元女神様と現世でreSweetライフ!! スキマノハナシ

美味しい肉まん

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Dランド編

7 小さな世界、大きな世界

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「小さな世界」
 そう告げるとノエはポカンとした表情を浮かべた。
「アタシとヤエには胎教に良いかもね~」
「どのような乗り物なのですか?」
「秘密だな、とくにノエには」
 頭の中では必死に違うことを考えていた、心を読まれない様にしないと、その一心で。
「わかりました!」
「あのさ健、今度のは怖くないわよね?」
「もし怖かったら、アナタの向こう一ヶ月は日の丸弁当よ?」
 そんなに怖かったのか……元女神様。
「安心して、それじゃ行こうか」

 小さな世界は恐怖のマンションからそんなに遠くない、それにあんまり人気もない方のアトラクションだ。だがそれがいい……と思う。
「ほらここだよ」
「子供の頃って言ったら変だけど、アタシさコレも大好きだったな~」
「って事は怖くないのね⁉︎」
「だから安心しろって」
「小さな世界ですか……」
「ほら空いてるし早く行こうか」
 
 小さな世界の乗り場まで行くとボートに案内されるのだが、キャストさんが気を遣ってくれたようで、五人で乗り込むことになった。
「船です!」
「この中って雰囲気がなんだかフワフワしてるね健?」
「うん、怖くないだろう?」
「それはそうね……」
「おっ動き出すぞ」

 動き出す船の先には、子供達の人形が楽しそうに歌いミニマム化されたがあった。そんな色々な国を巡るアトラクション。
 ノエから見れば俺たちの住む世界は、もしかしたらこんな風に見えているのかもしれない、何となくそう思った。だけどきっとノエにはこんな楽しい世界じゃなくって、戦争や紛争、政治問題、人種差別等、人間の醜い部分も見えているに違いない。ましてその身に人の意思や心が流れ込むノエにとってそれは苦痛かもしれない、それでも見方によってはこんな世界の見え方もあるって事を俺は知って欲しかった。
 そして最後の国が終わると、ノエは泣いていた。ヒエが優しく頭を撫でている、まるで慈しむかの様に……あっ元女神だったわ。
 船から降りて出口から出ると。
「健さん、ありがとうございます……私……」
「まっ見方次第ってことでさ」
 そう言うと俺もノエの頭を撫でるとノエは泣き出した。
 三人の方を見ると、全員が無言で頷いていた。やさしく撫で続けて抱き寄せると、ノエがこんなにも小さい事を実感する。小さな体で全てを受け入れるなんてどれ程の事か……唯一神となったばかりに……
「つらくありません……」
「良いんだって、今日は特別なんだぞ?」
「じゃあもっと皆さんと一緒に過ごしたいです……」
「勿論! なっ? みんな?」
「最後のパレードまで見ようよノエ!」
「そうよノエ! すっごい綺麗らしいわよ!」
「夕ご飯も一緒よ! ノエ!」
「だからもう泣くのはやめて、次のアトラクションに行こうか?」
「はい……一緒に!」

 そこから茉希と次のアトラクションについて相談する事にしたが……
「暴走機関車一択っしょ? こんなしんみりとした空気アタシは嫌だよ!」
「でもコイツら空飛んだりしてたんだぞ? 喜ぶと思うか?」
「スリルは別だと思うけど、行ってみようよ、それにヒエとヤエの決闘も見れるよ?」
「あっそういえば、ガンマンのアトラクションもその辺か……でもアレって難しくないか?」
「どうせ二人の勝負なんだから」
「それもそうか、じゃあ行くか!」

 一応ヤエと茉希の体調はまだ元気らしいことを確認すると、暴走機関車へと向かった。
 アトラクションの方から悲鳴と絶叫が聞こえてくる、そうだよね。こうでなくっちゃ!
「たっ健、これ怖くないわよね?」
「アナタ、ワカッテルワヨネ?」
 なんで楽しいアトラクションを前にヤエがキレかかっているんだ……
「乗ればわかるよ!」
「ノエはアタシと乗ろうか!」
「はい! 茉希さん!」
「じゃ俺一人な! ヤエ様とヒエ様は一緒な!」

