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看病する優しくて良い女(自称)
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話は少し戻って……
「ゲホッゲホッ! うーん……」
さっき新潟の会社に電話をして休む事を伝えた後、私達の夫になった家主は布団に潜り込んで咳き込んでいる。本人曰く、元々は喘息持ちだったそうで風邪? との合わせ技でノックアウトされた状態らしい。現在マスクとジャージの上にパーカーを着込んで布団に潜って唸っている……
「大丈夫じゃないよね健……私が付いてるから安心して!」
「やっばり……人間のからだば…………ふべん……」
「ヒエ……疲れているところ悪いけど大幡病院の……予約票……」
「まーかーせて! ついでにコンビニでスポーツドリンク買って来てあげる!」
「コンビニばたがいがら……いいよ」
「わかったわ! じゃ行ってくるわね!」
そう言ってコートを羽織りマスクをして玄関を出ると。
「うー寒い! さて大幡病院はすぐそこだったわね!」
まだ雪が降るような時期じゃないけど、寒い! さっさと予約票貰ってこよう! 曇り空の下、早歩きで大幡病院へと向かうと……近所のおじいさんやお婆さんの姿が並んでいる。ざっと15人位か、私も後ろに並ぶと少し待って……看護師が予約票を発行する機械を入口に運んで来た、順番に発行されていく『16番 10時30分』
私の引いた予約票に書かれていた内容だった。なるほどね……大体の診療時間迄教えてくれるんだ、これなら病院で待つ必要もないのね。
「良し帰ろう! 健はああ言ってたけど……時間はまだあるし……」
私はコンビニに向かいスポーツドリンクと栄養ドリンクを買って帰宅した。
「たっだいま~!」
返事は無い、それもそうか……寝込んでるんだもんね。部屋に入ると、健が起き上がろうとするが寝かせて買ってきたスポーツドリンクを差し出した。
「ありがどう……無理にかわなぐてよがったのに……」
「気にしないでいいから! さっさと飲む! 病院は10時半だってさ」
予約票を渡すと、また布団に潜り込んで行く。
「ねぇ? もしかして寒いの?」
「ぅん……」
何だろう……急に健に対する愛おしさが溢れてくる。
「ちょっと端っこに行って」
「ん」
健が移動すると一緒の布団に潜り込み抱き締める。
「風邪がうつろど悪いがら……」
「言ったでしょ……気にしないでって」
「ん……わがった……」
抱いてそのまま健を眠らせると、寝顔を見つめたままオデコを合わせる……昔はこれだけでお互いの事が通じあえたのにね……病院の時間が近付いて来たので、頬にキスして起こす。
「さぁ起きて! 病院の時間よ!」
「ぶん……ありがどう……いっでぐる……」
のっそり起き上がるとフラフラだ、こんなの見ていて不安になる!
「私も行くわよ! ほら靴履いて!」
玄関から出ると
「ほら階段! ゆっくりね……そうそう」
何時もと違う辿々しい動きに不安しかない、近くとは言え無事に病院まで行けるの? 必死に歩く健をそっと支えて歩く、こんな時車があれば……何とか病院に付くと健の代わりに受付を済ませて、順番を待つ……予約票のお陰ですぐに健が呼ばれて診察室に一緒に向かう。
……検査の結果、健は流行りのインフルエンザだった。今は点滴を受けている、看護師に
「御家族様ですか?」
と聞かれ、ここぞとばかりに
「『妻』です」
と答えた結果、今健が寝ているベッドの隣で点滴終わるのを待たせて貰っている。
ふふっ『妻』って言ってみたかったのよね! 私達の愛する人の『妻』何て良い響きだろう……ちょっとした満足感さえ感じる。
点滴が半分を過ぎた頃には少しだけ……気のせいかも知れないけど、いつも見ているから分かる、健の顔色がマシになっていた。すっかり落ち着いた寝息を立てて眠っている、これならきっと良くなるわよね!
