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~後日談・番外編~
右腕?冗談じゃない
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どーも、ボスの部下でお嬢の兄貴――いや、ボスとお嬢の保護者のレオです。
いやぁ、長かった。ほんとーーに、長かった。
ボスは自分の気持ちから全力で目ェそらすし、お嬢はあれだけあからさまなボスの態度に気付かないくらいに超鈍感だし。
そのくせ無自覚にいちゃつくんだぜ。あのふたり。
新婚の甘ったるい空気垂れ流されるよかマシだと思うけど、無自覚に熟年夫婦っぷりを見せつけられんのも結構ムカつくもんだ。
いい加減くっつけよ!!もうめんどくせぇよアンタら!!何度そう叫びそうになったことか。
よく耐えた。本当によく耐えたよ、俺も他のやつらも。
いくら自分の命がかかってた(照れ隠しで殺されたらたまったもんじゃない)とはいえ、あの空気に、あのじれったさに、本当に良く耐えた。
なんだかんだであのふたりが好きだから色々と世話を焼いてたもんなぁ。
からかうふりしてお嬢を慰めたり背中を押してやったり、ボスの愚痴聞いたりけしかけてみたりして殺されかけたり。
そしたらいつの間にか兄貴から保護者に格上げされてるし。
あんなでかくて可愛げのねぇ娘いらねぇよ。妹だって俺ならもっとおしとやかで女らしい子に育てるね!俺は!!
まぁ、おしとやかで女らしいお嬢なんて恐ろしすぎて直視する自信ねぇけどな。
つか、あんな男前な女を側に置いて男のメンツやらなんやらを涼しい顔で保っていられるのはボスだけだ。そういう意味でもお嬢を嫁に貰えるのはボスしかいない。
いないんだけどさ、俺が王都に残って事後処理やらなんやらしてる間に自分たちだけでちゃっちゃか結婚式あげるってどーゆーこと!?
たとえそれが領民たちの好意で開かれたささやかなものであろうとも俺、お嬢の花嫁姿見てねぇんだけど!!
散々世話してきて兄貴だの保護者だの言われてる身としては見たかったんですけど!!
「知るか。いなかったお前が悪い」
「理不尽んん!!いつにもまして理不尽ッスねボス!
俺がどんだけ苦労してお偉方を丸めこんだり脅かしたりして資金集めしてきたと思ってんッスか!?」
「あぁ、よくやった。これで随分と楽になる」
「ほ、褒められた、だと……!!?」
「あいつに泣かれると困るからな」
「な、泣く!?あのお嬢が!?意地っ張りで頑固なお嬢が!?
死んでもボスの前では泣かないってバカな誓い立ててたお嬢が!?
アンタ俺が居ない間になにしでかしたんッスか!!」
「テメェがグズグズしてるせいで日中街に出っぱなしだったんだよ」
「俺のせい!?」
「うぜぇな。結局テメェは何が言いてぇんだ」
「あー、っと、ですね。
……ボス、ご結婚おめでとうございます。
どうか、離さないでくださいね。お嬢だけは絶対に」
お嬢はボスにとってきっと、何よりも誰よりも必要な存在だから。
「……あぁ。いろいろと世話をかけたな」
「本当ッスよ。ボスもお嬢も意地っ張りで頑固で困ります。
相当ヤキモキしたんッスからね」
「言ってろ」
「酷い!俺こんなに頑張ったのに……!!」
「ふん。……レオ、」
「はい」
「あいつが妻に昇格したせいで右腕の椅子が空いた。座る気はあるか?」
怖いくらいに真剣なボスの目に俺はパチリと目を瞬いた。
男として、上司として、尊敬しているボスに必要とされるのはどんなに付き合いが長くなっても嬉しいもんだ。
それも無口なこの人がわざわざ言葉にして俺が必要だと言ったのだから答えなんて決まってる。
俺は嬉しさを噛み殺しながらにっこりと笑った。
右腕?冗談じゃない