 並ぶ事四十五分、ようやく乗り込み発車となった。この瞬間が一番楽しいんだよな俺って。そして最後にガチン! と音がした次の瞬間、猛スピードで駆け抜ける暴走機関車。
 聞こえてくる悲鳴は、どこか楽しそうな絶叫だった。
「凄いわアナタ! スカッとしたわ!」
「こういうのよ! 私が求めていたのは!」
「お前ら空飛んでたのに?」
「こんなメチャクチャな飛び方しないわよ!」
「そっか、じゃあ宇宙列車もよかったのかなぁ」
「ノエはどうだった?」
「ちょっと怖かったです……でもっ! とても爽快な気分です!」
「よかったっしょ?」
「だね、茉希は頼りになるね!」
「それじゃ後はあの二人に対決させてやるか?」
「私も参加します!」
「おっノエ元気になったな! 良いぞ、じゃあ皆んなでやるか?」
「アタシはパス、苦手なんだよね……アレ」
「じゃあヤエ、ヒエ最終決戦だぞ!」
「「⁉︎」」
「対決の場所はアレだ!」
 そう言って指差す方向には、西部劇風のサルーンが舞台のアトラクションだった。
「十発勝負で一番良い成績を取ったのが勝者だ! ちなみにノエと俺も参加だオッケー?」
「ハッ、私がアンタに負ける? そんな事ないわよ~これだからアンタは」
「私たちの対決に割り込むなんて良い度胸よ!」
「そっか、じゃあお前ら俺に負けたら罰ゲームな、ノエは別に良いから楽しんでくれ」
「はい!」
「じゃあアタシ特別審査員ね」

 そしてアトラクションに並ぶと二百円を払い、各々がライフルを前にする。
「じゃ、よーいスタート!」
 茉希の合図で一斉に構えて始まると……

「なんでよ! なんで当たらないのよ!」
 ヒエは四発命中
「そんな…………」
 ヤエは二発命中
「私……」
 ノエは残念ながら一発命中
「こうなると思っていたよ」
 俺は全弾ハズレ……
「はーい皆んな結果発表だよ!」
「結果も何も私の勝ちよね‼︎」
「ヒエ残念だけど、ノエの勝ちだよ」
「何でよ!」
「ほら、ノエ、ゴールドの保安官バッジ」
 そう言うとノエに茉希が保安官バッジを手渡した。
「あ~そう言うことね理解した」
「私は⁉︎」
「私は二発だから別に良いけど、どうしてなのアナタ?」
「茉希、解説よろしく」
「このアトラクションね一個だけラッキーターゲットってのがあるの」
「つまりノエの一発がそれに命中! だから優勝さ!」
「やりました‼︎」
「よかったじゃん良いお土産ができて!」
「はい!」
 満面の笑顔で喜ぶノエを見ていると嬉しくなってくる、俺たちの子供を連れてくる時はどうなるだろか? きっと……
「取り敢えず決着はついたな、ヒエ様の負けってことで」
「くっ! ヤエ! 今度来たらもう一度勝負よ!」
「あらあら構いませんことよ? ヒエ」
 煽る煽るヤエ様、ちょっとこのまま成り行きを見たいが。
「タケシ! この辺であの船乗らない?」
「そうだな、ゆっくりできるなアレなら、二人ともそこまでだ、蒸気船に乗るぞ」
「蒸気船?」
 少しは緩急つけないとな、色々アトラクション楽しんできたが一応妊婦だ。ここらでまた休憩をかねて楽しめる蒸気船は最適だろう。
 蒸気船に乗り込むと
「タケシ、バイユーに行くならその前に、三人に愉快なアヒルも見せてあげたいんだけど」
「あ~アレね、驚くかもな三人は……レストランの予約の時間は?」
 いつの間にやらもう夕方になっていた。
「六時だよ、多分ちょうどいいと思うんだ」
「じゃ茉希のプランで行こう」
 そろそろこの旅行も終わりが近づいてきたかな?
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