スキル《AI》と現代最強武器【銃】で世界最強~お前ら、これを知らないのか?~

長谷川 心

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7話 最強のハンドガン(前編)

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 さて、さて皆さん! 今日は待ちに待った日だ!

今まで、弾丸を岩石で代用していたがまとまった資金が手に入ったので、ついに金属製の弾丸が作れるようになる。



 いや~~、銃って男のロマンだよね。前世(地球)では、銃の所有は法律違反なのでダメだったのだが……。でも、今いるのは異世界。銃刀法違反にはならない。やってやる。常識を覆してやる!



 そう、意気込んでいた時間が俺にもありました……。



 遡ること数時間前―――



 やっと歴とした拳銃を作れるようになり、まず俺が取り掛かったのは、必要な物がなんなのかの確認だ。



 必要なものは、大きく3つ。一つ目、金属。

これは、ミスリルやオリハルコンを使う。地球とはまた違ったものができるだろう。非常に楽しみだ。



 続いて2つ目、魔物の革。正直、これはなくてもいい。拳銃の持ち手の部分―グリップに巻こうと思っているだけだ。絶対必要という訳ではない。



 最後が、火薬だ。これは絶対必要。火薬がないと金属製の弾丸を発射できない。拳銃の心臓というべき部分だろう。でも、火薬なんてこの世界にあるのか?

火を起こすのも魔法を使ったりしてるのに。



 ま、最悪の場合作ればいい。火薬の作り方は意外と簡単で、硝酸カリウムと硫黄、木炭があればできる。

一応、あるかないかだけでも聞いとくか。







 皆さん、お気づきと思いますがこれはフラグですね。最悪、作ればいいなんていうのは甘い考えです。

結果を先に、お伝えするとこの世界に火薬はありません。もちろんその材料もないです。思い込みはダメですね。それでは、希望が絶望に変わる様をご覧ください。(未来のアラタ・シンジより)







 俺は、隣の部屋にいるアキハの所へと向かった。俺は、アキハが住んでる宿屋の隣の部屋を借りている。行こうと思えばいつでもいける。その気になれば、夜這いなんかも……。



「おーい、アキハちょっといいか?」

扉の前に立ち、一応入っていいかを確かめる。勝手に入って、着替えている最中でしたとかだったら俺としては、最強イベントなのだが……。そうなると、俺の信用は地に落ちるのでやめておく。



「大丈夫よ」

入ってもいい、という許可が下りたので「失礼します」と一言声をかけ中に入る。内装は俺の部屋とほぼ一緒で変化はない。



「で、なんの用?」



「おう、火薬ってあるか?」

さあ、どっちだ? あるのか、ないのか。ないなら作ればいい。



「何よそれ、そんなん知らないわよ」

そうかそうか、火薬はこの世界にはない。ならば、作るまで。



「じゃあ、硝酸カリウムと硫黄は知ってるか?」

ド直球で聞いてみる。本当に最悪の場合、硝酸カリウムも作ろうと思えば作れる。硫黄は難しいけど。ただ、硫黄は火山があれば問題ない。流石に、火山くらいはあるだろう。



「さっきから何よ? 全部聞いたこともないわ」

アキハが呆れた様子で、俺を見てくる。やめてくれ! そんな顔をしないでくれ。惨めになるだろ……。



「そ…そうか。なら、火山はどこだ……?」



「アラタ、私を馬鹿にしてるの? “カザン”って何よ、人の名前?」



「へ? か、か…火山を知らない…。火山はない……」



 その時、俺は頭が真っ白になりました。真っ白になるってこんな感じなんですね……。見出す希望すべてが絶望に変わり、俺は生命活動を停止しました。



「おーい、大丈夫なの? 白目むいてるけど……」

アキハが、何か言っているようだが今の俺には聞こえない。どんな顔してんだろ? とんでもない顔してんだろうな…。ハハハ、地球で死んだときもショックだったけどそれ以上にきついな……。



「……………」



「もうっ、いい加減にしなさい!」

バチン! 俺に頬にビンタが飛んできました。そして、壁際まで吹っ飛びました。痛いです。ものすごく痛いです。



 俺はアキハのビンタで正常に戻り、アキハにお礼を言う。一個一個整理しながら、真っ白な頭を埋めていく。やっと、理解した。俺のハンドガン計画は頓挫したんだ……。



「で、何があって茫然自失になっていたのよ?」

やっぱり、気にかけてくれるんだな。ちょっと上から目線だけど。いい子だよ、ほんと。ちゃんと理由を話さないと、もう一発ビンタが飛んできそうなので、諸々の事情を話すことにした。



