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第1章~平和な日常が戻ってきました~
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アルバに布団を引っぺがされ、問答無用でアルバの部屋に連れてこられてステラは不満そうに唸りながら目をこする。
しかし扉をくぐった先にクッションを抱きしめて肩を震わせるセイラの姿を見つけて眠気は一気に吹っ飛んだ。
「ふぇっ!?せ、セイラ様?どうしたです!?どこか痛いですか!?」
もう随分長く見ていないセイラの涙にステラは慌てて駆け寄るがどうしていいかわからない。
ステラはいつだってセイラとアルバに振り回される側で、慰めてもらう側で、涙を拭って貰う側だった。
産まれてからずっとステラは守ってもらう側だった。
周りの優しさに甘えてすぐに泣いてしまう自分と違っていつも凛としていてあのボスに真正面から喧嘩をふっかけるくらいに強いセイラがどうして泣いているのか、どうやったら泣きやんでくれるのかステラには見当もつかない。
ただオロオロとセイラの手を握りしめて「泣かないで、セイラ様」と繰り返すしかステラにはできない。
「ステラ、落ち着いてよく聞くんだ」
情けない顔でセイラの手を握りしめるステラの様子を見守っていたアルバがおもむろに口を開いた。
その真剣な声にステラは潤んだ瞳でじっとアルバを見つめる。
静かに広がった言葉にステラは目を見開いてセイラの手を強く握りしめた。
「っ、」
痛いくらいに強く握りしめられた手から伝わるか細い震えにセイラは鼻を啜りながら顔をあげた。
すぐ側で唇を引き結んで必死に涙を堪えるステラを優しく引きよせる。
「姉さん」
声を押し殺して泣くステラを抱きしめてやりながらセイラは無機質な声を振りかえった。
表情を消したアルバにセイラは手を伸ばす。
「……どうするの?」
抑揚がない癖に不安をたっぷりと押し込んだアルバの声にセイラはきゅうと唇を噛んで俯いた。
どんなに考えてもいやなものはいやだ。
兄様がお見合いだなんて絶対に、絶対に嫌だ。
私とステラ(家族)以外の女の子に兄様が優しくするのなんて許せない。
兄様の特別が私たちじゃなくなるなんて耐えられない。
他の誰かが兄様に“女の子”として愛されるなんて認めない。
もう可愛い妹でなんていられない。妹のままじゃ、盗られる。
微温湯のようなこの場所にまだ甘えていたいけど、そうしたらいつまでもこの手は届かない。
怖くても踏み出さないと兄様はどんどん遠くに行ってしまう。
なにもできないまま、なにもしないまま、兄様が誰かのものになるのをみているだけなんていやだ。
「アルバ、ステラ」
子どものままごとのような恋だなんて言わせない。
私は、兄様がすき。
誰にも譲れないくらいに、誰にも負けないくらいに兄様が好き。
だから今はまだ届かなくてもこんなことくらいで手を伸ばすのをやめたりしない。
この恋を簡単に諦めたりしない。
この想いを誰かに枯らされたりしない。
邪魔する者は誰であろうと除く。
「手を貸しなさい」
しっかり握り返された手とコクンと頷いた気配にセイラはむりやり口角を釣り上げて笑ってみせた。
しかし扉をくぐった先にクッションを抱きしめて肩を震わせるセイラの姿を見つけて眠気は一気に吹っ飛んだ。
「ふぇっ!?せ、セイラ様?どうしたです!?どこか痛いですか!?」
もう随分長く見ていないセイラの涙にステラは慌てて駆け寄るがどうしていいかわからない。
ステラはいつだってセイラとアルバに振り回される側で、慰めてもらう側で、涙を拭って貰う側だった。
産まれてからずっとステラは守ってもらう側だった。
周りの優しさに甘えてすぐに泣いてしまう自分と違っていつも凛としていてあのボスに真正面から喧嘩をふっかけるくらいに強いセイラがどうして泣いているのか、どうやったら泣きやんでくれるのかステラには見当もつかない。
ただオロオロとセイラの手を握りしめて「泣かないで、セイラ様」と繰り返すしかステラにはできない。
「ステラ、落ち着いてよく聞くんだ」
情けない顔でセイラの手を握りしめるステラの様子を見守っていたアルバがおもむろに口を開いた。
その真剣な声にステラは潤んだ瞳でじっとアルバを見つめる。
静かに広がった言葉にステラは目を見開いてセイラの手を強く握りしめた。
「っ、」
痛いくらいに強く握りしめられた手から伝わるか細い震えにセイラは鼻を啜りながら顔をあげた。
すぐ側で唇を引き結んで必死に涙を堪えるステラを優しく引きよせる。
「姉さん」
声を押し殺して泣くステラを抱きしめてやりながらセイラは無機質な声を振りかえった。
表情を消したアルバにセイラは手を伸ばす。
「……どうするの?」
抑揚がない癖に不安をたっぷりと押し込んだアルバの声にセイラはきゅうと唇を噛んで俯いた。
どんなに考えてもいやなものはいやだ。
兄様がお見合いだなんて絶対に、絶対に嫌だ。
私とステラ(家族)以外の女の子に兄様が優しくするのなんて許せない。
兄様の特別が私たちじゃなくなるなんて耐えられない。
他の誰かが兄様に“女の子”として愛されるなんて認めない。
もう可愛い妹でなんていられない。妹のままじゃ、盗られる。
微温湯のようなこの場所にまだ甘えていたいけど、そうしたらいつまでもこの手は届かない。
怖くても踏み出さないと兄様はどんどん遠くに行ってしまう。
なにもできないまま、なにもしないまま、兄様が誰かのものになるのをみているだけなんていやだ。
「アルバ、ステラ」
子どものままごとのような恋だなんて言わせない。
私は、兄様がすき。
誰にも譲れないくらいに、誰にも負けないくらいに兄様が好き。
だから今はまだ届かなくてもこんなことくらいで手を伸ばすのをやめたりしない。
この恋を簡単に諦めたりしない。
この想いを誰かに枯らされたりしない。
邪魔する者は誰であろうと除く。
「手を貸しなさい」
しっかり握り返された手とコクンと頷いた気配にセイラはむりやり口角を釣り上げて笑ってみせた。
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