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天界決戦編
Road to dawn 消えた時
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ヒエが飛び出すとアパートが俺を喰らうように崩壊した。押し潰されないように荷物と自分を神気で護る、外からヒエの叫び声が聞こえてきた……あぁ崩れていく……独りで過した長い時間、皆で暮らした短い時間、俺の……俺達の過したアパートが完全に今まさに最後の時を迎えている。大粒の涙が溢れて止まらない……
「何で涙が止まらないんだよ……このオンボロアパートさぁ……」
夏は灼熱で冬は極寒で生活音がダダ漏れで、住人同士で揉めたり雪かきしたっけ……ここが好きだったんだ今そう思う。
揺れが収まり崩壊したアパートの中で閉じた目を開けると、玄関が開いていた……誰だよ開けっ放しにしてるの……ヒエと茉希ちゃんかな? きっとヤエが見たら2人共怒られるぞ? あっヒエの声がする、やっぱりお前かヒエが玄関から手を伸ばしてくる、一緒に遊んでたら俺まで怒られるじゃないか。良いから手を伸ばせって? わかったよ今行くよ……
手を伸ばした瞬間景色が変わった。
「健! ねぇ生きてるんでしょう! 早く出てきて……お願いよ……」
辺りを見渡すと瓦礫が俺を避けて玄関までの道が出来ていた。さっきのは幻か……そっか守ってくれたんだな、住人誰一人死んでいない様だし……
「ヒエ! 今出るよ! 手を貸してくれるか?」
「うん!」
荷物を先に送り出しヒエに手を引かれてアパートから這い出すと、ズシン! と音を立ててアパートが崩れ落ちた。
「本当にオンボロアパート何だから……ぐすっ……」
「そうだな……」
ヒエと俺はアパートに一礼して振り返ると事務所に向かって歩き始めた。さっきの第二波が収まったのを見計らって、近隣住人が避難所に向かって移動している中『跳躍』は出来ない。
「ヒエ重いだろう? 荷物寄越しなよ」
「重くなんかない……きっとヤエも茉希も……泣いちゃうかもね」
「俺はもう沢山泣いたよ瓦礫の中で」
「そっか……健はもうずっと前からだもんね……」
「事務所についたら全部話してくれるんだよね?」
「そうだね、特にヒエとヤエには大事な話になると思う」
「わかった……ちゃんと聞くよ」
事務所の通り道にある五泉駅は人と車でごった返していた。アレだけの地震だ電車は動くはずがない……あっ! 茉希ちゃん大学に……
「師匠!」
茉希ちゃんが車の中から飛び出してきた。
「えっ!?」
「茉希! アンタどうやって!?」
「この人達がっていうかこの娘にね……」
「車の中に赤い傘が見える、そういう事か……」
「俺、ちょっとお礼が言いたいから悪いけどヒエ、茉希ちゃんと先に行ってて」
「そうそう! 先に行こうヒエ!」
「ちょっともうアパートは……こっちよ」
ヒエが訝しんでいたが茉希ちゃんと事務所に向っていった。見送り、車を覗き込むとそこに居た。
「ノエありがとう、大変だったろう? お前等もありがとうな!」
「良いって事よ! ヤガミのオッサンには助けて貰ったしな!」
「ヤガミさん……私にできることはここまでですが……」
「いや十分過ぎるよ恩に着る、本当にありがとう」
「きっとまだ続きます、でも! 私! 信じてます!」
「まぁまだ余震ありそうだしな、お前等も早く帰ったほうがいいと思う」
「おう! さっノエ様帰りましょう! じゃあなオッサン!」
車のドアを閉めると俺はその場から走り去っていった。
事務所に帰るとヤエが茉希ちゃんが泣いていた、アパートの事をヒエが話してくれたらしい。だけどまだだ、話すべきことは別にある。社長に目を向けると黙って事務所のソファーに座った、俺は転がっていた椅子を起こすと座る。
「取敢えず……1つ1つな、先ずは2人の茉希ちゃんの件からだな」
ざっと説明すると、ヒエとヤエが下を向くが確認の為2人の傷跡も見てもらう。此処から先は茉希ちゃんに任せよう。
「私達……そんな事を……じゃあ! さっきの薬は……」
「元を辿れば2人がアタシに預けた物さ、そしてこの事務所を守護しているのも……」
「もしかして……」
「そう……2人のお陰で此処は安全なのさ、そして」
「大人のアタシは2人の女神に使える『使徒』だよ」
「「えっ!?」」
「今の2人には理解が追い付かないかな?」
「でもね、こうなった以上はもうアタシ達が存在していたら駄目なんだよ」
「意味はわかるよね2人共?」
「ちょっとまってそれじゃ貴女は……」
「覚悟の上さ……それに若返られるしね」
「うん……」
アレ? ちょっと俺も知らない話になってるぞ?
