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第仇章
太陽神
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「私の名前はアマテラス。私がなぜ太陽神の座につくことができたのか、その真実を本日はお話致します。」
これは私が最高神となったゼウスと再会してからの物語です。
私の前には、もちろん先代の太陽神がおりました。その太陽神の名は・・・。プロメテウス。
なぜ、私が神の座に就くこととなったのか・・・。その経緯についてはお話致します。
私は、本来であれば神就任などできる立場ではありませんでした。私は、神としてはまだまだ未熟で、固有の能力にすら開花しておらず、神としての才能にも恵まれておりませんでした。
ですが、私と幼い時より共に過ごしてきたゼウスが最高神となり、驚きと悔しさが入り交じった感情が心を満たしました。私はその時初めてゼウスの才能に嫉妬を覚えたのです。ですが、私の気持ちになど目もくれず、ゼウスは言ったのです。
「アマテラス、もし神の座に就けるならその座に就きたいと思うか?」
私はその言葉に迷いなどありませんでした。
「それはもちろん就きたい!私はそのために頑張ってきたもの!」
その言葉にゼウスは「わかった」と一言だけ言い残しその場を去りました。
その言葉が、まさかあの事件の引き金になるなんて・・・。その時は思いもしませんでした。
翌日、ゼウスが私を尋ねて来ました。
「太陽神になれるならなりたいと思うか?」
私はその時はどういう意味なのか理解できませんでした。なぜなら、既にその席にはプロメテウス様がおられ、その時の私には力もなく、とてもではありませんがその座を納めるには明らかに不足要素が多かったのです。
それでもゼウスは引くどころか私に・・・。
「もう一度問う。最高神としてアマテラスお前に問う。本心で応えよ、我が前で偽りを告げることは何人も許さぬ。それが例え若き日を共にした者だとしても。我が領域に真実を、偽る者に裁きを、我の声に従い顕現せよ。裁きの領域。この領域の中では偽りを見抜き裁きを下す。」
(お前のことは俺が1番知っている。こうでもしなければ真実を言わないだろう・・・。俺は本心でアマテラスの言葉が聞きたいんだ・・・。)
「よく考えるのだ。」
私はその時、ゼウスが何故そこまでして私に真実を求めたのか分かりませんでした。本来であれば裁きの領域を使わずとも良いところで最高神としての能力を使ったのか・・・。しかしその能力の恐ろしさを知っていた私には応えざるを得ませんでした・・・。
「わ・・・私は、なりたいです。神の座に就くことができるなら、例え力及ばずともその座を引きずり下ろしてでも私は神になりたい!」
今でも覚えています。あの時のゼウスの笑顔を・・・。薄くニヤリと笑う笑顔の裏に見えた魔とも取れる邪悪な笑顔を・・・。
「ありがとう、アマテラス。どうやら本心であったようだな。」
そういうと、ゼウスはその場を立ち去りました。
私は、あの言葉の真意も分からぬままただ呆然とその場に立ちすくむことしか出来ませんでした。ゼウスの能力を恐れた訳ではなく、変わり果ててしまった彼の姿に、ただ呆然と立ちすくむことしかできなかったのです。
その時私は全てを悟りました。もう、数十年前の彼では無いのだと言うこと。それと同時に胸騒ぎもしていました。
ゼウスが何かとんでもない改革をするのではないかと・・・。
数日の時が経ち、エデンガーデンにて会議が行われました。選別会議です。
その会議では、今後の役職についての議題であり、どの席を入れ替えるかという話でした。
200年に1度行われるこの会議では神の入れ替えを行う重大な会議であり、一日のうちに終わる議題ではありませんでした。そのため、本日の会議は打ち切りとし再度日を改めて行われることとなりました。
1度話し合いで決まらなかった議題については持ち越しとし、数週間の後改めて選別会議を行います。その間は見張りがおらず、無防備な状態と言えるでしょう。
しかし、そんな中不穏な動きを見せるものがおりました。
それが、最高神ゼウスです。
ゼウスは、太陽神であるプロメテウス様を別室に呼び出し、相談を持ちかけました。
「プロメテウスよ、その座を空ける気はないか?お主の働きには感謝しておる。しかしながら、永きときを神として過ごし現役の頃より力も体力も衰えた現在世代交代のときではないだろうか?」
あろうことかゼウスは個別でプロメテウス様を呼び出し、直談判の手段に出たのです。しかしながら、その座から降りるつもりは無いプロメテウス様はゼウスに反抗の意志を見せます。
「ほっほっほ、確かに儂は現役の頃より力も体力も衰えておる。じゃがの、儂には儂の責務もあるのじゃよ。もし儂がその座から退いたら誰が代わりを務めるというのじゃ?」
その問いに対してゼウスが答えます。
「後釜はちゃんと考えておる。アマテラスをプロメテウスが退いた後の太陽神に任命しようと思っておる。」
その答えに対してプロメテウス様は少しひきつった表情で答えました。
「ほっほっほ、面白いことをおっしゃりますな。あの様なひよっこではまだまだ太陽神は荷が重たいでしょう?それならば儂がその座に就き、太陽を守護してゆかねば近郊が崩れますぞ?」
「その程度で崩れる近郊ならばなくても良い。仮に崩れようとも我の能力をもってすれば1つの乱れなど容易に安定させることができる。」
その挑発的な言動に、プロメテウス様がついに怒りを顕にしました。
「図に乗るなよ若僧が、この儂を誰と心得える?貴様より遥昔よりこの座に着き太陽を守護してきた身じゃぞ?現役ほどの力はなくとも貴様を消し炭にするだけの力はまだ残っておるわ。」
そう言うと全身から何千、何万の高熱を帯びた炎がその身をまとうオーラのように溢れ出てきました。
