいだな。」
フレイアがひとつ疑問に思っている事をサラマンドラに質問する。
「この空間はなんなんだ?」
サラマンドラが答える。
「この空間は、俺とお前自身の精神の間の世界。言わば勾玉を通して創り出された世界と言っても過言じゃねぇ。この空間の中じゃお互いに暴力的行動は禁じられてるみてぇーだな。精神世界の狭間の世界だからこそどちらにも属さないお前ともこうして話ができるって訳だ。」
サラマンドラの説明に「なるほど」と少しニヤけるフレイア。
「そろそろ時間みてーだな。それじゃ、こいつのことは任せるぞ。」
サラマンドラが話終えると、当たりが急に眩しい光に包まれる。
「え?あれ?元の場所に戻ってる!?え?どういうことだ?」
辰也が混乱していると、ルーナが不思議そうな顔で尋ねる。
「どうしたの?そんなに慌てて。それに、元の場所って・・・数十秒しか経ってないのに別の場所になんて行けないでしょ?あんた寝ぼけてんじゃないの?」
そう言うとルーナがため息をついた。
そう言うと、辰也が物語について話し始めました。
龍、それは古の時代に生きた伝説の生き物・・・
太古の時より、人間と龍は共存し、その力用いて災厄を祓わんとし、その力認めし物にだけ龍の能力を与える。
しかし、人の業によりその力、悪しき者の手により私利私欲の為に使わんとし、世界を滅亡の危機に追いやらん。
龍等は自らを勾玉に封じ、この世界の各地に自らを封じた。
それにより、力を無くした人間は人により討ち取られん。
その姿見兼ねて勾玉の力を封印する。自らを永遠に眠らせることによって・・・。
善の心持つ者現れるまで、彼らは永き眠りについたのだった・・・。
「これが、俺たちの世界に伝わる伝承です。つまり、この勾玉が光ったのは恐らく、俺たちの住む世界で俺とこいつが出会ってしまったことが原因だと思います。こいつは、俺に何かを伝えたかったのかもしれない・・・。」
その話をルーナは真剣な眼差しで聞いていた。
「その伝承には少し誤りがあるわね・・・。自らを封じ込めたのではなく、その力を利用するために人間が封じたのよ。私たちは、その勾玉を護るために2人でここに住んでいるの。」
明かされる真実に驚きを隠すことの出来ない辰也。
「そんな・・・それじゃあ俺たちはずっと嘘の伝承を聞かされていたのか?」
ルーナは何も言わず黙って頷いた。
「そういう事になるわね。龍達は既に力を無くし、人間たちの兵器として利用されようとしているわ。」
しかし、辰也はルーナに対して何か面影を感じていた。どこか懐かしい雰囲気に見とれて言葉を失ってしまっていた。
「聞いてるの?フレイア?」
ルーナの呼び掛けに我に返った辰也。その時、どこからか謎の声が聞こえてきた。
「全くお前は、本当に人の話を聞かんやつだな・・・。」
声の主はサラマンドラであった。
「お前のその体の主はもう少し利口だったと思うがな?」
辰也の中に眠っている何かが「ドクン」と鼓動し始めた。その瞬間、辰也の雰囲気が変わった。
「やぁ、サラマンドラ。俺の身体に何したの?やめてくれないか?最近ねーさんの様子もおかしいし・・・。一体何を企んでいる?」
突如辰也の主である身体の主に人格が変わり、サラマンドラと対話を始めた。フレイアがサラマンドラをギロリと睨んだ。
「おー、こえーこえー。全くお前は荒々しく、熱い男だな!」
サラマンドラが身体の周りに炎をまとい激しく威嚇する。
「だが、お前とこうして言い合いをするために声をかけた訳じゃねぇんだ。フレイア、お前は薄々わかってるとは思うが言っておかないといけねぇことがある。」
先程とは変わり冷静な表情で話し始めた。
「お前も知っての通り俺は今本来の力を出せずにいる。今までお前とは幾度となくこの空間で語り合ってきたが、お前の姉貴を変えたのは俺であって俺ではない。あいつが望んでこうなったんだ。」
その言葉にピクリと反応するフレイア。
「まさか、ねーさんも・・・。そうか、それなら俺も時期がくるまでは眠りにつくことにするよ。」
何かを悟ったように静まり返る。その姿を見てサラマンドラが言った。
「まだ寝るには早いがな。お前の身体ん中にいるもう1つの人格は想像以上にアホだ。お前がこうして目覚めたのもなにか理由があっての事かもしれねー。恐らく勾玉を持つ者の人格は完全には封じきれんらしい。」
サラマンドラが真剣な眼差しでフレイアに言った。
「頼む。こいつをサポートしてやってくれ。こいつなら俺の力を引き出すことが出来る。この世界の希望になるかもしれねー。」
サラマンドラの言葉に小さく頷くフレイア。サラマンドラが歯をむき出しにして笑った。
「恐らく俺とお前が対話できるのはこの空間にいる時だけみたいだな。」
フレイアがひとつ疑問に思っている事をサラマンドラに質問する。
「この空間はなんなんだ?」
サラマンドラが答える。
「この空間は、俺とお前自身の精神の間の世界。言わば勾玉を通して創り出された世界と言っても過言じゃねぇ。この空間の中じゃお互いに暴力的行動は禁じられてるみてぇーだな。精神世界の狭間の世界だからこそどちらにも属さないお前ともこうして話ができるって訳だ。」
サラマンドラの説明に「なるほど」と少しニヤけるフレイア。
「そろそろ時間みてーだな。それじゃ、こいつのことは任せるぞ。」
サラマンドラが話終えると、当たりが急に眩しい光に包まれる。
「え?あれ?元の場所に戻ってる!?え?どういうことだ?」
辰也が混乱していると、ルーナが不思議そうな顔で尋ねる。
「どうしたの?そんなに慌てて。それに、元の場所って・・・数十秒しか経ってないのに別の場所になんて行けないでしょ?あんた寝ぼけてんじゃないの?」
そう言うとルーナがため息をついた。
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