完全幸福論

のどか

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第2章~守るために強くなると誓いました~

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出迎えたのがルナとステラという珍しい組み合わせだったことでノクトとジオ、リヒトは目を瞬いて驚いた。

「姫様はボスに置いてきぼりにされて、ステラはちい姫様と―――否、どちらかというとコソコソとなにやら調べ物に没頭している坊ちゃんに放っておかれて拗ねてるんですよ」
「え?セイラも何かに没頭してるの?」
「射撃場に籠ってます。
 それはもうストレス発散するように鬼気迫る表情で。
 それでも成績が上がってるってとこが凄いですよねぇ」
「うわぁ、俺ちょっと様子を見てくるよ。
 ステラも悪いんだけどもう少しだけアルバを借りるね」
「……べつに、そんなんじゃないです」

しゅんとしながら唇を尖らせるステラにリヒトは困ったように眉を下げてステラと視線を合わせた。

「大丈夫だよ。ステラはステラのできることをすればいいんだから」

ハッとして顔をあげたステラはふにゃりと顔を歪めて泣きそうな顔になる。

寂しかった。置いていかれたと思った。
このままセイラもアルバもステラの手が届かないところに言ってしまうんじゃないかと不安だった。

「いいトコとられっぱなしですね。父様?」
「お前も同じだろうが。母様」
「うん。わかった。
 夫婦仲が良いのはもう十分すぎるくらい分かったからいちゃつくのはプライベートゾーンに戻ってからにして。
 ステラも一緒にセイラの様子見に行こう。しばらくいちゃついてそうだから」
「はい」

子どもたちの冷めた視線がグサグサと刺さりなんとも気まずい空気になった玄関ホールでふた組の夫婦は何とも言えない顔でそれぞれの部屋へと戻って行った。









『あンの意地悪オヤジーーーーッ!!!』

本当に日ごろのストレスを発散させているかのごとく怒声と射撃音のハーモニーを奏でる地下の射撃場の扉の前でリヒトとステラは無言で固まっていた。

「リヒト兄様」
「う、うん。なんか入ったらいけない気が……」
「兄様!!おかえりなさい!!!」
「「……」」

リヒトとステラが背を向けようとした瞬間勢いよく射撃場の扉が開いてセイラが飛び出してきた。
リヒトとステラはまるで無言で顔を見合わせて微苦笑を浮かべる。

「ただいま、セイラ」
「セイラ様、お疲れ様です」
「ふふ、ありがとうステラ!!」

ぎゅううっとステラごとリヒトに抱きついてセイラはとても幸せそうに笑う。
リヒトも可愛い妹たちの姿に表情を綻ばせた。
けれどそれもつかの間。
少し開いた射撃場の扉の隙間から『打倒意地悪オヤジ!!』と高らかに掲げられたスローガンを見つけてしまい、ヒクリと口元を引き攣らせるとそっと目をそらして何も見なかったことにした。

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