「ちょっとまって茉希ちゃん! 俺にもなにか隠してたの!?」
「ごめんなさい師匠……アタシはアタシ達『渡辺茉希』は一緒に何時までも存在出来ないんだよ」
「じゃあ茉希ちゃんはどうなるのさ!」
何だよ! 何でこうも一気に色々失っていくんだ!?
「「見てて下さいヒエ様、ヤエ様、アタシ達の終わりと始まりを」」
茉希ちゃん達が2人の前で跪く、おい……やめてくれよ……ヒエとヤエは毅然としている。コイツ等! 喉まで罵声が出掛けたが2人共目から涙が溢れ顎先まで流れている……それでも茉希ちゃんを見据えている。本当に泣きたいのはやらかした2人の方だろう。
「御身の前で全てを受け入れ新たに我が命を吹き込まんとす……」
「「よろしい汝が主命をはたしなさい」」
何処から取り出したのか社長が三角剣を手に持っていた、まさか……何でだ! 何でこんな儀式を止めさせたいのに動けないんだよ! 声さえも出せない、出るのは涙だけ口の中はカラカラだ。
「師匠……愛してる誰よりも……一時の別れさ、すぐに会えるから……」
三角剣が蒼く光りを放つと喉元を刺し貫く、やがて社長の身体が蒼く光り。隣に跪く茉希ちゃんに覆い被さると光の中へと消えていった……
「「汝が魂に一時の安らぎを」」
残った『もの』はただ1人になった渡辺茉希の身体だけだった。
「さぁ今度はアナタの番よ」
「何で涙が止まらないんだよ……このオンボロアパートさぁ……」
夏は灼熱で冬は極寒で生活音がダダ漏れで、住人同士で揉めたり雪かきしたっけ……ここが好きだったんだ今そう思う。
揺れが収まり崩壊したアパートの中で閉じた目を開けると、玄関が開いていた……誰だよ開けっ放しにしてるの……ヒエと茉希ちゃんかな? きっとヤエが見たら2人共怒られるぞ? あっヒエの声がする、やっぱりお前かヒエが玄関から手を伸ばしてくる、一緒に遊んでたら俺まで怒られるじゃないか。良いから手を伸ばせって? わかったよ今行くよ……
手を伸ばした瞬間景色が変わった。
「健! ねぇ生きてるんでしょう! 早く出てきて……お願いよ……」
辺りを見渡すと瓦礫が俺を避けて玄関までの道が出来ていた。さっきのは幻か……そっか守ってくれたんだな、住人誰一人死んでいない様だし……
「ヒエ! 今出るよ! 手を貸してくれるか?」
「うん!」
荷物を先に送り出しヒエに手を引かれてアパートから這い出すと、ズシン! と音を立ててアパートが崩れ落ちた。
「本当にオンボロアパート何だから……ぐすっ……」
「そうだな……」
ヒエと俺はアパートに一礼して振り返ると事務所に向かって歩き始めた。さっきの第二波が収まったのを見計らって、近隣住人が避難所に向かって移動している中『跳躍』は出来ない。
「ヒエ重いだろう? 荷物寄越しなよ」
「重くなんかない……きっとヤエも茉希も……泣いちゃうかもね」
「俺はもう沢山泣いたよ瓦礫の中で」
「そっか……健はもうずっと前からだもんね……」
「事務所についたら全部話してくれるんだよね?」
「そうだね、特にヒエとヤエには大事な話になると思う」
「わかった……ちゃんと聞くよ」
事務所の通り道にある五泉駅は人と車でごった返していた。アレだけの地震だ電車は動くはずがない……あっ! 茉希ちゃん大学に……
「師匠!」
茉希ちゃんが車の中から飛び出してきた。
「えっ!?」
「茉希! アンタどうやって!?」
「この人達がっていうかこの娘にね……」