「やはり実力行使しかないようだな・・・。」
ゼウスとプロメテウス様の戦いが始まろうとしていました。
これは私が最高神となったゼウスと再会してからの物語です。
私の前には、もちろん先代の太陽神がおりました。その太陽神の名は・・・。プロメテウス。
なぜ、私が神の座に就くこととなったのか・・・。その経緯についてはお話致します。
私は、本来であれば神就任などできる立場ではありませんでした。私は、神としてはまだまだ未熟で、固有の能力にすら開花しておらず、神としての才能にも恵まれておりませんでした。
ですが、私と幼い時より共に過ごしてきたゼウスが最高神となり、驚きと悔しさが入り交じった感情が心を満たしました。私はその時初めてゼウスの才能に嫉妬を覚えたのです。ですが、私の気持ちになど目もくれず、ゼウスは言ったのです。
「アマテラス、もし神の座に就けるならその座に就きたいと思うか?」
私はその言葉に迷いなどありませんでした。
「それはもちろん就きたい!私はそのために頑張ってきたもの!」
その言葉にゼウスは「わかった」と一言だけ言い残しその場を去りました。
その言葉が、まさかあの事件の引き金になるなんて・・・。その時は思いもしませんでした。
翌日、ゼウスが私を尋ねて来ました。
「太陽神になれるならなりたいと思うか?」
私はその時はどういう意味なのか理解できませんでした。なぜなら、既にその席にはプロメテウス様がおられ、その時の私には力もなく、とてもではありませんがその座を納めるには明らかに不足要素が多かったのです。
それでもゼウスは引くどころか私に・・・。
「もう一度問う。最高神としてアマテラスお前に問う。本心で応えよ、我が前で偽りを告げることは何人も許さぬ。それが例え若き日を共にした者だとしても。我が領域に真実を、偽る者に裁きを、我の声に従い顕現せよ。裁きの領域。この領域の中では偽りを見抜き裁きを下す。」
(お前のことは俺が1番知っている。こうでもしなければ真実を言わないだろう・・・。俺は本心でアマテラスの言葉が聞きたいんだ・・・。)
「よく考えるのだ。」
私はその時、ゼウスが何故そこまでして私に真実を求めたのか分かりませんでした。本来であれば裁きの領域を使わずとも良いところで最高神としての能力を使ったのか・・・。しかしその能力の恐ろしさを知っていた私には応えざるを得ませんでした・・・。
「わ・・・私は、なりたいです。神の座に就くことができるなら、例え力及ばずともその座を引きずり下ろしてでも私は神になりたい!」
今でも覚えています。あの時のゼウスの笑顔を・・・。薄くニヤリと笑う笑顔の裏に見えた魔とも取れる邪悪な笑顔を・・・。
「ありがとう、アマテラス。どうやら本心であったようだな。」
そういうと、ゼウスはその場を立ち去りました。
私は、あの言葉の真意も分からぬままただ呆然とその場に立ちすくむことしか出来ませんでした。ゼウスの能力を恐れた訳ではなく、変わり果ててしまった彼の姿に、ただ呆然と立ちすくむことしかできなかったのです。
その時私は全てを悟りました。もう、数十年前の彼では無いのだと言うこと。それと同時に胸騒ぎもしていました。
ゼウスが何かとんでもない改革をするのではないかと・・・。
数日の時が経ち、エデンガーデンにて会議が行われました。選別会議です。
その会議では、今後の役職についての議題であり、どの席を入れ替えるかという話でした。
200年に1度行われるこの会議では神の入れ替えを行う重大な会議であり、一日のうちに終わる議題ではありませんでした。そのため、本日の会議は打ち切りとし再度日を改めて行われることとなりました。
1度話し合いで決まらなかった議題については持ち越しとし、数週間の後改めて選別会議を行います。その間は見張りがおらず、無防備な状態と言えるでしょう。
しかし、そんな中不穏な動きを見せるものがおりました。
それが、最高神ゼウスです。
ゼウスは、太陽神であるプロメテウス様を別室に呼び出し、相談を持ちかけました。
「プロメテウスよ、その座を空ける気はないか?お主の働きには感謝しておる。しかしながら、永きときを神として過ごし現役の頃より力も体力も衰えた現在世代交代のときではないだろうか?」
あろうことかゼウスは個別でプロメテウス様を呼び出し、直談判の手段に出たのです。しかしながら、その座から降りるつもりは無いプロメテウス様はゼウスに反抗の意志を見せます。
「ほっほっほ、確かに儂は現役の頃より力も体力も衰えておる。じゃがの、儂には儂の責務もあるのじゃよ。もし儂がその座から退いたら誰が代わりを務めるというのじゃ?」
その問いに対してゼウスが答えます。
「後釜はちゃんと考えておる。アマテラスをプロメテウスが退いた後の太陽神に任命しようと思っておる。」
その答えに対してプロメテウス様は少しひきつった表情で答えました。
「ほっほっほ、面白いことをおっしゃりますな。あの様なひよっこではまだまだ太陽神は荷が重たいでしょう?それならば儂がその座に就き、太陽を守護してゆかねば近郊が崩れますぞ?」
「その程度で崩れる近郊ならばなくても良い。仮に崩れようとも我の能力をもってすれば1つの乱れなど容易に安定させることができる。」
その挑発的な言動に、プロメテウス様がついに怒りを顕にしました。
「図に乗るなよ若僧が、この儂を誰と心得える?貴様より遥昔よりこの座に着き太陽を守護してきた身じゃぞ?現役ほどの力はなくとも貴様を消し炭にするだけの力はまだ残っておるわ。」
そう言うと全身から何千、何万の高熱を帯びた炎がその身をまとうオーラのように溢れ出てきました。
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ゼウスとプロメテウス様の戦いが始まろうとしていました。
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