市霊狩り

美味しい肉まん

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 廃工場について車を降りて、霊気を漂わせながら歩き出す。気配は感じないな……流石に一度祓われた場所だ、暫くは近付けないだろう。なるべくオッサン達が、着いてこれる道を暫く歩く。このパンプスって本当に歩きにくい! 靴擦れ出来そう。
 本町のシャッター街へと向かう、少し歩いていると淫香が漂って来た。幽鬼か、誘っているのが丸わかりだよ。普通の女じゃ誘われるだろうけど……少し躊躇したが自ら淫香を吸い込む、慎重に吸い込む。目の前が眩んで行くのと同時に身体が熱く火照りだす。これぐらいで良いだろう、自分の意識をしっかりと保つ。
 暗闇に吸い込まれていく、下腹部が熱く疼く。その時、アタシは忘れていた。幽鬼が一体では無い事に……


◇ ◇ ◇

 目の前からマキが消えた。どうやら喰い付いたらしい。
「鷲尾さん行きます!」
「まて京子ちゃん! 別の所にも同じ気配がある!」
「何ですって!?」
「畜生! 最悪だ!! どうする? マキをさっさと助けて行くか!?」
「別の場所はどこ!?」
「この先の児童公園の辺りだ」
「鷲尾さん一人で行けますか?」
そう聞きながらマキの鞄と槍を背負う
「別行動は危険じゃねぇか? 罠かもしれねぇ」
「でしょうね、でも鷲尾さん刑事でしょ強姦現場に刑事がいても不思議じゃないでしょう?」
「私はマキを追います! 荷物持っていきますよ」
「おい! 二人とも餌になるなよ」
そう言い残し鷲尾さんはアクセル全開で向かって行った。
 私は霊気を抑えつつ、マキの消えた場所に向かう。妙な香りがする、誘うような甘い香りだ。幽鬼が出しているのだろう。身体中を霊気で覆い自らを守る。
恐らくマキは、さっきの香りを自ら吸って誘われたのだろう。追いかけるように暗闇の奥へと進む。

◆ ◆ ◆

 引き寄せられていく間にも、どんどん切なくなってくる。幽鬼が一体向かってくる、でも武器がない惚け始めた頭で考える。まだだ淫香を跳ね除ける余力は充分にある。
 幽鬼の姿が成人男性よりも一回り大きい姿になる。完全に人間の姿だ。いつもは陽炎の様に形態が安定していないのに何で?ゆっくりと近づいて来る。
 体を羽交い締めにされ、奥へと連れて行かれる。もう二体いる全部で三体か、厄介だな……突然口を塞がれ直接淫香を流し込んでくる。官能的な気持ちが昂る。小さな胸を揉まれ小さな喘ぎ声が漏れる。揉まれながら服を脱がされ先端を吸われる、はっきりと声にだして喘ぐ。快楽に流されそうになる。このままじゃ駄目だ……タイトスカートは捲し上げられ、ストッキングとショーツを破かれ茂みが露わになる既に濡れていた。
 元々何かの教室だったのだろう。壁面には大きな鏡がある。そこには自分の裸体が写っている、目を背ける。屈辱だ、こんな奴ら何かに流されるか! 幽鬼がアタシの姿を見て怒張させている。生臭い性の匂いがする。生臭い? おかしい、目の前に突き出されるそれは明らかに男のそれだ。思考の間にもアタシの弱い所を執拗に攻めたてる。
 コイツらが引き千切った理由……人型……って……まさか!

◇ ◇ ◇

 暗闇の奥へと進むに連れて鼓動が早くなる。歩き方は慎重に足を進める幽鬼が待っている。そのことを考えると不安が走るマキを救わないと……
 奥からマキの聞いたことのない甘く切なく喘ぎ声が聴こえてくる。鼓動が跳ね上がる、其処へ向かわなくては!
 部屋が見えてきた。マキが鏡の前で脚を広げられ嬲られて喘ぎ声を上げている。物陰に隠れながら気配と霊気を抑えながら近付く。まだそこまで至っていない様子だ。
 私は、思念をマキに送る……届かない? そんな!?
 マキは懸命に快楽に抗っているが、甘い吐息が混じりすでに何度か達しているのだろう。猶予がないマキの貞操は私が護る。真三角剣を取り出し飛び出す。
「ふっ!!」
 マキの声が聞こえるが、刀身に光を宿らせ向かって行く。幽鬼の一体が気付き、体当たりを仕掛けてくるが。三角剣を操り目の前に三角結界を張り弾き飛ばし切り捨てる。
「さぁマキを解放してもらおうかしら?」
 剣を突きつける
 「ばかっ! 上!!」
突然上から影が突進して来た、間一髪で避けるが。上半身の服が剥ぎ取られ乳房がこぼれ落ちる。慌てて隠そうとしたのがいけなかった。その隙に身体を拘束され、壁に叩き付けられた。
 髪を引っ張りマキの前まで引きずられていく。綺麗にまとめた髪が乱れる。
マキの表情は良く見えない。ごめんなさいマキ私じゃ……絶望感に打ちひしがれていた。
 幽鬼がマキの秘部に身体を覆っていく。やめて……お願い……マキは私の……
怒張したそれを潜り込ませ挿入しかけた瞬間。
マキの秘部から光があふれ幽鬼を消し飛ばした。