「車の中に赤い傘が見える、そういう事か……」
「俺、ちょっとお礼が言いたいから悪いけどヒエ、茉希ちゃんと先に行ってて」
「そうそう! 先に行こうヒエ!」
「ちょっともうアパートは……こっちよ」
ヒエが訝しんでいたが茉希ちゃんと事務所に向っていった。見送り、車を覗き込むとそこに居た。
「ノエありがとう、大変だったろう? お前等もありがとうな!」
「良いって事よ! ヤガミのオッサンには助けて貰ったしな!」
「ヤガミさん……私にできることはここまでですが……」
「いや十分過ぎるよ恩に着る、本当にありがとう」
「きっとまだ続きます、でも! 私! 信じてます!」
「まぁまだ余震ありそうだしな、お前等も早く帰ったほうがいいと思う」
「おう! さっノエ様帰りましょう! じゃあなオッサン!」
車のドアを閉めると俺はその場から走り去っていった。
事務所に帰るとヤエが茉希ちゃんが泣いていた、アパートの事をヒエが話してくれたらしい。だけどまだだ、話すべきことは別にある。社長に目を向けると黙って事務所のソファーに座った、俺は転がっていた椅子を起こすと座る。
「取敢えず……1つ1つな、先ずは2人の茉希ちゃんの件からだな」
ざっと説明すると、ヒエとヤエが下を向くが確認の為2人の傷跡も見てもらう。此処から先は茉希ちゃんに任せよう。
「私達……そんな事を……じゃあ! さっきの薬は……」
「元を辿れば2人がアタシに預けた物さ、そしてこの事務所を守護しているのも……」
「もしかして……」
「そう……2人のお陰で此処は安全なのさ、そして」
「大人のアタシは2人の女神に使える『使徒』だよ」
「「えっ!?」」
「今の2人には理解が追い付かないかな?」
「でもね、こうなった以上はもうアタシ達が存在していたら駄目なんだよ」
「意味はわかるよね2人共?」
「ちょっとまってそれじゃ貴女は……」
「覚悟の上さ……それに若返られるしね」
「うん……」
アレ? ちょっと俺も知らない話になってるぞ?
「ちょっとまって茉希ちゃん! 俺にもなにか隠してたの!?」
「ごめんなさい師匠……アタシはアタシ達『渡辺茉希』は一緒に何時までも存在出来ないんだよ」
「じゃあ茉希ちゃんはどうなるのさ!」
何だよ! 何でこうも一気に色々失っていくんだ!?
「「見てて下さいヒエ様、ヤエ様、アタシ達の終わりと始まりを」」
茉希ちゃん達が2人の前で跪く、おい……やめてくれよ……ヒエとヤエは毅然としている。コイツ等! 喉まで罵声が出掛けたが2人共目から涙が溢れ顎先まで流れている……それでも茉希ちゃんを見据えている。本当に泣きたいのはやらかした2人の方だろう。
「御身の前で全てを受け入れ新たに我が命を吹き込まんとす……」
「「よろしい汝が主命をはたしなさい」」
何処から取り出したのか社長が三角剣を手に持っていた、まさか……何でだ! 何でこんな儀式を止めさせたいのに動けないんだよ! 声さえも出せない、出るのは涙だけ口の中はカラカラだ。
「師匠……愛してる誰よりも……一時の別れさ、すぐに会えるから……」
三角剣が蒼く光りを放つと喉元を刺し貫く、やがて社長の身体が蒼く光り。隣に跪く茉希ちゃんに覆い被さると光の中へと消えていった……
「「汝が魂に一時の安らぎを」」
残った『もの』はただ1人になった渡辺茉希の身体だけだった。
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