「ふ~~ん。そういうことね。要するに、炎が出せればいいってことね?」



「う~ん。炎は炎なんだけど、正確には爆発かな」

そう、別に火薬はなくても銃はできる。ただ、それが一番簡単で楽だからだ。それに、俺は炎系統の魔法を使えない。使えるのなら、いくらでも方法はあったが……。



「爆発ね……。アラタって火魔法使えないわよね?」  「ああ」

ん? この感じ、何か策があるのか? あるなら嬉しいが、ないなら諦めるしかない。空気圧でもなんとかなるかもしれないし。



「それなら……魔晶石に付与エンチャントしたらどうかしら?」

おっと、これは興味深いな。有益な情報だ。魔晶石というのが何か分からないが、おそらく魔石みたいなものだろう。



「その方法について良く分からないから教えてくれ」



「アラタ、ほんとに何も知らないのね。今まで良く生きてこれたわね」

いや……そんなこと言われても、俺この世界の生まれじゃないし。魔法なんかのファンタジーとは無縁の世界だったし。



「ま、とりあえず説明すると……魔晶石は、魔石が数年数十年という長い年月をかけて変化したものなの。そして、魔晶石の特性として付与や封じ込めた魔法を任意で発動させることができるの。自分の魔力を流すことによってね。で、その魔晶石に爆発の魔法を付与エンチャントしてアラタの魔力を流せば、爆発が起きるってこと。分かった?」



 うん。なんとなく分かった。つまり、こういうことだ。拳銃のある部分に魔晶石を取り付けて、俺の魔力を直接魔晶石に流し込むことができれば、拳銃内で爆発が起こり弾丸が発射できるというわけか……。めちゃくちゃいい手じゃないか! 俺の頭では不可能だが、《AI》ならばできるはずだ。



『さっきの説明通り、再現できそうか?』

久しぶりになるが、再現可能かどうか聞いてみる。



『お久しぶりです、マスター。はい。再現可能です。すでに構造は出来上がっております』



『ま……マジですか?』



『はい。マジです』

うおおおおおおおおお! キターーーーーー! 今日は、最高の日だ。生きてきた中で一番うれしい。希望から絶望、一転して超希望。嬉しすぎる!



『ほんっっとにありがとう!』



『はい。調子いいこと言わないでください』

うおっ、急に辛辣だな。最近話しかけてなかったから拗ねてるのかな? ちょこちょこ話しかけてやるか。なんたって、俺の相棒はお前だからな。



『これからも頼むぜ、相棒』



『はい。マスター』

心なしか嬉しそうだ。勘違いかもしれないが。でも、これで製作の目途が立った。少し時間がかかるかもしれないが、材料さえ集めてしまえばこっちのもんだ。



「サンキュー、アキハ。その方法でやってみるよ。ってことで早速材料買ってくるわ」

俺は、自分のやりたいことが決まればすぐに行動に移す。それが、自分の生命線なら尚更だ。



「買ってくるって、お金はあるの?」

ん、何言ってんだ。金ならあるだろう、アキハと半分で分けてもまだ金貨1枚と銀貨50枚もある。

余裕で買えるだろう。



「あるの?って金貨3枚を二人で分けた分があるだろ?」



「うん、それは分かってるけど。多分だけど…それだけあっても魔晶石一つ買えないわよ」



「は? 本気で言ってる?」  「うん」



 俺はその場で固まってしまった。材料があるならできると確信していたが、資金に難ありだった。

いったい、魔晶石っていくらなんだよ! どんだけ高級なんだよ!



「ちなみにだけど、魔晶石とミスリル、オリハルコンの3つを買うならいくら必要?」



 ここまで、来たのならやるしかない。足りないのであれば、稼ぐだけだ。幸いにも、暴虐の森の魔物は高く売れるみたいだからな。



「そうね~~、どれだけの量が必要なのか知らないけど十分な量が欲しいなら金貨6枚くらいかな……」



「金貨6枚か……。全然足りないな……」



 宿屋の支払い分や食事代もある。一日にこなせる依頼に制限はないが、依頼を受ける側がもたない。暴虐の森の魔物を狩りまくれば、数日でたまるかな……。



 考えるよりも、行動が大事だな。明日から死ぬ気で、働くか……。



 そして、次の日からアラタは自分の体が動かなくなるまで、冒険者ギルドと暴虐の森を往復しまくり、3日で金貨7枚を稼いで見せた。同時に依頼もこなしたので、冒険者ランクがDからCに上がった。



 史上最速でランクCに昇格したアラタは、城塞都市ロックにて新星ノヴァの二つ名を得ることとなった。
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