「早く良くなってね……健……」
「奥様?」
奥様? 少し考えて……あぁ! 私の事か、さっき妻ですって答えたんだった。
「はい、何ですか?」
「待っている間に御主人のお薬を薬局で貰って来ては如何ですか? もう少し点滴のお時間はかかりますので」
「わかりました、夫の事お願いします」
遂に遂に言えた! 『夫』って健の事を! 浮かれた私に、良く分からない事が書いてある紙を渡され、受け取り病院を出て隣接している薬局へ向かい受付を済ませて椅子に座って待っている間……言った! さっき確かに私の口から言った、健の事を『夫』とごく自然に……そっか私はもう……胸が暖かくなる。
きっと初めて出会った時から……私が『呪い』の権化と化した渦中にやって来て、私を憎しみと怨念の渦の中からヤエも解放してくれた時から……私達の悪態を受けながらも必死に、最後は自分の命まですら捨てて茉希を救った人間を愛してしまった事を、受け入れる事が出来なくって正直になれなかった私が……『夫』と素直に呼べる日が来るなんてね……
薬局を後にして病院に戻ると待合室に健が待っていた。
「ほら薬よ!」
「ありがとうヒエ……後でお金渡すね」
「安心して、ヤエから貰ってるから」
「そっか、じゃあ帰ろうか……おっと」
まだ熱が健にはある筈だ、まっすぐ立てない様だ……もう! しょうがない夫だ
「ほら支えてあげるから、来た時よりは歩けるでしょう?」
「うん大丈夫……ありがとうヒエ」
「良いのよ……さっ帰って休もう?」
健は行く時よりは足取りがしっかりしてる、そんなに支えは必要無さそうだが腕にしがみついて歩く……離さないからね……
アパートに帰ると
「健! お腹空いて無くてもお昼食べてよね」
「うん……食べるよ」
「しっかり食べて薬飲んで寝るのよ!」
「あぃ……」
そう言うと台所に向かい、お粥と生姜スープを作って2人で食べ、健が薬を飲み布団に入り寝息が聞こえて来るのを確認すると、寝顔をスマホで撮影してヤエにメールを送る。
『インフルエンザだってさ!』
これでよ~し、健……今温めてあげるね! 一緒の布団で抱き締めて少し寝るだけのつもりがガッツリ寝てしまい…………
「ゲホッゲホッ! うーん……」
さっき新潟の会社に電話をして休む事を伝えた後、私達の夫になった家主は布団に潜り込んで咳き込んでいる。本人曰く、元々は喘息持ちだったそうで風邪? との合わせ技でノックアウトされた状態らしい。現在マスクとジャージの上にパーカーを着込んで布団に潜って唸っている……
「大丈夫じゃないよね健……私が付いてるから安心して!」
「やっばり……人間のからだば…………ふべん……」
「ヒエ……疲れているところ悪いけど大幡病院の……予約票……」
「まーかーせて! ついでにコンビニでスポーツドリンク買って来てあげる!」
「コンビニばたがいがら……いいよ」
「わかったわ! じゃ行ってくるわね!」
そう言ってコートを羽織りマスクをして玄関を出ると。
「うー寒い! さて大幡病院はすぐそこだったわね!」
まだ雪が降るような時期じゃないけど、寒い! さっさと予約票貰ってこよう! 曇り空の下、早歩きで大幡病院へと向かうと……近所のおじいさんやお婆さんの姿が並んでいる。ざっと15人位か、私も後ろに並ぶと少し待って……看護師が予約票を発行する機械を入口に運んで来た、順番に発行されていく『16番 10時30分』
私の引いた予約票に書かれていた内容だった。なるほどね……大体の診療時間迄教えてくれるんだ、これなら病院で待つ必要もないのね。
「良し帰ろう! 健はああ言ってたけど……時間はまだあるし……」
私はコンビニに向かいスポーツドリンクと栄養ドリンクを買って帰宅した。
「たっだいま~!」
返事は無い、それもそうか……寝込んでるんだもんね。部屋に入ると、健が起き上がろうとするが寝かせて買ってきたスポーツドリンクを差し出した。
「ありがどう……無理にかわなぐてよがったのに……」
「気にしないでいいから! さっさと飲む! 病院は10時半だってさ」
予約票を渡すと、また布団に潜り込んで行く。
「ねぇ? もしかして寒いの?」
「ぅん……」
何だろう……急に健に対する愛おしさが溢れてくる。
「ちょっと端っこに行って」
「ん」
健が移動すると一緒の布団に潜り込み抱き締める。
「風邪がうつろど悪いがら……」
「言ったでしょ……気にしないでって」
「ん……わがった……」
抱いてそのまま健を眠らせると、寝顔を見つめたままオデコを合わせる……昔はこれだけでお互いの事が通じあえたのにね……病院の時間が近付いて来たので、頬にキスして起こす。
「さぁ起きて! 病院の時間よ!」
「ぶん……ありがどう……いっでぐる……」
のっそり起き上がるとフラフラだ、こんなの見ていて不安になる!
