スキル《AI》と現代最強武器【銃】で世界最強~お前ら、これを知らないのか?~

長谷川 心

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8話 最強のハンドガン(後編)

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  「すいませ~~ん」



 現在、俺は中央街・冒険者ギルド本部を訪れていた。時刻は、午前7時。ギルド内部は、朝早くもあるので人はあまりいない。アキハが言うには、9時あたりから冒険者の数が増え始めるのだという。こんな朝早くにギルドに何の用があるのか。言わずもがな、資金が溜まったので魔晶石とミスリルやオリハルコンなどの金属類の購入だ。



 この世界の金属は、全部で5種類のみ。



①ミスリル:軽量で、魔法の伝導率が一番高いのが特徴。銀色をしている。5種類の中で一番相場が安い。とはいっても、1キロ銀貨20枚くらい。ミスリルの剣を作成するには、約2キロほど必要。



②オリハルコン:ミスリルよりも硬い。魔法の伝導率は皆無。加工はしにくく、熟練の職人しか扱えない。素人が加工するのはまず、不可能。(一部例外あり) 相場は、1キロ金貨1枚ほど。



③アダマンタイト:オリハルコンよりも硬いのが特徴で、ダイヤモンドの硬さに匹敵する。こちらも加工はしにくい。非常に希少な金属で、アダマンタイト・ドラゴンという魔物から採取される。相場については、アダマンタイト・ドラゴンの討伐数によって変わってくるのでなんとも言えない。



④ヒヒイロカネ:非常に硬い金属。名の通り、緋緋色で火に強い耐性がある。主に剣などの武器に使用される。こちらも加工は難しい。鉱山から稀に出てくるので相場は1キロ金貨3枚ほど。



⑤魔石(魔晶石):魔物が稀に落とす鉱石。魔石は、ミスリルのように魔法の伝導率は高くないが、魔法そのまま封じ込めることができる鉱石。魔石も価値は高いが、魔石が変化した魔晶石は特に価値が高い。相場は分からない。



と、いった具合だ。



「はい……」 

カウンターの奥から、目をこすりながら出てきたのは女性だ。金髪のショートヘア―で、黒色のスーツに似た服を着用している。



 えっと……確かこの人、以前ギルドを訪れた際に俺の応対をしてくれた人だよな。右胸につけているネームプレートを見ると、エリーゼと書いてある。エリーゼさんか……覚えておこう。



 この世界において、人脈というのは大事だ。ギルドにも知り合いがいた方が、融通が利くらしい。

中には、女の冒険者などは自らの体を使って男の職員を虜にするものもいるという。ま、要するになんでもありということだ。



「朝早くすいません。少し購入したいものがありまして……」



「は…い。え! の、新星ノヴァ!」

うわ……。またこの二つ名か……。資金が欲しくて、狩りまくってただけなのに……。



「あの、その呼び名やめてくれません?」



「あ! すいません……。つい…、で購入したいものとは?」



「はい、魔晶石とミスリル、それからオリハルコンを下さい」



 本当なら、ヒヒイロカネも欲しいけど…とりあえず試作品を作ってみるだけだし、これでいいだろ。



「すいません。ありません……」



 はっきりと、そう言われてしまった。なんでも、ギルドで金属類の買取は行っているがすぐに、鍛冶職人や商会が買い込んでいくんだそうだ。冒険者が自分で武器や防具を作ることはないし、売ってしまった方が断然稼げるらしいのだ。



 普通に考えればそうだよな。俺は《製造》があるから、自分で製作できるけど全員この魔法が使えるわけではない。



 エリーゼさんは、先程の言葉に付け加えるように話す。



「それに…魔晶石はそこらで手に入る代物ではありません……ですが―――」



「トリノ商会なら、もしかするとあるかもしれません」



 おおお! 魔晶石がない、と言われた気がしたが微かな可能性は残されているみたいだ。ここでも、トリノ商会の名を聞くなんて……。



「分かりました。トリノ商会へ行ってみます。ありがとうございました」



「いえ、お力になれたなら幸いです。お気をつけて」



 俺は、もう一度エリーゼさんにお礼を言いトリノ商会へと向かうため、ギルドを出た。



 トリノ商会は、中央街の東地区・商業区域の一角に本店を構えている。ロックの中でも商業区域は一番、発展していて数多くの商会の店が並ぶ。ベルトレイン王国王都にも引けを取らない規模だ。ギルド本部は、西地区にある。



 もうすでに開店しているかもしれないし、早速行ってみよう。開いてないだろうけど……。



 ……案の定、開店していなかった。時刻は、8時。

他の商店も開いておらず、人通りもない。本当に、商業区域なのか疑わしいくらいだ。



 仕方ない、しばらく待つか。俺は、トリノ商会本店の外壁にもたれかかり、目を瞑る。 



 ……………



 ……………



 アラタ・シンジ――眠りにつきました。昇ってきている太陽の光、そよ風がとても心地よい。目を瞑ってからわずか数分で………落ちた。



 ……………



 ……………



「あの……お客様、お客様―――」



 ん……なん…だ? 女性の声が聞こえるぞ。確か、俺は魔晶石などを買いに―――痛って!



