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【08】接吻 ① ーキスが上手いオトコー
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合わさった身体から、熱があがる。
ダニエルは男の太い首に腕を回して、瞳を見つめた。
夜明け前や日没直後、晴れた日に五分ほど訪れるブルモーメント。
あの深い青紫の空を思わせる瞳は嵐の前の静けさか、凪いでいる。
感情を押し込めたような眼差しと表情。
興奮を抑え息を殺す仕草に、ダニエルは敢えて流し目を送った。
男を誘い、煽るような蠱惑的な眼差し。
サニーは吸い寄せられるように、ダニエルの頬に手を当てた。
「こんな綺麗な瞳……初めてみたよ。ターコイズグリーンっていうのかな」
絵の具のようだと評されるダニエルの瞳は、トルコ石の原石のように濃い青緑色だ。
「大きな目だよね。猫みたいですっごく可愛い」
目が大きいとはよく言われるが、猫みたいと言われたのは初めて。
そんな褒め方もあるのかと、ダニエルは笑いを噛み殺した。
「カードを切りながら、君のその瞳に写りたいって……いつも思ってた」
「その割には、女の子を侍らしてたじゃない」
拗ねたように言うと、サニーは頬を緩ませる。
「キミが望むなら、女の子達を追い払うよ」
「あたしが望むのは……」
わからない?というように唇を開きキスを誘う。
堕ちるように、男の麗しい顔が近づいてきた。
熱く湿った息がかかり、ざわっと全身が粟立つ。
ふにっと、唇に弾力のあるものが押し当てられた。
あぁ、近くでみても、本当にいい男。
睫毛も髪もキャンドルの光を浴び、夕陽に染められたよう。
ダニエルは男の頬を両手で包み、吸い付くように自身の唇を動かす。
男の唇は思ったよりも柔らかく、そしえてしっとりしている。
触れるだけのキス。
首の角度を変え、唇がピタリと重なり合う。
「……ん、……ぅ」
唇に濡れた舌先が触れて、吐息を漏らして口を開いた。
すぐに男の舌が挿入ってくる。
唇の内側をぐるっと舐め、前歯の先、舌の上と、ゆっくり優しく侵入してくる。
この人、キス上手い!
きもちいいポイントを熟知していて、その手管を余すことなく披露してくれる。
それだけ女性遍歴・肉体経験が豊富で、数多の女性の間を渡ってきたんという事だろう。
胸に黒い感情が浮かびそうになり、ダニエルはキスに集中した。
「……ん、ぅん……」
歯の裏、顎の上、舌の側面までも、角度をかえ、何度も丁寧にに舐められる。
強引ではない、女の心と身体を溶かすようなキスに、ダニエルは腰砕けになった。
シャンパングラスが絨毯の上に落ち、コルセットの紐を解かれたことにも気づかない。
ダニエルは男の太い首に腕を回して、瞳を見つめた。
夜明け前や日没直後、晴れた日に五分ほど訪れるブルモーメント。
あの深い青紫の空を思わせる瞳は嵐の前の静けさか、凪いでいる。
感情を押し込めたような眼差しと表情。
興奮を抑え息を殺す仕草に、ダニエルは敢えて流し目を送った。
男を誘い、煽るような蠱惑的な眼差し。
サニーは吸い寄せられるように、ダニエルの頬に手を当てた。
「こんな綺麗な瞳……初めてみたよ。ターコイズグリーンっていうのかな」
絵の具のようだと評されるダニエルの瞳は、トルコ石の原石のように濃い青緑色だ。
「大きな目だよね。猫みたいですっごく可愛い」
目が大きいとはよく言われるが、猫みたいと言われたのは初めて。
そんな褒め方もあるのかと、ダニエルは笑いを噛み殺した。
「カードを切りながら、君のその瞳に写りたいって……いつも思ってた」
「その割には、女の子を侍らしてたじゃない」
拗ねたように言うと、サニーは頬を緩ませる。
「キミが望むなら、女の子達を追い払うよ」
「あたしが望むのは……」
わからない?というように唇を開きキスを誘う。
堕ちるように、男の麗しい顔が近づいてきた。
熱く湿った息がかかり、ざわっと全身が粟立つ。
ふにっと、唇に弾力のあるものが押し当てられた。
あぁ、近くでみても、本当にいい男。
睫毛も髪もキャンドルの光を浴び、夕陽に染められたよう。
ダニエルは男の頬を両手で包み、吸い付くように自身の唇を動かす。
男の唇は思ったよりも柔らかく、そしえてしっとりしている。
触れるだけのキス。
首の角度を変え、唇がピタリと重なり合う。
「……ん、……ぅ」
唇に濡れた舌先が触れて、吐息を漏らして口を開いた。
すぐに男の舌が挿入ってくる。
唇の内側をぐるっと舐め、前歯の先、舌の上と、ゆっくり優しく侵入してくる。
この人、キス上手い!
きもちいいポイントを熟知していて、その手管を余すことなく披露してくれる。
それだけ女性遍歴・肉体経験が豊富で、数多の女性の間を渡ってきたんという事だろう。
胸に黒い感情が浮かびそうになり、ダニエルはキスに集中した。
「……ん、ぅん……」
歯の裏、顎の上、舌の側面までも、角度をかえ、何度も丁寧にに舐められる。
強引ではない、女の心と身体を溶かすようなキスに、ダニエルは腰砕けになった。
シャンパングラスが絨毯の上に落ち、コルセットの紐を解かれたことにも気づかない。
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