「私も行くわよ! ほら靴履いて!」
玄関から出ると
「ほら階段! ゆっくりね……そうそう」
何時もと違う辿々しい動きに不安しかない、近くとは言え無事に病院まで行けるの? 必死に歩く健をそっと支えて歩く、こんな時車があれば……何とか病院に付くと健の代わりに受付を済ませて、順番を待つ……予約票のお陰ですぐに健が呼ばれて診察室に一緒に向かう。
……検査の結果、健は流行りのインフルエンザだった。今は点滴を受けている、看護師に
「御家族様ですか?」
と聞かれ、ここぞとばかりに
「『妻』です」
と答えた結果、今健が寝ているベッドの隣で点滴終わるのを待たせて貰っている。
ふふっ『妻』って言ってみたかったのよね! 私達の愛する人の『妻』何て良い響きだろう……ちょっとした満足感さえ感じる。
点滴が半分を過ぎた頃には少しだけ……気のせいかも知れないけど、いつも見ているから分かる、健の顔色がマシになっていた。すっかり落ち着いた寝息を立てて眠っている、これならきっと良くなるわよね!
「早く良くなってね……健……」
「奥様?」
奥様? 少し考えて……あぁ! 私の事か、さっき妻ですって答えたんだった。
「はい、何ですか?」
「待っている間に御主人のお薬を薬局で貰って来ては如何ですか? もう少し点滴のお時間はかかりますので」
「わかりました、夫の事お願いします」
遂に遂に言えた! 『夫』って健の事を! 浮かれた私に、良く分からない事が書いてある紙を渡され、受け取り病院を出て隣接している薬局へ向かい受付を済ませて椅子に座って待っている間……言った! さっき確かに私の口から言った、健の事を『夫』とごく自然に……そっか私はもう……胸が暖かくなる。
きっと初めて出会った時から……私が『呪い』の権化と化した渦中にやって来て、私を憎しみと怨念の渦の中からヤエも解放してくれた時から……私達の悪態を受けながらも必死に、最後は自分の命まですら捨てて茉希を救った人間を愛してしまった事を、受け入れる事が出来なくって正直になれなかった私が……『夫』と素直に呼べる日が来るなんてね……
薬局を後にして病院に戻ると待合室に健が待っていた。
「ほら薬よ!」
「ありがとうヒエ……後でお金渡すね」
「安心して、ヤエから貰ってるから」
「そっか、じゃあ帰ろうか……おっと」
まだ熱が健にはある筈だ、まっすぐ立てない様だ……もう! しょうがない夫だ
「ほら支えてあげるから、来た時よりは歩けるでしょう?」
「うん大丈夫……ありがとうヒエ」
「良いのよ……さっ帰って休もう?」
健は行く時よりは足取りがしっかりしてる、そんなに支えは必要無さそうだが腕にしがみついて歩く……離さないからね……
アパートに帰ると
「健! お腹空いて無くてもお昼食べてよね」
「うん……食べるよ」
「しっかり食べて薬飲んで寝るのよ!」
「あぃ……」
そう言うと台所に向かい、お粥と生姜スープを作って2人で食べ、健が薬を飲み布団に入り寝息が聞こえて来るのを確認すると、寝顔をスマホで撮影してヤエにメールを送る。
『インフルエンザだってさ!』
これでよ~し、健……今温めてあげるね! 一緒の布団で抱き締めて少し寝るだけのつもりがガッツリ寝てしまい…………
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