市霊狩り

美味しい肉まん

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産声

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 キョーコに先導され児童公園へと急ぐ、ここまで近づけば気配を捉える。公園でオッサンが奇妙な『モノ』を押さえ付けて居るが。幽鬼が迫る!
「キョーコ!!」
「任せて!」
キョーコの三角剣が飛んでいく。オッサンを守る様に結界を張る。アタシは幽鬼に向かって槍を投げつけ穿く、そのまま槍を手にし斬り捨てる前に男根の部分を確認した。槍を抜き男根を切り抜き、本体は斬り捨てる。
「オッサン!! 大丈夫か?」
「何とかな、でもよ。幽鬼に強姦された女からコイツが産まれてきた」
「逃げようとしていたから。捕まえて居たんだが、もう一体の幽鬼迄手が回らなくてな。助かった」
「それ動くの?」
「おう、今にも逃げ出しそうだ! 手をかせ!」
「キョーコ、三角剣でピラミッド型の三角結界を作って」
頷くと直ぐに作り上げた。そこにソレを入れる切り抜いた男根も二本いれる
「私が持つの!?」
「だってキョーコしかそんな力使えないでしょう?」
露骨に嫌そうな顔をしているが、コイツどうやって調べよう?男根が二本、変な生き物が一体
「オッサンこの生き物、本当に生まれたのアソコから?」
「最初は二体だったんだが、一体がそこの女を強姦しててな。向かって行ったんだが、邪魔されてな」
「気が付いたら一体消えてやがったんだよ。オマケに幽鬼が思いの外強くてな」
「変な気配が、女から漂い始めて来たもんだからよ。もうパニックさ、其処から産まれてきてな取り敢えず捕まえて。そこからは防戦一方でな、助かったよ」
「幽鬼よ強くなってないか?」
「そこら辺アタシも、話したい事があるんだよね。これ調べて欲しいんだよ」
「おまっそれは!?」
「切り抜いた男根だよ」
男根は結界の中で脈打っていた。
「まぁ遺体解剖の知り合いがいるから、まぁ……多分は」
夜明けだ、幽鬼は夜の存在。陽の光に当てるが消滅しない、男根に纏わりついている幽鬼の一部も消滅しない。産まれたというコイツも消滅しない、やっぱり……
 女はオッサンが保護した事にしてワゴン車に乗せた。この女もおかしい、幽鬼に犯されたのに瘴気の類の反応がない。よく手を当てて身体を見る……どう言う事だろう?キョーコは苦しみ悶ていた。工場の女も悶ていた、だらしなく。嫌な予感がする……
病院につくと早速、切り抜いた男根を調べて貰う。解剖医師が驚くが万が一の為に、アタシらも向かう。脈打っているが構わず解剖してもらった。
 幽鬼の男根に纏わり付いていたモノ襲いかかるが、アタシが斬り捨てる。男根の動きが止まった。解剖をしてもらう
 結果は成人男性のおおよそ二十代のものらしい。睾丸の部分からは黒くドロリとした精液が出てきた。霊水をかけると消滅した、だいたいわかった。お礼を言い病院を後にした
、さて残るはコイツか……間違いなく幽鬼だ。人とも獣ともつかない姿だ、産まれたてだろうが斬り捨てる。何時もと感触が違うこれは……幽鬼の遺体が転がる。
「コイツら受肉してるよ。取り敢えず燃やそう、このサイズならオッサン頼む」
「燃やすって言ってもなぁ?ライターぐらいしか無いぞ」
「そこにセルフガソリンスタンドがあるじゃん、さっさと行く!」
オッサンがしぶしぶと買いに行く。

 オッサンが戻り遺体が入った一斗缶に火を入れて燃やす。特に反応も無い綺麗に燃えた、骨なども残っていない。
「ふ~んなるほどね~」
「何かわかったのかよ?」
「車で話そうか、さぁ乗って乗って!」
全員が乗り込むと推察を伝える。
「多分、幽鬼が女を犯し続けていたのは。自分を受精させて、実態を持とうとしていたんだと思う。だから徹底的に犯す」
「でも一向に受精させる事ができない。そこで男の性器を引き千切り、自分と同化させて身体の一部とした」
「その時に人型へと幽鬼の身体が固定されるんだろうね。アタシを犯そうとした幽鬼の性器から生臭くて熱を持っていたからね」
「でもよ? そんな事、幽鬼がどうやって知ったんだ?」
「誰かが吹き込んだ」
「「えっ!?」」
「幽鬼と意志を交わせる誰かがいる! オッサンこれから男の被害者も増えるよたぶんね」
「それとこれは、さっきのえ~とまあ取り敢えず淫獣と呼ぼうか」
「淫獣には肉体がある、いつもの様に戦うとオッサンは素手だから良いけど。アタシとキョーコは武器を使う」
「だから淫獣の霊体と肉体を、同時に斬り穿く様に霊気を操らないといけない」
「俺は?」
「オッサンは難しく考えないで、肉体ごと霊気を腕輪に集中して叩き潰すだけで良い」
「忘れた? 三角剣も三角槍もこれ木製だからね」
「忘れてたわ……」
「今日はもう帰ろう、アタシくたくただよ」
アパートへと走り出す。本当に誰かが幽鬼に? でもどうやって……思案している間にアパートに着いていた。
車から降りるとオッサンが
「夜警はどうする?」
「今日は少し休むよ、怪しい気配を感じたら連絡して」
「おう! ゆっくり休めよ、お前は今日頑張り過ぎたからな。じゃあな!」

