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【08】接吻 ② ーキスが上手いオトコー

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「ん……、っぁ!」
 突然唇を離されたので、顎に唾液が垂れる。

 なぜキスをやめるのかと恨みがましくめつければ、サニーは親指で顎の唾液を拭ってペロリと舐めた。
 その雄の色香を漂わせる仕草に、胸がギュッと締め付けられる。


「キスはまたあとでネ。それより……オラ!そのけしからんおっぱいを見せてみろ!」
「やぁん」

 男はダニエルの頭から素早くジャンパースカートとブラウスを抜き取る。

 シュミーズと胸にはサラシ、紐パンツ、ストッキングというなんとも心許ない姿だ。
 シュミーズの肩紐を滑らせサラシを乱すと、ダニエルの大きなおっぱいがぽろんと顔を出す。

 サニーはそれを両手ですくいあげ、「おぉ~!!」と感嘆の声を上げた。


「日焼けエロっ!え?下はどうなってんの?パンツも脱がせちゃる」

 サラシで覆っていた胸の部分だけ真っ白で、それ以外は小麦肌のダニエルに、男は鼻息をふごふご荒げた。

 遊び人だけど、ある程度の常識と冷静さは持ち合わせているサニーだが、今の彼は性欲に脳を乗っ取られている。

「もぉ、エッチ」
 サニーはダニエルをソファーに横たわらせ、シュミーズも紐パンツもストッキングも取り払ってしまった。

「うわぁ~、すんげぇ綺麗……」
 サニーはダニエルの裸体を、イヤラシイ目つきで見渡す。

 涎を垂らす犬のようにまじまじと眺められ褒められて、悪い気はしない。
 ダニエルは調子に乗り、ヌードモデルのポージングをとった。
 涅槃像ねはんぞうみたいに肘をソファーにつき、足をしなやかに交錯させる。


「あ~、すごいイイ!エロい身体ですな。絵師を読んで描かせたいくらい……どれ、おっぱいは……んん~、ふかふかっ!なんつー柔らかさだっ!」
 サニーは「最高!」と叫び、谷間に鼻を埋めてくる。

 目尻を下げ、すっかり巨乳に夢中だ。
 ダニエルは脇から胸の脂肪を集め、彼の頬をパフパフしてあげた。
「うほぉー」なんて、バカな声が飛び出す。

「大きなおっぱいが好きなの?男はみんな大きいのが好きよね」
「大きいのがすきなんじゃない!男はみんな、おっぱいが好きなんだ」

「じゃあ、ちっぱいでもいいの?」
「もちろん、ちっぱいでもでかぱいでも俺は平等に愛すよ」

 凛々しくキメ顔で言われたが、おっぱいからは手を離さない。
 これじゃあ信憑性はゼロだ。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【一言】
ダニエルの瞳の色は”ヒマラヤの青き瞳・ポクスンド湖”をイメージしてます!
最近、再度ポクスンド湖の写真を見ていたら、「ターコイズブルーだったかも?(*´-ω-)」と凹みました。
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