(アンタの右腕は嫁になろうがなんだろうがお嬢だけッスよ)
(だから、俺は、)
(左腕としてボスとお嬢ふたりまとめて面倒見てやります)
いやぁ、長かった。ほんとーーに、長かった。
ボスは自分の気持ちから全力で目ェそらすし、お嬢はあれだけあからさまなボスの態度に気付かないくらいに超鈍感だし。
そのくせ無自覚にいちゃつくんだぜ。あのふたり。
新婚の甘ったるい空気垂れ流されるよかマシだと思うけど、無自覚に熟年夫婦っぷりを見せつけられんのも結構ムカつくもんだ。
いい加減くっつけよ!!もうめんどくせぇよアンタら!!何度そう叫びそうになったことか。
よく耐えた。本当によく耐えたよ、俺も他のやつらも。
いくら自分の命がかかってた(照れ隠しで殺されたらたまったもんじゃない)とはいえ、あの空気に、あのじれったさに、本当に良く耐えた。
なんだかんだであのふたりが好きだから色々と世話を焼いてたもんなぁ。
からかうふりしてお嬢を慰めたり背中を押してやったり、ボスの愚痴聞いたりけしかけてみたりして殺されかけたり。
そしたらいつの間にか兄貴から保護者に格上げされてるし。
あんなでかくて可愛げのねぇ娘いらねぇよ。妹だって俺ならもっとおしとやかで女らしい子に育てるね!俺は!!
まぁ、おしとやかで女らしいお嬢なんて恐ろしすぎて直視する自信ねぇけどな。
つか、あんな男前な女を側に置いて男のメンツやらなんやらを涼しい顔で保っていられるのはボスだけだ。そういう意味でもお嬢を嫁に貰えるのはボスしかいない。
いないんだけどさ、俺が王都に残って事後処理やらなんやらしてる間に自分たちだけでちゃっちゃか結婚式あげるってどーゆーこと!?
たとえそれが領民たちの好意で開かれたささやかなものであろうとも俺、お嬢の花嫁姿見てねぇんだけど!!
散々世話してきて兄貴だの保護者だの言われてる身としては見たかったんですけど!!
「知るか。いなかったお前が悪い」
「理不尽んん!!いつにもまして理不尽ッスねボス!
俺がどんだけ苦労してお偉方を丸めこんだり脅かしたりして資金集めしてきたと思ってんッスか!?」
「あぁ、よくやった。これで随分と楽になる」
「ほ、褒められた、だと……!!?」
「あいつに泣かれると困るからな」
「な、泣く!?あのお嬢が!?意地っ張りで頑固なお嬢が!?
死んでもボスの前では泣かないってバカな誓い立ててたお嬢が!?
アンタ俺が居ない間になにしでかしたんッスか!!」
「テメェがグズグズしてるせいで日中街に出っぱなしだったんだよ」
「俺のせい!?」
「うぜぇな。結局テメェは何が言いてぇんだ」
「あー、っと、ですね。
……ボス、ご結婚おめでとうございます。
どうか、離さないでくださいね。お嬢だけは絶対に」
お嬢はボスにとってきっと、何よりも誰よりも必要な存在だから。
「……あぁ。いろいろと世話をかけたな」
「本当ッスよ。ボスもお嬢も意地っ張りで頑固で困ります。
相当ヤキモキしたんッスからね」
「言ってろ」
「酷い!俺こんなに頑張ったのに……!!」
「ふん。……レオ、」
「はい」
「あいつが妻に昇格したせいで右腕の椅子が空いた。座る気はあるか?」
怖いくらいに真剣なボスの目に俺はパチリと目を瞬いた。
男として、上司として、尊敬しているボスに必要とされるのはどんなに付き合いが長くなっても嬉しいもんだ。
それも無口なこの人がわざわざ言葉にして俺が必要だと言ったのだから答えなんて決まってる。
俺は嬉しさを噛み殺しながらにっこりと笑った。
右腕?冗談じゃない
(アンタの右腕は嫁になろうがなんだろうがお嬢だけッスよ)
(だから、俺は、)
(左腕としてボスとお嬢ふたりまとめて面倒見てやります)
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