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~後日談・番外編~
はっぴーばれんたいんー後ー
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リヒトの心配とは裏腹にニナはちゃんと生きていた。
ものすごく疲れが滲んでボロっとしていたけれど一応ちゃんと生きていた。
精根尽き果てた様子のニナの苦労の成果なのか出てきたお茶受けはごくごく普通のクッキーに見える。
見た目は。
「……。姫、ニナ。味見、したか?」
「そんな恐ろしいことするわけな……じゃなかった、1番にセンパイたちに食べて貰いたくて」
てへぺろ☆
可愛らしく言ってみても零れてしまった本音は取り消せない。
いつもなら誤魔化されてやるレベルの可愛さだが、生憎と今回は命がかかっている。
「本音出たぞ!今ポロっと隠し通さなきゃならねぇ本音が出たぞ!!!」
「ちっ、男ならグダグダ言わずに食べろや。それとも私と姫様が作ったものは食べられないとでも?」
凄むニナとギャンギャン吠えるジオを横目にリヒトはクッキーと呼ぶにはあまりにも固いそれを頑張って噛み砕く。
「……ボス、俺、これはじめて食べる触感と味だ」
「……食えるもんが出てきたんだ。ニナの苦労の賜物だろ」
親子は若干遠い目をしながらもぐもぐと口を動かす。
当然そんな感想を期待していなかったルナはぷくっと膨れてふたりを睨みつけた。
「膨れる暇があんならお前も食べてみろ」
「………おいしくない」
「まだまだ要練習ってことだな」
「今度は俺も一緒に作るよ。ボスに美味しいっていてもらえるように頑張ろうね!姉ちゃん」
意地悪く笑う旦那様と、にっこりと励ましてくれる息子にルナは涙ぐみながら飛びついた。
ぎゅうううっ。
「大好きっ!ふたりとも愛してる!!」
結局今年も巻き込まれただけのジオとニナはいちゃつくボス一家を眺めながら溜息を一つ。
「もう作るなって言わないとこがボスのすごいところですよね」
巻き込まれる方はたまったもんじゃありませんけど。
「そうだなぁ。毎回文句言いながらも絶対食ってやってるしな」
巻き込まれる方はたまったもんじゃねぇけどな。
「………次はセンパイお願いしますね」
「はぁ!?」
「私には無理です。もう当分キッチンには踏み込みません。
センパイのつくるご飯でこれから先、生きていくからいいです。」
「なっ!?おま、それ、」
ぷ、プロポーズ!?
いや、だって、これから先俺の作ったメシで生きて行くって。
ずっと、俺といるってことだろ……?
あれ?なんか色々と立場が逆じゃね?
どうする俺!どうすりゃいいんだ!?女に言われて素直に頷いて良いもんなのか!?
「とゆーわけでセンパイ、お茶お代わり。
……どうしたんですか?挙動不審ですよ」
「……そうだよな。お前はそういうやつだよな!!」
「はぁ?」
「何でもねぇよ!無自覚鈍感女!!」
「……センパイ、本当に意味わかんないです」
怒りながらもしっかりお茶のお代わりを淹れてやっているジオと不思議そうな顔をしながらも疑問よりもお茶を優先させるニナ。
「さっさと腹を括ればいいものを」
「もう、肝心なところでヘタレなんだから!」
「ボス?姉ちゃん?ジオとニナがどうかしたの?」
「「なんでもない」」
こうして今年の魔のお茶会はニナ多大なる苦労のおかげで平穏に幕を閉じた。
めでたし、めでたし
(めでたくねぇよ!!家族内だけで終わらせろ!!俺たちを巻き込むな!!)
(……諦めって大事ですよ。センパイ。まぁ来年から私は見てる側にまわりますけど)
(おいいい!!!俺に全部押し付けてるだけじゃねぇか!!)
ものすごく疲れが滲んでボロっとしていたけれど一応ちゃんと生きていた。
精根尽き果てた様子のニナの苦労の成果なのか出てきたお茶受けはごくごく普通のクッキーに見える。
見た目は。
「……。姫、ニナ。味見、したか?」
「そんな恐ろしいことするわけな……じゃなかった、1番にセンパイたちに食べて貰いたくて」
てへぺろ☆
可愛らしく言ってみても零れてしまった本音は取り消せない。
いつもなら誤魔化されてやるレベルの可愛さだが、生憎と今回は命がかかっている。
「本音出たぞ!今ポロっと隠し通さなきゃならねぇ本音が出たぞ!!!」
「ちっ、男ならグダグダ言わずに食べろや。それとも私と姫様が作ったものは食べられないとでも?」
凄むニナとギャンギャン吠えるジオを横目にリヒトはクッキーと呼ぶにはあまりにも固いそれを頑張って噛み砕く。
「……ボス、俺、これはじめて食べる触感と味だ」
「……食えるもんが出てきたんだ。ニナの苦労の賜物だろ」
親子は若干遠い目をしながらもぐもぐと口を動かす。
当然そんな感想を期待していなかったルナはぷくっと膨れてふたりを睨みつけた。
「膨れる暇があんならお前も食べてみろ」
「………おいしくない」
「まだまだ要練習ってことだな」
「今度は俺も一緒に作るよ。ボスに美味しいっていてもらえるように頑張ろうね!姉ちゃん」
意地悪く笑う旦那様と、にっこりと励ましてくれる息子にルナは涙ぐみながら飛びついた。
ぎゅうううっ。
「大好きっ!ふたりとも愛してる!!」
結局今年も巻き込まれただけのジオとニナはいちゃつくボス一家を眺めながら溜息を一つ。
「もう作るなって言わないとこがボスのすごいところですよね」
巻き込まれる方はたまったもんじゃありませんけど。
「そうだなぁ。毎回文句言いながらも絶対食ってやってるしな」
巻き込まれる方はたまったもんじゃねぇけどな。
「………次はセンパイお願いしますね」
「はぁ!?」
「私には無理です。もう当分キッチンには踏み込みません。
センパイのつくるご飯でこれから先、生きていくからいいです。」
「なっ!?おま、それ、」
ぷ、プロポーズ!?
いや、だって、これから先俺の作ったメシで生きて行くって。
ずっと、俺といるってことだろ……?
あれ?なんか色々と立場が逆じゃね?
どうする俺!どうすりゃいいんだ!?女に言われて素直に頷いて良いもんなのか!?
「とゆーわけでセンパイ、お茶お代わり。
……どうしたんですか?挙動不審ですよ」
「……そうだよな。お前はそういうやつだよな!!」
「はぁ?」
「何でもねぇよ!無自覚鈍感女!!」
「……センパイ、本当に意味わかんないです」
怒りながらもしっかりお茶のお代わりを淹れてやっているジオと不思議そうな顔をしながらも疑問よりもお茶を優先させるニナ。
「さっさと腹を括ればいいものを」
「もう、肝心なところでヘタレなんだから!」
「ボス?姉ちゃん?ジオとニナがどうかしたの?」
「「なんでもない」」
こうして今年の魔のお茶会はニナ多大なる苦労のおかげで平穏に幕を閉じた。
めでたし、めでたし
(めでたくねぇよ!!家族内だけで終わらせろ!!俺たちを巻き込むな!!)
(……諦めって大事ですよ。センパイ。まぁ来年から私は見てる側にまわりますけど)
(おいいい!!!俺に全部押し付けてるだけじゃねぇか!!)
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ありがとうございました!