 アパートに入ると同時に疲れがどっと出てきた。へたり込むとキョーコが心配そうに覗き込む
「大丈夫だよ、お風呂用意しなきゃね」
「私がするわよ、ご飯も作って用意するから休んでて」
「ありがとう」
キョーコが貸したジャケットを脱ぎ、着替えている。ヤッパリ綺麗だな……うらやま……し……


◇ ◇ ◇

 アパートに入るとマキがへたり込む。不安になり顔を覗き込む、顔色が悪い。
「大丈夫だよ、お風呂の用意しなきゃね」
私がすると伝えて、マキから借りていたジャケットを脱ぎ着替えて。朝食とお風呂の用意をする
「こんなところかな」
マキを呼ぶが返事がない、寝室を覗くと眠っていた。無理もない、あそこまで弄ばれ。そのまま戦闘をしたんだ。マキの髪を撫でる
「……し……しょ……う……」
寝言だろうか?声をかける
「起きてマキ、朝食出来たわよ!」

◆ ◆ ◆

 いつの間にか寝てしまった。夢の中で師匠の姿を見た。いつもの様にトボけた顔をしてアタシを見てる。
「時間が無いから手短にな、マキちゃん無茶をしすぎ!」
「もう少し頑張ってくれ、後眠っている女神を叩き起こせ……」
声が遠くなる、せっかく師匠に逢えたのに! 泣きながら手を伸ばす。
「師匠!」
 キョーコの声が聞こえて目が覚めた。朝食が出来たらしい、食べながら夢について話す。
「女神を叩き起こせってさ、どう言う事だろう?」
「きっとヒエ様とヤエ様の事よね……やっぱり何かあったんでしょうね、二人の女神に」
「起こせって言われてもなぁ、今はそれぞれの神の座ってところなんでしょ?」
「そこへ調査もしてみないとね」
「あ~もう頭がこんがらがる!! ちょっと風呂入ってくる!」
勢い良く湯船に浸かり考え込む
「幽鬼の存在……産まれた淫獣……裏で何者かが糸を引いてる。後は女神を起こせってか……」
「マキどうかしたの?」
どうやら無意識のうちに声に出していたらしい
「あっごめん! 今あがるよ」
代わりにキョーコが風呂へ入って行った。

 部屋の道具を漁る、三角槍を作った時に色々と作った物だ。物色する
「何かないかなぁ? 確か……おっキョーコに渡した小型三角剣より、オッサンの掌大の三角剣が七本ある」
「これキョーコ使えないかな?」
今のキョーコの霊気なら、これを操って幽鬼いや淫獣さえも倒せるかも……
「私がどうかした?」
後ろから風呂上がりのキョーコに声を掛けられた。
三角剣を取り出し説明する。
「出来るかどうかやってみるわ、今服を着るから」
早速試す、思った通り。少し時間がかかったが上手く操っている、だが七本同時までは行かなかった五本で限界らしい。
 ぐったりとアタシの胸に倒れ込む、そうだ今日は戦いの後だった。霊気も消耗している
「ごめんねキョーコ無理させて」
「これぐらい……平気よ……そんな事よりもマキは大丈夫?」
「何が?」
「幽鬼に犯されそうになって……身体が疼かないの?」
「あ~そんな事? 御守りもあったし……」
「アタシは特別でね、気を使わせた。ありがとう」
キョーコに抱きしめられ、布団に潜り込む
「今日はなしだよ!」
そう言ってキスを交わし眠りについた。


■ ■ ■

 幽鬼共に知恵を授けた。コイツラは本能でしか動かない、全く苦労した。だが上手く男根と結合出来た個体が何体かいる。自ら精液となり、子宮に入り込み受精させ淫獣として生まれ変わった個体も居る。淫獣に知性はあるのだろうか? あるのならば躾け手駒にするだけだ、ハッキングした街の監視カメラを見る。またしても邪魔な三人組が映っている、忌々しい一人は刑事、もう一人は市役所職員二人ともよく知っている。最後の女の素性が分からない、映像だけで会話は聞こえない。誰から消すか……いっそまとめて……敵は幽鬼共とは限らないのよ? ……仲良く孕み袋になって淫獣を産み、増やすのも悪くない。特に槍を持つ娘が気になる……さぁよって来なさいワタシのかわいい幽鬼立ち。そして産まれし淫獣たちよ。

「この街を一緒にクルワセましょう」
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