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第2章~守るために強くなると誓いました~
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リヒトに気持ちを伝えるように柔らかく抱きしめられているこの瞬間だけはリヒトは自分とアルバだけのもの。
そう思ってしまう自分の独占欲の強さにまた泣きたくなりながらセイラはぐっと唇を噛んで甘えるように寄せていた身体をそっと離した。
「兄様、もう、だいじょうぶよ」
「姉さん……?」
「時間、おくれちゃうわ。女の人を待たせるなんて、ダメだわ。」
今の自分ができる精一杯の笑顔で笑う。
くしゃりと歪んだリヒトの顔を見ないようにしながらセイラは微笑み続けた。
「セイラ、」
「いってらっしゃい」
「いってきます」
リヒトの姿が完全に見えなくなると、ペタンとそこに座り込んで小さく嗚咽を漏らし始めたセイラをアルバがぎゅうと抱きしめる。
「ヒック、やだ。いかないで、ぐす、に、さま、うえぇええん!!」
自分でさえ面白くないのだ。
リヒトを恋慕うセイラはきっともっと寂しくて苦しいのだろう。
「強がるからだよ。兄さんにそう言えば良かったのに」
そしたら優しい兄さんはきっと今会っている女の人より自分たちを優先させてくれる。
それなのに腕の中で泣くセイラはブンブンと首を振った。
「に、さま、はまだ、わたしのものじゃない、もの。わがままいえない」
小さなころからずっとそうだった。
いっそ傲慢なほどに気が強くてあの父に喧嘩を売れるくらいに肝の据わった姉をただのか弱い女の子に変えてしまうただひとりの存在。
セイラはアルバのように猫を被っているわけじゃない。
リヒトの前では本当にただの恋する女の子になるのだ。
最近ようやくそれがなんとなくわかり始めてきたアルバは少しずつ男女の差が出始めてきた体をすり寄せて啜り泣くセイラを抱きしめて小さく息を吐く。
リヒトが今会っている人に盗られることはないとアルバは分かっている。
どんなに彼女がリヒトにとって特別な存在でも最後の最後に選ぶのはこの家で、自分たち家族だから。
だけど、自分よりもずっとリヒトを見ているはずのセイラには自分とは違うモノが見えているのかもしれない。
恋というものをいまいち理解しきれていないアルバは声を殺すように泣く片割れを抱きしめてやることしかできない。
アルバが悔しげに唇を噛んだとき腕の中からパチンと渇いた音がして慌てて視線を下に向けた。
そこにはもう恋する女の子はいなかった。
自分の両頬を叩いて気合いを入れ直したセイラの表情を真正面から見てしまったアルバはヒクリと頬を引き攣らせて思わず一歩さがった。
泣いているセイラのために冷たく冷やしたタオルを持ってきたステラも大きな瞳に薄らと涙を浮かべながら慌ててアルバの背中に隠れる。
「しばらくあそこに籠るわ。パパに暇ができたら見に来てほしいって伝えといて」
周りから一斉に文句の嵐を向けられたノクトからの誕生日プレゼントをギュッと握りしめてズンズン歩いていくセイラにアルバとステラは引き攣った顔で頷くことしかできなかった。
「恋する乙女は恐ろしい……」
「……アルバ様、それ、ちょっとちがうと思います」
逞しすぎる背中を見送りながらふたりはほんの少しだけセイラに恋されてしまったリヒトを心配した。
そう思ってしまう自分の独占欲の強さにまた泣きたくなりながらセイラはぐっと唇を噛んで甘えるように寄せていた身体をそっと離した。
「兄様、もう、だいじょうぶよ」
「姉さん……?」
「時間、おくれちゃうわ。女の人を待たせるなんて、ダメだわ。」
今の自分ができる精一杯の笑顔で笑う。
くしゃりと歪んだリヒトの顔を見ないようにしながらセイラは微笑み続けた。
「セイラ、」
「いってらっしゃい」
「いってきます」
リヒトの姿が完全に見えなくなると、ペタンとそこに座り込んで小さく嗚咽を漏らし始めたセイラをアルバがぎゅうと抱きしめる。
「ヒック、やだ。いかないで、ぐす、に、さま、うえぇええん!!」
自分でさえ面白くないのだ。
リヒトを恋慕うセイラはきっともっと寂しくて苦しいのだろう。
「強がるからだよ。兄さんにそう言えば良かったのに」
そしたら優しい兄さんはきっと今会っている女の人より自分たちを優先させてくれる。
それなのに腕の中で泣くセイラはブンブンと首を振った。
「に、さま、はまだ、わたしのものじゃない、もの。わがままいえない」
小さなころからずっとそうだった。
いっそ傲慢なほどに気が強くてあの父に喧嘩を売れるくらいに肝の据わった姉をただのか弱い女の子に変えてしまうただひとりの存在。
セイラはアルバのように猫を被っているわけじゃない。
リヒトの前では本当にただの恋する女の子になるのだ。
最近ようやくそれがなんとなくわかり始めてきたアルバは少しずつ男女の差が出始めてきた体をすり寄せて啜り泣くセイラを抱きしめて小さく息を吐く。
リヒトが今会っている人に盗られることはないとアルバは分かっている。
どんなに彼女がリヒトにとって特別な存在でも最後の最後に選ぶのはこの家で、自分たち家族だから。
だけど、自分よりもずっとリヒトを見ているはずのセイラには自分とは違うモノが見えているのかもしれない。
恋というものをいまいち理解しきれていないアルバは声を殺すように泣く片割れを抱きしめてやることしかできない。
アルバが悔しげに唇を噛んだとき腕の中からパチンと渇いた音がして慌てて視線を下に向けた。
そこにはもう恋する女の子はいなかった。
自分の両頬を叩いて気合いを入れ直したセイラの表情を真正面から見てしまったアルバはヒクリと頬を引き攣らせて思わず一歩さがった。
泣いているセイラのために冷たく冷やしたタオルを持ってきたステラも大きな瞳に薄らと涙を浮かべながら慌ててアルバの背中に隠れる。
「しばらくあそこに籠るわ。パパに暇ができたら見に来てほしいって伝えといて」
周りから一斉に文句の嵐を向けられたノクトからの誕生日プレゼントをギュッと握りしめてズンズン歩いていくセイラにアルバとステラは引き攣った顔で頷くことしかできなかった。
「恋する乙女は恐ろしい……」
「……アルバ様、それ、ちょっとちがうと思います」
逞しすぎる背中を見送りながらふたりはほんの少しだけセイラに恋されてしまったリヒトを心配した。
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