 壁に頭を盛大にぶつけてしまった。そんなことより、俺は寝てたのか? 記憶がない。なら、寝てたんだろうな。やっちまったな。



「お客様、大丈夫ですか……?」

トリノ商会の店員さんだろうか、困惑した様子であたふたしている。



「大丈夫です、すいませんでした。店の前で…」



「いえいえ、生きてるなら良かったです!」

笑顔でガッツポーズをしている。非常に絵になるが、問題はそこじゃない。俺は、死んでると思われていたのか……。本当に死んでしまっていたなんてことを考え、身震いする。怖い怖い。



「ハハハ……そうですね。それより、店はもう開いてますか?」



「はい! どうぞ、お入りください」

一度、お辞儀をしてから右手を店の中へ出し、案内してくれる。



 トリノ商会本店は、さすがの一言だった。ロックで一二を争うだけはある。横に延びた店内の壁には、剣や防具などが飾られており平台には、魔導書が置かれている。ショーケースには、宝石や各種アクセサリーなども充実していて、日本の百貨店のようだ。基本、なんでもある。



 様々な商品に目を奪われながら、カウンターへ向かい用件である魔晶石などの金属類が販売されているか、尋ねてみる。



「魔晶石とミスリル、オリハルコンはありますか?」



「はい。ミスリル、オリハルコンは御座います。ですが……」



 あ、やっぱりか。結局ないのね。正直、少し期待していた。ここまで大きな店なら、と。しょうがないか……、魔晶石は諦めてミスリルとオリハルコンだけでも買っていくか。



「そうですよね。ミスリルとオリハルコンだけでも売っていただけたら結構です」



「申し訳ございません、お客様。分かりました、何キロご所望でしょうか?」



「そうだな……、ミスリルを1キロ。オリハルコンを2キロ貰おうかな」



「かしこまりました。合計で金貨2枚と、銀貨25枚になります」

そう言うと、カーテンで仕切られた奥の方へ歩いていく。



 ふむ。オリハルコンに変化はないが、ミスリルは少し値上がりしてるな……。銀貨5枚くらいなら屁でもないのだが。



 先程の店員さんが、ミスリルとオリハルコンを持ってやってきた。俺は、合計額ちょうどを手渡し商品を袋に詰め、店を後にしようとしたのだが―――



「お待ちください!お客様!」

突然、呼び止められた。なんだ? お金が足りなかったかな。



 白髪に丸眼鏡をかけた、いかにも執事だろう老人が俺の元まで駆け寄ってきた。



「突然、呼び止めて申し訳ありません。もしや、あなたは新星ノヴァアラタ殿ではありませんか?」



 もう、ツッコむ気すら起きない。ロックでは、俺の二つ名が知れ渡ってしまっているようだ。



「ええ、そうですけど。どうかしましたか?」



「はい、どうやら魔晶石をお探しとお見受けします。

どれくらいのサイズをお探しでしょうか?」



 お、この感じあるのか。けど、在庫がないのにそんなこと聞かないよな。



「直径2㎝ほどのものを」

小さくないか? と思われるかもしれないが、ハンドガンに取り付けるものなどで2㎝くらいがちょうどいいのだ。



「ほお、そんな小さなものでよろしいなら、特別にお売りさせていただきますが……いかが致しましょう?」



 ほう? 特別にお売りする、か。絶対裏がある。特別というこは、本来なら売らないということだ。この誘いにのるかそるか、判断にそう時間はかからなかった。



 答えはのるだ! せっかく売ってくれるなら買っておくべきだ。今日のことで何か言われたら、それに従えばいい。最強のハンドガンができれば、大抵のことは跳ね除けられる。



「もちろん、購入させていただきます」



「おお! そうですか、ありがとうございます。では早速ですが、金貨4枚でどうでしょうか?」



 ほんとに、さっそくだな! まあいいけど。にしても、金貨4枚これは安いのだろうか?手持ち金にはまだ余裕があるから購入はできる。う~~ん、あれこれ考えても時間の無駄だ。ぼったくられたら、それまでだ。



 俺は、金貨4枚で魔晶石を購入しトリノ商会本店を出た。お見送りが盛大で、店員が全員出てきて深々と頭を下げられた。悪い心地ではないが、少しむずがゆい。



 それから、俺はその足でもう一度ギルド本部へと行き、常駐している付与術師エンチャンターの方に爆発系統の魔法を付与エンチャントしてもらい、一直線に宿屋へと帰ってきた。



 ここからが、楽しい工作タイムだ。図面は、《AI》が準備しているし材料もある。完璧だ。

俺は、まず拳銃ハンドガンの製作に取り掛かった。といっても、《製造》の魔法でちょちょいのちょいなのだが。



 トリガーを引いたと同時に、俺の魔力が魔晶石へと流れる管を作り、ハンドガンに組み込む。さらに魔晶石もハンドガンの上部後方に固定し、魔力が流れれば爆発が起きその爆発の燃焼ガスの圧力によって弾丸が射出される仕組みだ。よって、本来出るはずの薬莢はない。



 ハンドガン自体は、オリハルコン100%で作成。魔晶石へ流れる管は、伝導率の高いミスリルを使用した。最後に、弾丸だ。今回は、フルメタルジャケット弾を作ろうと思う。一番メジャーで安価だ。ミスリルとオリハルコンを組み合わせた弾丸だ。



………………。

………。

……。



 できたーーーーーー!! ハンドガンは鈍く光る銀色で少し大きめだ。残ったオリハルコンで、弾丸が約50発できた。一回の弾倉に込められるのは10発なのでちょうど5回分だ。



 ここで、重要なことが一つ。完成したハンドガンの名前だ。いい名前をつけてあげたい。ってことなのだが、すでに決めていた。



 名は、“カークス”。ギリシア神話に登場する火神の一人だ。



 そして、このカークス含めこれから先アラタが生み出す神の名を冠する武器は、後に神器として長く語り継がれることとなる。



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