◆ ◆ ◆
 
 私を幽鬼が嬲り始めた。抗えない快感に酔いしれそうになる。キョーコにも聞かれたことの無いような甘い喘ぎ声が漏れる。ねだるように胸を腰をふる。
 鏡を見てみるとキョーコの姿が見えた。気持ちを奮い立たせる。キョーコだけには見られたくない。アタシの処女を捧げる相手はもう決めている。決して幽鬼などにくれてやるつもりはない。
 キョーコからの思念を感じるが、幽鬼が感知するとも限らない。キョーコからの思念をそのまま無視する。
 真三角剣の刀身を光らせながら突っ込んでくる、アタシを嬲っていた一体が迎え撃つ様に突進していくが。キョーコに切り捨てられた。剣を幽鬼に向けて
「さあマキを解放してもらおうかしら?」
幽鬼は全部で三体いた筈だ天井に気配を感じる。
「ばかっ! 上!!」
 頭上から襲いかかりキョーコは間一髪躱しているが、シャツとブラを切り裂かれて乳房がこぼれ落ちる、それを隠そうとしたところを取り押さえられて。髪を引っ張りアタシの元へと引きずられてくる、いつも綺麗にまとめた髪が乱れている。
 キョーコは取り押さえられアタシも押さえ付けられる。このままじゃ共倒れだ、脚の力を緩め広げた。幽鬼が腰を掴みゆっくりと挿入しようと狙いを定める。先端が入る直前に霊気を開放した。秘部から閃光が走り幽鬼を消滅させる。
 「キョーコ!!」
その一言で理解したのか三角剣を飛ばし、幽鬼の首元で三角結界を張り首を弾き飛ばした。
「ナイッスッ!!」
キョーコに向けて親指を立てた

 この場所にいた幽鬼共は、全て祓った。キョーコが荷物を持ってきてくれた。鞄の中から霊水を取り出して一気飲みする。疼きが消えないが仕方ない。
「あれは何をしたの?」
「知りたい? ちょっと待ってて」
荷物からお守りを全て身に纏い。抑えていた霊気を開放すると。身体を覆っていた瘴気や淫香が吹き飛ぶ、疼きも消し飛ばした。


◇ ◇ ◇

 目の前の光景に驚いていると
「キョーコ!!」
その言葉で我に返る、落ちていた三角剣を浮かび上がらせ。幽鬼の首元で三角結界を張り首を吹き飛ばす。
「ナイッスッ!」
マキは親指を立てて居たが身体がフラフラしている、慌てて鞄と槍を持ってくる。霊水を飲み干している。一体何をしたのだろう? あの状況から幽鬼を一撃で仕留め蒸発させたのは一体? 気になり訪ねた。
「あれは何をしたの?」
「知りたい? ちょっと待ってて」
マキはお守りを全て身に纏うと、霊気を放出して。私の方を向き
「キョーコだけだよ見ていいのは……」
そう言うとしゃがみ込み秘部に指を入れ
「もうちょ…あんっ……ぅふぅう……うっんっ……はっ……」
喘ぎ声を出しながら、ズルリと何かを取り出した。息を乱している
「ホラこれ」
生理用品の様なものに無数の三角が彫られている。

◆ ◆ ◆

 キョーコに見せる、目を丸くして見ている
「分かる? ようは生理用タンポン御守仕様見たいなものさ、イザって時の為にね」
「いつのまに!?」
「着替えてキョーコのレースのパンツ履く直前にね」
「じゃあそれがあれば、最後までは?」
「まぁね、アタシの初めてはもう心に決めてるんだ……幽鬼共にくれてやるつもりはない」
「でもその人はもう……どうするの?」
「死ぬ迄持ってるに決まってる!」
 何時もの服に着替える、うん動きやすい! 
ジャケットはキョーコに着せた流石に胸を露出させたままではいけない。
 さてと……槍を持ち首を跳ねられた幽鬼に近づく。キョーコも真三角剣を構える。幽鬼が消滅していないって事はそういう事だ!!胴体を槍で穿く、もがき苦しんでいる
「頭が消滅しててもまだ動けるなんてね」
丁度いいコイツで確認しよう
「キョーコ悪いんだけどさ! アタシがコイツ拘束しとくから股間を調べてくれ!」
「いやよ!!」
「大事な事何だってば!」
しぶしぶキョーコが覗き見る、返事がない
「おーいキョーコさん!!」
「コイツに普通の人間の男性器付いてない?」
「えぇっええ付いてるわね」
「じゃあそこを丸ごと切り落として!」
「私が!?」
「幽鬼共の狙いが分かって来たんだ、人間じゃないんだから。さっさと切り下ろす!」
「ひぃいいいいいいい!」
数分後、キョーコが男性器を持ってやってきた。じゃあ本体は用無しだ
「消えな!」
斬り裂き消滅した。

 表に戻る、まだ辺りは暗いオッサンが居ない。
「ねぇオッサンは?」
「忘れてた! この先の児童公園で気配を感じてそっちに……」
「ちょっとマジで!? 児童公園への道は?」
「こっちよついて来て!」

 アタシ達は児童公園へと走り出した!

 

 
 
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